青い翅の煌めき ‐アオスジアゲハ‐ [昆虫]
8月12日(金)
すべての蝶の仲間の中で、僕の一番好きなアオスジアゲハですが、その動きは素早く、なかなか思うようには撮れません。
せいぜい、年に一度か二度、アオスジアゲハを撮るチャンスがある程度です。
ところが、今年は五月中に二度もアオスジアゲハに出会え、六月五日のブログにその写真を載せることが出来ました。
そして、運のいいことには、八月と九月にも、アオスジアゲハを撮ることが出来たのです。
そんなに何度も、アオスジアゲハを撮れたのに、なかなか記事に出来なかった理由は、何時もながらの慌しさの他に、もう一つの出来事がありました。
家の狭い庭の片隅に、何時の間にか背丈が35cmほどの、クスノキが生えて来ていました。
恐らく、鳥が種を運んで来たのでしょうが、今までなら、そんな大木になるような木の実生を見掛けたら、すぐに引き抜いていたところでした。
でも、数年前からアオスジアゲハ繋がりで、僕のブログにコメントを下さっているichii さんのブログ「COLORS」の記事で、アオスジアゲハを羽化させる為に、実生のクスノキを鉢植えで育てていらっしゃることを知り、僕も鉢植えにして見ることにしました。
すると、八月頃になって、まだ僅かしか付いていない、小さな葉の上に緑色のイモムシを二匹見付けました。
それは勿論、アオスジアゲハの幼虫でした。
でも、木が余りにも小さいため、余所から採って来たクスノキの葉を与えることにしたのですが、残念ながら一匹は寄生バエにやられ、一匹は蛹から上手く羽化出来ないままに死んでしまいました。
その後ももう一度、卵が産み付けられましたが、その時も寄生バエにやられたり、蛹になり損ねたりして、やはり同様の結果に終わりました。
そんなことで、些か気落ちしたような気分になったまま、八月中はアオスジアゲハの記事を書きそびれたという訳です。
アオスジアゲハは、何故かブドウ科のヤブガラシの花が好きです。
ここ数年、なかなか上手くアオスジアゲハに出会えない時には、上野の何処かの博物館へ寄った折りに、「東京国立博物館」の向い側にある、噴水池を取り囲む生垣に行ってみることにしていました。
そこには、沢山のヤブガラシが灌木に絡み付いて繁茂しており、よくアオスジアゲハが訪れていたからです。
ところが、今年は上野公園の大幅な改修工事が行われていて、噴水も周囲の生垣もすっかり取り払われてしまい、アオスジアゲハの訪れる余地もまったくありません。
ところが、八月の夏休みの初日に、出掛けようとして通り掛かった、家の近くの公園の側にある藪に絡み付いたヤブガラシで吸蜜するアオスジアゲハを見掛けました。
8月15日(月)
そして、短い夏休みの最後の日。
ノブドウの小さな花に蜜を求めに来ているアオスジアゲハと出会いました。
ノブドウは、先のヤブガラシ同様、ブドウ科の植物で、その花はヤブガラシよりも更に小さいのですが、アオスジアゲハはこういう小さな花が好きなのでしょうか。
もしかすると、小さな花が幾つも寄り集まっているように咲く植物が好きなのかも知れないと言う気もします。
やがて、様々な色に染まるノブドウの実も、花が咲いているこの時期には、まだ普通の緑色をしていました。
9月8日(木)
最寄駅へ向う途中にある、中学校の外に作られた花壇のランタナを訪れたアオスジアゲハ。
時々、生徒たちが、年配の先生の指導を受けながら、掃除や整備をしているのを見掛けます。
アオスジアゲハが、小さな花が幾つも寄り集まっているように咲く植物が好きなのかも知れないと思ったのは、このランタナでもよく見掛けることがあるからです。
羽ばたく翼が
目指すものは
青く澄んだ
果てしない空
何処までも遠い
遥かな憧れ
例えば悲しみが
心を塞いでも
見果てぬ夢を
失くさないよう
何処までも高く
羽ばたいて行く
9月10日(土)
二日後、同じ場所で、またアオスジアゲハに会えました。
僕は、ヤブガラシに止まった、今回の記事の最初の写真のようなアオスジアゲハの姿がとても好きなのですが、花の地味なヤブガラシやノブドウとの組み合わせよりも、華やかな色合のランタナの花と共に撮る方が、アオスジアゲハもより美しく見えるような気もします。
9月24日(土)
前回の記事では、上野公園の花壇で撮ったホシホウジャクの写真を載せましたが、それと同じ日に、隣り合った花壇で撮ったアオスジアゲハです。
この後には、今のところアオスジアゲハの姿を見掛けません。
これが今年は最後のアオスジアゲハの写真になるかも知れません。
でも、以前には十一月に入ってから、元気に飛んでいるアオスジアゲハを見た記憶もあります。
そう言えば、昨日(10月25日)には、再びホシホウジャクの写真が撮れたので、アオスジアゲハにもまた会えるかも知ないと、ほんの少しの期待も持ってはいますが…
因みに、先に書いた、鉢に植えた「クスノキ」は、アオスジアゲハの幼虫に殆ど葉を食べ尽くされながらも、改めて沢山の芽を出して葉を茂らせ、今は八月頃よりも元気な状態になっています。
未だ、鉛筆の軸程にもならない細い幹ですが、水遣りだけは忘れないようにして、大きく育てたいと思っています。
何時か、アオスジアゲハの羽化の瞬間を見る為に。
今晩は。ご丁寧にブログまで紹介して頂きありがとうございます。
私の生活圏ではアオスジアゲハはクスノキの高い枝葉に舞っていて、なかなか色柄姿をはっきり見ることができません。
でもこちらでたくさんの美しい姿を見ることが出来、感激です。
albireoさんのお庭にもクスノキが出没しましたか?
