庭に来た虫たち 7月~8月 [昆虫]
アオスジアゲハ 鱗翅目 アゲハチョウ科
7月31日 家の庭に、アオスジアゲハが訪れてくれました。
ほんの少し、翅が傷付いていましたが、ニワナナカマドや、柿の葉に止まったりして、暫く狭い庭を飛び回ってから、何処かへ飛び去って行きました。
ツマグロヒョウモン ♀ 鱗翅目 タテハチョウ科
アオスジアゲハが去った直後に、入れ替わるように訪れたのは、雌のツマグロヒョウモンでした。
このツマグロヒョウモンは、卵を産み付けるために、スミレを探しに来たように見えました。
今年は、花はあまり咲かなかった割に、葉が繁茂したスミレを植えてある辺りに、ツマグロヒョウモンは何度も舞い降りていました。
けれど、そのスミレに覆い被さるように、ミゾソバの葉がもっと激しく繁茂している為か、ツマグロヒョウモンは卵を産み付けるべき、スミレの葉を探しだすことが出来ないようでした。
何度も、ミゾソバの葉に止まりましたが、結局産卵行動は見られないまま、やがて飛び去って行きました。
それにしても、その辺りにスミレが有りそうだと言うことが、どうして分かるのか、何とも不思議な感じがします。
そう言えば、昨年の今頃だったか、庭のビヨウヤナギの回りを、かなり翅の傷んだアオスジアゲハが、繰り返し飛び回った挙句、ビヨウヤナギの葉に、たった一粒の卵を産み付けて、去って行った事がありました。
本当は、その時点で記事を書くつもりでしたが、色々と調べたりしているうちに、時間が経ち、そのままになってしまいました。以下の2枚は、その時の写真です。
クスノキの仲間を食草とするアオスジアゲハが、オトギリソウ科の植物に卵を産み付けるなどと言うことは、普通は考えられません。
その時は、卵自体が数日後には落ちてしまったようで、気が付くとなくなっていました。けれど、もし万が一卵が孵ったとしても、幼虫は食草ではないビヨウヤナギの葉を食べることは出来ませんから、決して育つ訳はないのに、アオスジアゲハはどうしてそのようなことをしたのか、何とも不思議でした。
でも、今年の春、ビヨウヤナギの周辺の草を取っていた時、株立ちしたビヨウヤナギに隠れるようにして、クスノキの若木が育っていたことに気が付きました。(多分、鳥が種を運んで来たのであろう、そのクスノキは、何時かアオスジアゲハが産卵してくれることを期待して、鉢植えにしました)
あの時のアオスジアゲハは、恐らくそのクスノキの存在を感知して、その辺りを探していたのかも知れません。
嗅覚なのか視覚なのか・・・或いは別の感覚によるものなのか、昆虫と食草との関係は、何とも言えず、不思議です・・・
アゲハ(ナミアゲハ) 鱗翅目 アゲハチトョウ科
7月下旬の、熱い陽射しを避けようとしているのか、あまり陽の当らない梅の木の陰で、暫く休んでいたアゲハチョウです。
アキアカネ トンボ目 トンボ科
7月始め頃の、まだ未成熟なアキアカネです。
何故か今年は、「赤とんぼ」になった、アキアカネを見る機会はありませんでした。
ムギワラトンボ (シオカラトンボ) トンボ目 トンボ科
8月の初め、「ムギワラトンボ」が、枯れてしまった細い木に止まっていました。
尤も、正式な名称としては、「ムギワラトンボ」という昆虫は存在しません。
ムギワラトンボとは、シオカラトンボの雌、及び未成熟な雄を指しての俗称です。
この麦藁を連想するような体色が、その俗称の謂われです。
シオカラトンボと言う名前は、雄の青っぽい体に、白い粉を吹いたようになることから、それを塩に見立てての名称とされています。
雌の場合は、成熟しても、通常は「ムギワラトンボ」のままの状態が普通ですが、稀には雄のように体色が青っぽくなり、白い粉を吹いたようになる雌もいるとのことです。
では、家の庭に来たこの個体は、雌なのか、或いは未成熟な雄なのかということになりますが、僕は「未成熟な雄」ではないかと、思っています。
ミンミンゼミ 半翅目 セミ科
家の柿の木には、よくセミが来て、暫く鳴き声を聞かせてくれました。
アブラゼミ 羽化の最終段階
最後は、庭に来た虫ではなく、庭で生まれた虫です。
家の狭い庭では、ここ十年ほどの間、多い年には、30匹以上のセミが羽化した事があります。
でも、今年は十数個ほどの抜け殻が、確認出来ただけです。
そう言えば、もう何年もニイニイゼミの声を聞かないような気がしますし、ヒグラシの声も聞いていないように思います。
セミの世界の情勢も、様々に変化して来ているのかも知れません・・・
