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秋の蝶 9月~10月 [昆虫]

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                                                                   アオスジアゲハ  鱗翅目  アゲハチョウ科

 九月から十月に掛けて、見掛けた蝶の写真を載せます。

 尤も、九月に撮った写真は、最初のアオスジアゲハ3枚だけで、それ以下の写真は、すべて十月に入ってから撮ったものばかりです。

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 ヤブガラシの花には、アゲハチョウの仲間を含め、前の記事に載せたスズメバチの仲間から、甲虫のハナムグリの仲間まで、様々な昆虫が集まって来ます。

 ヤブガラシの名は、藪に絡み付いて枯らせてしまう程に繁殖力が旺盛であるという意味で付けられたようですが、蜜を求めて来る昆虫たちには、人気の高い花と言えます。
 これもまた、前の記事に載せたカマキリのように、その人気の高さを利用して、訪れる蝶などを狙って、待ち伏せをするものも、いる訳ですが・・・

 

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 アオスジアゲハもまた、ヤブガラシで良く見掛ける蝶です。
 
 

 僕は、アオスジアゲハになかなか出合えない時には、上野のトーハク(東京国立博物館)へ寄った帰りなどに、その正門前の横断歩道を渡った先にあった、上野公園の噴水池へよく行きました。
 嘗ての噴水池の周りには、灌木の生垣が巡らされており、そこにはいつもヤブガラシが絡み付いていて、よくアオスジアゲハが訪れていたからです。
 しかし、一昨年位前からの公園の改修工事の結果、すっかり綺麗になった噴水池の周りには、僕にとっては些か残念な事ながら、もうヤブガラシが絡み付く余地はなくなってしまいました。

 この写真は、家の近くの藪に絡み付いたヤブガラシで撮ったものです。

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                                          ヤマトシジミ  鱗翅目  シジミチョウ科

 普段は、翅を閉じて止まることが多いような気がしますが、午後の日当たりのいい場所では、翅を開いて止まってくれます。
 尤も、シジミチョウの仲間の何種類かは、翅の裏の模様を確認しないと、僕には何と言うシジミチョウなのか、同定が出来ません。ですから、少しだけでも翅を閉じてくれると有り難いのですが、なかなか思うようには行きません・・・

 この蝶は、僅かな時間ですが、翅を閉じてくれたので、間違いなくヤマトシジミと確認出来ました。

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                                  モンシロチョウ  鱗翅目  シロチョウ科

 モンシロチョウには、春のイメージがありますが、実際には3月~11月頃までの期間に、6回~7回ほど発生します。
 初春に見られるモンシロチョウは、前年の秋に卵から孵って、蛹の姿で越冬したチョウです。


 

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                                        ウラナミシジミ   鱗翅目  シジミチョウ科

 翅に、黒い目玉模様と、小さな尾状突起(びじょうとっき)のある、可愛い蝶です。

 僕の子供の頃には、あまり見掛けた記憶のない蝶でしたが、最近は良く見掛けます。

 平成2年刊行の「原色蝶類検索図鑑」(北隆館)によれば、ウラナミシジミの分布は「千葉県房総半島以西の温暖な地域のほぼ全域」となっていて、付載されている分布域の略図を見ると、習志野市はギリギリの所にあるように見えます。当然、東京都内は分布域には含まれませんが、現実には上野のトーハクの構内に植えられている、紅白の萩の花でもよく見掛けます。

 僕が、最初にウラナミシジミを意識して見たのは、このブログを始めた頃のことです。場所は、亡き母の眠る、習志野市内の霊園の片隅に植えられた、山萩の花でのことでした。

 次のツマグロヒョウモン程ではありませんが、ウラナミシジミもまた、地球温暖化の影響を受けている可能性も否定出来ないのかも知れません。

 因みに、萩の花でよく見掛ける理由は、ウラナミシジミの幼虫の食草が、マメ科の植物だからということです。

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                                   ツマグロヒョウモン(雄) 鱗翅目 タテハチョウ科

 最近は、いくらでも見られる蝶ですが、関東地方に現れるようになったのは、ごく近年のことです。

 前掲の、平成2年刊行の「原色蝶類検索図鑑」(北隆館)に記載の分布域は、「本州(東海から近畿以西)、四国、九州、南西諸島」となっています。
 少なくとも、この本が刊行された、平成2年の時点では、関東地方への進出は、まだ確認されていなかったと言うことになるのだと思われます。

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                                      ツマグロヒョウモン(雌) 鱗翅目 タテハチョウ科

 雄の写真を撮った数日後、ほぼ同じ場所で、雌のツマグロヒョウモンを撮ることが出来ました。

 翅の先端の模様が、雄とは異なっています。

 鳥と同様に蝶の仲間もまた、雄の方が色鮮やかなものが多いように思いますが、このツマグロヒョウモンの場合は、明らかに雌の方が美しいと思います。

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                                             キタテハ  鱗翅目  タテハチョウ科

 何だか、翅が傷んで、ボロボロになってしまったように見えるかも知れません。

 でも本当は、最初からこういうデザインの翅を持つ蝶です。

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 キタテハの翅の裏側です。
 後翅に、アルファベットの「C」のように見える斑紋があります。
 謂わばこれが、キタテハの印なのですが、「原色蝶類検索図鑑」を見ると、同じような斑紋を持つ蝶に、「シータテハ」という近縁種のタテハチョウが見付かります。しかし、シータテハは山地性の蝶であるため、平地で見掛けるものは、先ずキタテハと見て間違いないようです。

