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ジャイアントパンダとレッサーパンダ [動物]

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  6月19日。
 少し前の記事に書いた、トーハクの企画展示「鎌倉時代の仏像」を観た後、すぐ近くにある上野動物園へ寄って見ました。

 父親と上野へ出掛ける際、以前はタクシーを利用していたので、トーハクや東京芸大美術館へ行く場合には、それぞれ一ヶ所だけで帰って来ることが多かったのですが、最近は車椅子を押して出掛ける為、却って行動が自由になったような気がします。

 この時も、トーハクを出てから、その場で思い立って上野動物園へ向かいました。
 父は、もう長い間動物園へ来ることもなかったので、ジャイアントパンダの実物を見るのは初めてだったようですが、タイミング良く見ることが出来ました。
 

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 遠くにいる姿や、寝ている後姿しか見られないこともありますが、この日は何とか写真も撮れました。

 現在、パンダと呼ばれている動物には、このジャイアントパンダと、下の写真を載せたレッサーパンダの二種類がいます。

 しかし、現在はこの二種類には、動物学的な類縁関係はないと見られているようです。

 それぞれの、動物学に於ける分類は以下の通りです。

  ジャイアントパンダ : 哺乳綱ネコ目  クマ科  ジャイアントパンダ属    食肉類

    レッサーパンダ   : 哺乳綱ネコ目  レッサーパンダ科  レッサーパンダ属  食肉類

 どちらも、竹を好んで食べるように見えますが、共に肉食類に分類されるそうです。

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 千葉市動物公園のレッサーパンダです。

 ここのレサッーパンダは、全国的に有名ですが、近くに住んでいながら、一度も行ったことがなかったので、6月26日に出掛けて見ました。

 駐車場に近い入り口から入ると、急な長い上り坂になっていて、車椅子を押すには、些かきつい感じもしましたが、園内は広々としていて、ゆったりと楽しむことが出来る動物園でした。

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 「パンダ」とは、ネパール語由来の言葉で、「竹」或いは「掌(てのひら)」を意味する言葉を語源とすると言われているそうですが、元々最初に「パンダ」と呼ばれていたのは、この「レッサーパンダ」の方だったと言うことです。

 現在は、後に発見された「ジャイアントパンダ」が、一般に「パンダ」と呼ばれるようになり、「レッサーパンダ」の方は、謂わば名前を取られてしまったような状況と言えます。

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 昭和44年に刊行された、サトウ ハチローさんの詩集「もずが枯れ木で」の中に、「パンダはとってもかわいいよ」という詩が掲載されています。

   パンダ パンダ パンダ

    パンダは ちいさい からだだよ

    とっても おおきな しっぽだよ

    しっぽに 横縞 ついてるよ

    ながめて ひとりで ほめてるよ

    そうだろ パンダ ねえパンダ

      サトウ ハチロー「パンダはとってもかわいいよ」より

       「詩集 もずが枯れ木で」みゆき書房 (昭和44年7月5日刊) 所収

 この詩を、初めて読んだ時、ジャイアントパンダは未だ日本に来ていませんでしたが、テレビや写真等では既に知られていたため、「ちいさいからだ」や、別の連に描かれた「三角型したお耳」「木のぼり 早いよ 上手だよ / 小枝の 葉かげに かくれるよ」等の内容に、違和感を感じていました。でも、後にこの詩に詠われていたのは「レッサーパンダ」という別の動物の事だと知り、実際に動物園で目にする機会があってから、漸く納得することが出来ました。

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 登っていた木から、降りようとしているレッサーパンダ。

 写真の右上に、ちょこっと顔が見えているのは、もうひとつ前の写真で、木の上に登っていた子です。

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 上に、「木の上に登っていた子」と書きましたが、ここまでの4枚の写真に写っていたのは(写真を撮った時点では)実際に、未だ子供のレッサーパンダで「まい」と「みい」という姉妹です。この子たちは、二本足で直立するレッサーパンダとして、全国的に有名になった「風太」の孫娘だそうです。

 餌を持って来た飼育員さんが声を掛けても、なかなか木から降りて来ません。そこで、飼育員さんがわざと後ろを向いて待っていると、二頭は急いでやって来て、好物のリンゴをねだります。

 爪が鋭いので、身体によじ登られると、かなり痛いのだと言うことです。

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 こちらが、おじいちゃんの「風太」。

 「早く餌をよこせ」という感じですが、年を取って来たら、なかなか立ち上がらなくなったそうです。

 実際に、2003年7月生まれの風太は、今年11歳です。

 レッサーパンダの寿命は、野生では10年、飼育下では15年とされていますから、充分におじいちゃんな訳ですが、見たところとても元気な様子でした。
 

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 「風太」 の奥さんで、さっきの姉妹のおばあちゃんの「チィチィ」。

 「風太」に比べると、毛がボサボサですが、これは毛が生え変わる途中だからだそうです。
 因みに、「風太」の方は既に換毛が終わっていると言うことでした。

 こちらの「チィチィ」の方は、二本足で立っています。

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 「風太」と「チィチィ」の三男の「クウタ」。「まい」と「みい」姉妹の、お父さんだそうです。