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もう、秋の彼岸が過ぎようとしていますが、ブログの更新が滞り、今頃 7月~8月の昆虫の写真を載せることになってしまいました。
本当は、どうしようかと迷ったのですが、前の記事をアップした直後に、既に三分の一ほど書き終えていたので、後半を少し書き足して、そのまま公開することにしました。
何だか、つまらない出来事に振り回されてしまって、ブログを更新する気力が奪われたような状態でした。でも、漸く少し落ち着いたので、頂いたコメントを拝見していたら、改めて更新する気力が蘇って来たようです。
次は、8月末頃から咲き始めて、今日も雨の中で咲いていた、庭のフヨウの写真を載せることにします。
蝶たちともそろそろお別れですね。
by gillman (2012-09-24 11:07)
こんにちは^^
う~~~ん、不思議ですねぇ~
そんな小さい生えたばかりの木の存在に気づくなんて。
言葉が分かれば訊ねてみたいですよね^^
albireoさんのお宅のお庭は、色んな樹木やお花が植えてあるのでしょうね。
我家と比較すると沢山昆虫たちが集まってきているようです。
by mimimomo (2012-09-24 12:07)
前記事の更新に気がつかずご無沙汰しました(^-^;
ムギワラトンボは副性器らしきものが見えるので、本文のとうり雄だと思います。
食草を見つける能力はほんとに不思議ですね。
ちょうど次回の記事で書こうかなと思っていたところでした(^^)
アオスジの産卵のショットは貴重で、すばらしいです。
by ぜふ (2012-09-24 12:19)
ヒトが一番鈍感な生き物なのではないかと、記事を拝見しながら思いました。
ムギワラトンボって名前のトンボはいないのですか〜^^;
勉強になりました☆彡
by ゴーパ1号 (2012-09-24 14:35)
チョウの種類によって、食草が違うといこと知りませんでした。
傷ついたアオスジアゲハが違う食草にたった一つの卵を産み付けていく姿、
想像すると、とても哀れに思いました。
最後の力を振り絞っての事だったのでしょうね。
by きまじめさん (2012-09-24 23:25)
こっちでは、クマゼミの発生多かったです。アキアカネとコオロギも去年より格段に多いです。反面、ツクツクボウシが少なかった。
そう言えば・・・なんですが、ニイニイゼミ家の木で見ました。ヒグラシの声も京都の山里で聴きました。両方共ほんと何年ぶりかと、感動しましたよ。ヒグラシなんか子供の頃以来です。
by 枝動 (2012-09-25 00:56)
アオスジアゲハのこの青い模様をお見せしたいと、いつも頑張って成虫を撮影するのですが、近いところを飛んでくれないので殆んどムリ。
なので、こちらへ来ると本当に嬉しくなります。
ツマグロヒョウモン(雄)もとてもキレイに撮れてますね。
ツマグロヒョウモンのサナギも非常に興味深い形で、好きです。
機会が会ったら是非、albireoさんにあの金色の斑点を撮影してもらいたいです。
虫たちは本当に上手に食草を探しますよね。
とても不思議ですが、よ~く匂いを嗅ぐと、クスノキ科もツマグロの食草のスミレも、どれも妙に納得できる独特の匂いがしますよ。
長々と失礼しました。
by ichii (2012-09-25 08:05)
アオスジアゲハのクスノキの存在を感知する話、ムギワラトンボの話、興味深く面白いです。
日々のいろんなことに疲れてやんなちゃった時でも、頂いたコメント読むと元気になったりしますね。
by スミッチ (2012-09-25 22:34)
アオスジアゲハの幼虫がサナギになる『瞬間』をやっと録画できました。
今度は途中で途切れていない、最初から最後までのフルバージョンです。
是非、寄ってみて下さいね。
by ichii (2012-09-26 05:28)
アオムシちゃんが 食べられる葉を選ぶんですね
ちゃんとしてるなぁ〜
元気が戻ってよかったです また更新楽しみにしてます
by ねこじたん (2012-09-28 09:46)
アオスジアゲハの産卵のエピソード、驚きました。人から見ると、いかにも
不思議ですね。アオスジアゲハの羽、ちょこっと赤い点があるんですね^^。
by sakamono (2012-09-29 08:51)
版画のようなアゲハの模様もいいですね~。
by はてみ (2012-10-03 23:31)