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                                                                   アオスジアゲハ  鱗翅目  アゲハチョウ科

 再び、アオスジアゲハです。

 これは、十月半ばになって撮りました


 駅に向かう途中にある中学校の、校庭のフェンスの外にある花壇植えられたランタナの花でのことです。

 背景の些か奇妙な模様は、フェンスの金網が、ボケて写っているに過ぎません。

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   散乱する光の粒子を

   撒き散らしながら

   青く輝く蝶が舞う

   異世界から訪れた

   光の精霊のように

   その翅を煌めかせる

   青い翅の蝶はやがて

   眩い光を放ちながら

   不意にその姿を消す

   目眩く喪失感を残し

   遠い夢の中の世界の

   儚い幻影のように 

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 アオスジアゲハは、本当に素早く、慌しい程に、花から花へと飛び回ります。

 僕はいつも、アオスジアゲハを撮ろうとする時、焦るような思いで、シャッターを切り続けています。

 カメラのレンズを向けると、その瞬間に別の花へと、舞うように飛び移り、シャッター幕が下りる間もなく、その場から姿を消してしまうこともしばしばです。
 一枚でもいいから、ちゃんと写っていて欲しいと、そう思います。

 そんな時に僕は、多分昔のイギリスの、蝶の翅を持った少女の姿の妖精の絵を、不意に思い浮かべたりもします。

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 アオスジアゲハの発生時期は、5月から10月とされていますから、 この秋は、これが最後のアオスジアゲハの写真になるかも知れません。

 でも、実際には11月頃に見た記憶もありますから、もう一度くらいは出会える機会もあるような気もします。


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はてみ

今年の春くらいにウラナミシジミを初めて見て、尾状突起が気になりました。
それ以来、見ていませんが…。
シジミチョウもいろいろいますね。
先日、仕事で読んだ小説にはエドワーズカラスシジミが出てきました。
表紙にも描いてあるのですが、特徴である青斑が切れてしまったのが残念でした。
デザイン、変えられたのですね。
by はてみ (2012-10-22 22:37) 

ぜふ

アオスジアゲハはほんとにせわしないですね。
気持ちに余裕のある、ゆったりした気分のときでないと撮る気がおきません^^;
写真を撮るにはヤブカラシよりもランタナにきたときの方がいいですかね・・
いずれにせよ今回はどれも明るくてあたたかい写真ばかりですね。
by ぜふ (2012-10-22 22:44) 

mimimomo

おはようございます^^
アオスジアゲハは何時見ても綺麗な蝶ですよね~albireoさんに教えていただいて、この蝶のファンになりました^^
ウラナミシジミはまだ見たことがないです。
ヤブガラシは最近うちの近くでもだんだん見かけなくなりました。
綺麗にしすぎる?^^
by mimimomo (2012-10-23 06:55) 

miwa

ウチに来るツマグロヒョウモンは、米糠を食べに来るんです。
雄と雌の見分け方が翅にあるなんて勉強になりました。
アオスジアゲハやアゲハ蝶は、せわしなく飛び回るから
私は、なかなか撮ることが出来ないんです(^_^;)
by miwa (2012-10-23 09:04) 

miya_gon

アオスジアゲハ、まだ見られるのですね?10月に見かけたことは
ありませんでした。今日もフィールドを探しましたが、ツマグロの♂♀と
ヤマトシジミばかりでした。シジミは本当に同定が難しいですね。
セイタカアワダチソウでしょうか?この黄色い花。これにも結構
蝶がやってくるんですね?とっても意外な気がします(笑)
by miya_gon (2012-10-23 20:22) 

(。・_・。)2k

ランタナとアオスジアゲハ 可愛いですね(^^)

by (。・_・。)2k (2012-10-23 23:53) 

ichii

どの写真もきれいですね。
アオスジアゲハや、シジミチョウの羽の色が、
本物みたいに光ってるように見えます。
by ichii (2012-10-24 00:51) 

dino-tail

ヤマトシジミもこんなに美しんですね~!
普段は三男が(何度注意しても)手で捕まえてしまうので
羽の傷んだヤマトシジミしか見る機会がないのもその理由でしょうか(^^;

本当に久しぶりにソネブロにログインできました。
ご無沙汰をお許し下さいm(__)m
by dino-tail (2012-10-24 06:48) 

じゅんぺい

自然の中に出る機会が少なくなったせいか、蝶の姿を見かけることが
無くなってしまいました。
(田舎なので蝶がいないというわけではないと思います(笑))
休みの日くらい、のんびり散歩する時間を作らなきゃ!ですね!
by じゅんぺい (2012-10-26 07:12) 

sakamono

ツマグロヒョウモンの写真、美しいですねぇ~。
裏側の下半分の模様が好きです^^。
公園をキレイにしたつもりが、albireoさんの楽しみが半減ですね^^;。
by sakamono (2012-10-26 19:16) 

きまじめさん

何気なく見慣れているモンシロチョウも、
こうやってよく見るととても美しい姿をしていることに
あらためて驚いています。
by きまじめさん (2012-10-29 00:05) 

otosan33

とにかく写真が綺麗、自然な色、本物に一番近い写真に見えました。ミラーレスを買って半年、こんな写真を撮れたら凄いな!と思います。お時間あれば撮り方を教わりたいです。
by otosan33 (2016-10-05 22:24) 

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