 「クウタ」もまた、二本足で直立しています。

 因みに、「クウタ」の奥さんの「メイメイ」はこの時妊娠中で、室内で飼育されているとのことでした。

 「レッサーパンダに、父親としての自覚があるのだろうか?と、時々話題になるのですが、まあ自覚はないんでしょうね」と、飼育員さんが話しておられました。

 実際、レッサーパンダは、繁殖期間以外は単独行動を取る動物で、子育てはメスがしますから、オスに父親の自覚があるとは到底思えない訳です。

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 「クウタ」と「メイメイ」の息子の「源太」。

 最初の「まい」と「みい」のお兄ちゃんに当たります。

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 6月初めの頃、千葉市動物公園のレッサーパンダが、静岡県の「富士サファリパーク」へお嫁入りしたというニュースを、テレビで見ていましたが、それが「風菜」という「源太」の双子のお姉さんだったのだそうです。

 「源太の方も、そろそろお嫁さんを貰わないといけないので、いいレッサーパンダの娘さんをご存知の方がいたら、ぜひご紹介下さい」というのが、一頭づつに餌のリンゴを与えながら、色々と愉快な説明をして下さった飼育員さんの、この日最後のお話でした。

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 お昼寝中の「源太」。

 実は、これが千葉市動物公園へ入ってから、最初に撮った写真の内の一枚です。

 最初にレッサーパンダ舎の前を通って、一通り園内を回り、食事を終えて帰ろうとすると、とてもいいタイミングで、飼育員さんによる、レッサーパンダの解説付きの餌遣りが始まるところでした。

 その飼育員さんは、どこか飄々とした雰囲気の方で、面白い解説を聞きながらの見学は、とても楽しいものでした。


 尚、暫く後の新聞記事に依ると、「クウタ」の奥さんの「メイメイ」には、結局二頭の子供が生まれ、一頭は元気に育っているそうですが、もう一頭は死産だったと言うことです…

 因みに、この記事を書くためにレッサーパンダに就いて調べていると、「風太」が直立したことで、芸を仕込んでいるのではないか等の批判もあったと言うことが分かりました。
 しかし、レッサーパンダは警戒行動などで直立することもあり、「風太」以外の個体でも、元々直立する個体は、以前からいたようですから、そうした批判は当たらないと見て良いと、僕はそう感じました。

 今回は、パンダの写真が多く、ゴリラなど他の動物の写真を載せそびれてしまいましたが、近い内に別の記事に載せる予定です。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 車椅子を押して歩いていると、改めてバリアフリーと言うことに就いて考えることが、多くなったような気がします。
 年月が経つうちに、舗道に出来てしまう歪みや、それに伴う段差。或いはまた、目の不自由な方の歩行には重要な役割を果たす点字ブロックが、車椅子にとっては意外に通行しづらいことも分かりました。これまでも、点字ブロックに前輪を取られて動けなくなったベビーカーの手助けをしてあげたことは何度かありましたが、実際に車椅子を押して歩いて見て、それを具体的に実感することが出来ました。無論、視覚障害のある方には、点字ブロックは無くてはならないものですが、様々な状況に対応してのバリアフリーを考えて行く必要もあるのだと思います。
 それでも僕のように、介助者として車椅子を押して行く場合はまだしも、障害のある方が自ら車椅子に乗って出掛ける為には、尚更に改善の余地は多いように感じています。



 


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コメント 7

mimimomo

おはようございます^^
親孝行のalbireoさんの気持ちが天に通じた?^^ からでしょうか、ジャイアントパンダもレッサーパンダも良いところがお写真に写せて、良かったですね。
そんなところなかなか見られないですよね。 わたくしはレッサーパンダの方が好きなんですが、
いい写真がなかなか写せません。
バリアフリーもなかなか進みませんね。どんな方でも自由に行き来できるようになると良いのですが。
by mimimomo (2014-07-28 06:29) 

ぜふ

フウタくんはもうそんな年齢になっていたんですねー。
でも元気で子孫もたくさんできていいですね^^

それにしてもどちらも”肉食類”だということが意外でした。 肉食べている姿が想像できません・・^^;
by ぜふ (2014-07-28 06:50) 

じゅんぺい

最後にジャイアントパンダを見たのはいつだったでしょう…。
また行こうねえ〜なんて言っているうちに、ゆたかも中学生になってしまいました(^^;;
by じゅんぺい (2014-07-29 06:49) 

sakamono

「風太」の孫娘とは驚きました。立ち上がるレッサーパンダが、ブームの
ようになったのが、そんなに昔のコトだったなんて...。
レッサーパンダ、丸っこくてカワイイですが、爪は鋭いですね。
by sakamono (2014-07-31 23:06) 

sasasa

風太くん、千葉の動物園にいるのですね!
そして、もうそんな年齢に。
話題になってからも結構たったという事ですね(^_^;)
千葉にいるうちに見に行ってみようかな。
by sasasa (2014-08-03 20:22) 

きまじめさん

だいぶ前、夏に動物園に行った時、暑さの為、パンダは長くなって寝ていました。
albireo さんは可愛い表情を撮ることが出来てよかったですね。
レッサーパンダは前から好きでしたが、こんなに可愛かったのですね。
まるで縫いぐるみのようです。
母の介護で、車いすを押したことがありますが、その時、歩きにくさを痛感しました。
以前よりはバリアフリーが進んでいるのでしょうが、まだまだ十分ではないのですね。
by きまじめさん (2014-08-03 23:04) 

Gotton Factory

レッサーパンダかわいいですね。ジャイアントパンダのせいでちょっと損しているかも。
バリアフリー、私も母の足元がふらつくようになってから考えるようになりました。車椅子はまだですが、そろそろ歩行器を使わないとと施設の人から言われています。
ベビーカーのお陰で以前よりましになったとはいえ、バリアフリー化はまだまだですよね。特に駅では本当に気を使います。
by Gotton Factory (2014-08-11 16:07) 

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