クスノキは意外と丈夫にそこいら中に芽吹いているので、その逞しさに感心します。
またそんな小さな木まで見つけて卵を産み付けるアオスジアゲハにも感心します。
小さく固まった花に集まるというのは、なるほどと思いました。
クスノキの花も小さな塊ですものね。
お互いにアオスジアゲハとクスノキの成長も楽しみですね。
私の方のオリジナルも増えていきますので、こちらの成長も又楽しみに来て下さい。
by ichii (2011-10-27 01:30)
おはようございます^^
愛情たっぷりのアオスジアゲハのお写真ですね。
楠木に産卵するのですか・・・初めて知りました。ヤブガラシに集まってくるのは
たまに見かけて知っていましたが。
by mimimomo (2011-10-27 05:36)
アゲハのなかまはヤブカラシがすきですよね。
おっしゃるとおり、小さな花が集まって咲くのが好きなのでしょうね。
チョウの幼虫の好みはほんとに不思議です。アオスジとクスノキは特におもしろい。
それはさておいてもアオスジの撮影はハイレベルでいつもお手上げです^^;
こんなに忙しないチョウもめずらしいですよね。しかも羽ばたきが高速なので
相当シャッタースピードを上げないととまらない・・
おみごとの一言です。とくに開帳した表翅の写真は貴重ですね^^
by ぜふ (2011-10-27 07:04)
模様の青色は、何色と表現したらいいのでしょうね。
幻想的だし、宝石のようですよね。
by ゴーパ1号 (2011-10-27 09:23)
本当に美しいですね
私もalbireo さんの影響をうけてアゲハが大好きになり 二年前のジャコウアゲハ 今年の夏は いただいたサナギからナミアゲハ蝶に生まれ変わり 飛び立つまでを愉しみました 飛び立ってしばらくまた我が家に戻ってくれるかなと 窓を開けていたりしたのですが
9月 三つ葉にいた幼虫 今サナギまで育ったのですが 果たして蝶になるのか分かりません
by さねさし (2011-10-27 13:47)
うわ~ばっちり撮れましたね~~きれい!
模様はとてもきれいですね、不思議、、、、
小さな生き物の繊細な模様などを見ると、
本当に自然の不思議がしみじみに感じます。
===
法然と親鸞はすでに見にいらっしゃいましたか、、、
私はこれからです
by sera (2011-10-27 22:22)
キレイですねぇ~。お見事です。こんなふうに撮ってみたい^^;。
よく見ると赤い点々がありますね。この写真でなければ気づかなかった。
アオスジアゲハ、羽化すると良いですね。
by sakamono (2011-10-29 09:56)
アオスジアゲハは見れば見るほど美しくて、魅力的ですね。
ランタナにも好んで訪れることがあるのですか。
ランタナは身近によく見かけますので、
注意していれば目にする可能性もあるかと希望を持ちました。
お手入れなさっておられるクスノキがすくすく育って、
羽化する姿を見ることができるとよいですね。
by きまじめさん (2011-10-30 22:37)
綺麗ですね(^^)
蝶とか昆虫系の動く被写体を上手く撮れたためしがありません(^^;
by (。・_・。)2k (2011-11-01 23:25)
すごいなぁ〜
動いてる子達って 撮れた試しがないのです
きれいですね〜
by ねこじたん (2011-11-03 00:50)