遠い日の憧れ ~オオスカシバ~ [昆虫]
オオスカシバ 鱗翅目 スズメガ科
この写真のオオスカシバは、8月12日に撮ったもので、8月16日の記事「雌雄異株 ~カラスウリとスズメガ~」の最後に載せた写真と同じ個体です。
本当は、あの記事の後に、続けてオオスカシバの記事を書くつもりでいたのですが、何時もの通り更新が儘ならず、今頃になりました。
子供の頃、昆虫が好きで、夏休みにはいつも、捕虫網を持って走り回っていた僕にとって、この高速で飛ぶ昼行性の蛾は、アオスジアゲハと並んで、滅多に捕まえることの出来ない、憧れの昆虫の一つでした。
それでも、ごく稀には捕まえることが出来て、夏休みの自由研究の為の標本にしようとすると、尻尾の先にある筆の穂先のような黒い毛の束が、引っ込んで見えなくなってしまい、何だか悲しい思いをしたことが、今も記憶に残っています。
それは、標本にする為に、好きな昆虫の命を奪ってしまったことへの悔恨のような、些か胸に痛い、遥かな遠い記憶でもあります…
オオスカシバは、素晴らしく美しい透明な翅を持っていますが、蛹から羽化したばかりの頃には、その翅は灰色の粉のようなものに覆われているそうです。
羽化後、暫くして乾いた翅を羽ばたかせると、その粉が少しづつ落ちて、やがては透明になると言うことです。
何時か、そんなオオスカシバの羽化の様子をこの目で見てみたいとは思いますが、その為にはオオスカシバの幼虫の食樹であるクチナシの木を沢山植える必要があります。でも、狭い家の庭には、既にそのようなスペースは望むべくもありません…
こうして、横向きの写真を幾つか見てみると、オオスカシバはただ単にホバリングをしながら吸蜜をしているのではなく、前肢を花の上に載せて、身体を支えているようにも見えます。
遠い記憶の中に
埋もれた憧れに
透き通る翼を付けて
空に羽ばたかせよう
悲しみに似た想いが
胸を満たしていても
少しだけ顔を上げたら
もう一度歩き出せる
夢を目指して飛び立つ
透明なその翼は
ずっと忘れていた
遥かな日々の希望
透明な翅で、ホバリングしながら蜜を吸うその姿は、あまり昆虫に関心のない人には、到底ガの仲間とは思えないようで、ハチと間違えられたり、時にはハチドリと勘違いされたりもするようです。
尤も、ハチドリの羽は当然透明ではありませんし、第一日本には野生のハチドリは存在しないのですが…
ホシホウジャク 鱗翅目 スズメガ科
ホシホウジャクも、オオスカシバ同様に、昼行性のスズメガの仲間で、ホバリングをしながら花の蜜を吸います。
でも、こちらは前肢を花に掛けたりはしないようです。
また、翅は透明ではありませんが、高速で翅を羽ばたかせるので、何だかちょっと透き通っているかのようにも見えるかも知れません。
尻尾のヒゲは引っ込んでしまうんですか。標本にするのが難しそうなのはよくわかります。。
オオスカシバもブッドレアが好きですよね。 これからはオシロイバナかな?
よくこんなにアップで何枚も撮れましたね。相当時間がかかったのではないかと・・
by ぜふ (2011-09-10 05:33)
オオスカシバって、グッドデザインですよね!
by ゴーパ1号 (2011-09-10 08:52)
こんにちは^^
我家にはクチナシの木が二本あります。いつも青虫に食われています。
見つけると溝に捨てます。
albireoさんからすると、ダイアを溝に捨てているような・・・(^^
今も木の下に糞があるので探せば青虫がいるかもしれません。
もっとも何の青虫かわたくしには判別できないのですが(__;
今年はオオスカシバを一度だけ撮影できました。クチナシに産卵しているようなところでした。
by mimimomo (2011-09-10 08:53)
綺麗に撮れてますねぇ。ホシホウジャクも何度かチャレンジしましたが、まだまともに撮れていません。
by gillman (2011-09-10 16:44)
この虫を初めて見た時は、動きが速いので、
蜂なのか蝶なの目を凝らして見たものです。
何とも不思議な形態です。
by ichii (2011-09-10 17:34)
オオスカシバの顔をじっと見ていたら、
「なんだか人間的な表情をしているな」なんて思ってしまいました。
by きまじめさん (2011-09-11 22:32)
美しい姿をしてますよねぇ~。
私も先日、これを撮ろうと頑張りましたが、飛び去られました^^;。
by sakamono (2011-09-13 22:08)
こどもの頃、近所の公園で良くみかけましたが、
「蛾?蜂??何だ?!」と思ってました。
でもさすがにalbireoさんのオオスカシバはシックで素敵ですねぇ。
小さなお花とオオスカシバの関係があざやかです。
by asahama (2011-10-06 10:49)