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カラスウリに就いての補足記事 [野草]

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   カラスウリ (雄花の蕾)     ウリ科  カラスウリ属

 前回のカラスウリとスズメガの記事に、様々なコメントを頂き、有難う御座いました。

 その中に、きちんとお返事をしなければならないと思うコメントがありましたが、単にコメントバックでは説明し切れない部分もありますので、改めて(かなり遅れてしまい申し訳ありませんが…)補足の記事を書くことにしました。 

 

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  最初に、mimimomo さんから頂いたコメントに
    >と言うことは宿根ですか?
    とありましたが、仰る通りカラスウリは、多年草の内、生育に適さない時期(この場合は冬ですが)には地上部分は枯れてしまい、生育期(この場合は初夏)になると改めて発芽する「宿根草」です。

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 花が咲き始めるのは、種子からの発芽後、三年以上が経過してからと言いますが、家の庭に生えて来たものは、僕が最初に見付けてから、四年目となる今年になって漸く花が咲いてくれました。
 数えて見ると、庭には六株程も生えているのですが、咲いたのはその内の一株だけのようです。(相当複雑に蔓が絡み合っているので、花から根元までを指でたどって見ても、途中で分からなくなり、どの根から出た蔓に花が咲いているのが特定が難しいので、実際のところは良く分かりません…) 

 その根ですが、上の写真は、他の植物の邪魔になる位置に生えて来たので、植え替える際に撮ったものです。

 四年目で、長さは15cm程に成長していました。
 因みに、芋状の根が二つありますが、昨年掘って見た別の根の幾つかも、同様に二つに分かれていましたから、一つの種からこのような形で生育するもののようです。

 mimimomo さんは、鉢植えにされているとのことですが、根がこのように大きくなるので、大きな鉢を使用されるか、出来れば地植えにされた方が良いかも知れません。

obana-02.jpg

  ぜふ さんからは、
 >(カラスウリの花の撮影は)機材とテクニックが必要でしょうね・・
 とのコメントを頂きました。
 何だか、そのように仰って頂いて、申し訳ないのですが、カラスウリの撮影には、機材・テクニック共、特別には必要ありません。
 フラッシュも、カメラに内蔵のもので充分です。

 ただ、僕はカメラの他に、小型の懐中電灯を使用します。
 それは、被写体となる花を照らして置いて、オートフォーカスで、ピント合わせをする為です。
 僕のカメラは一眼レフですから、ファインダーを覗きながら、手動でピントを合わせることも勿論可能です。
 でも、一眼レフカメラにオートフォーカスの機能が付くようになって以来、ピント合わせの機構が、手動では合焦し難い状態になってしまっているような気がします。
 まして、暗い中では尚のこと合焦し難いので、僕は敢えてオートフォーカスで、ピントを合わせる為に、懐中電灯で照らすことを思い付きました。

 と言うことで、テクニックも必要とはしませんが、撮影には両手でカメラを持つ為、出来るだけ細身の懐中電灯を、上手く指の間に挟んで持つ等の工夫は必要です。

 また、至近距離で撮る為、フラッシュの光量を調節する必要などもありますが、それは何枚か撮って見て試しながら調整するだけです。

 尚、前々回の記事のセミの羽化も、同様のやり方で撮っています。
 
 以上、撮影そのものは、たいして難しいことではありませんが、夜間の屋外撮影となりますから、身の周りには充分に気を付けて、行動されますように、どうか宜しくお願い致します。

suzumega.jpg 

 さて、春分 さんからは、
 >(スズメガの)口吻は思ったよりは短いかなぁ。
 とのコメントでしたが、 ご覧のようにカラスウリの花は、花弁の下の花筒が長くなっており、蜜の在り処によっては、口吻を深い位置まで入れる必要があります。

 そこで、カラスウリの花を取って来て調べて見ました。

 と言っても、一晩だけの花を摘み取ってしまうのも嫌だったので、萎んだ後の雄花を取って来て見ました。

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 萎んだ雄花は、こんな風に根元から折れて、落ちてしまいます。
 (因みに、雌花は実がなる為、当然容易くは落ちません)

 4~5個程取って来た萎れた雄花を、縦に切ってちょっと舐めて見ると微かに甘く、あまりはっきりとは分かりませんでしたが、どうも花の先端から3~4cmほど奥に蜜があるように思えました。

 既に、スズメガが蜜を吸って行った後でしょうから、それだけでは蜜の在り処も、はっきりとは分かりませんし、この写真がスズメガの行動のどの時点を捉えているものかもしかとは分かりません。ですが、7~8cmもあるカラスウリの花筒の、少なくとも中間くらいまで口吻を入れているとしても、口吻の全長は、見掛け以上に長いのかも知れません。

 尚、この記事を書く為に、改めてカラスウリに就いて調べて見ると、落ちた雄花にはある種の「ミバエ」の仲間が卵を産み付けて行き、孵った幼虫がこの落ちた雄花を栄養源として育って行くと云う事を知りました。

 よく、キュウリやカボチャの雄花を、実がならない為に「無駄花」などとも言いますが、そのミバエにとっては、有用なものであるという事になります。


karasuuri-me.jpg

 朝になって、花が萎んだ後を見ると、レース状に広がっていた糸のような部分も、綺麗に折り畳まれて、閉じた花弁の中に収まっています。

 

karasuuri-mi.jpg

 スズメガのお陰で、上手く授粉出来た雌花には、やがて青い実が実り、数か月を掛けてゆっくりと育って行きます。 

  まだ、暑さは収まりませんが、葉の陰にこんなものを見付けると、秋の訪れもそう遠くは無いと感じます。

 


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コメント 7

mimimomo

おはようございます^^
詳しく記事にしていただきありがとうございます。
これは普通の根と言うよりまるで球根ですね。相当深い鉢でないと難しいのですね。 わたくしが
鉢植えにしたのは、夜写真を写すのにベランダで出来るから(^-^ 庭に下りるとかに刺されそうで(__; つまり横着するため・・・(><; 
by mimimomo (2011-08-29 07:25) 

ゴーパ1号

大きな根っこなのですね〜。
by ゴーパ1号 (2011-08-29 11:25) 

きまじめさん

花のレース状に広がったものが、
萎むときに閉じた花弁に中にきれいにおさまってしまうとは、
どこまでも不思議な花ですね。 その姿が印象的です。
by きまじめさん (2011-08-29 17:17) 

ぜふ

丁寧な回答ありがとうございました。

「撮影には両手でカメラを持つ為、出来るだけ細身の懐中電灯を、上手く指の間に挟んで持つ等の工夫は必要です。」
→立派な”テクニック”だと思います。
そもそもAFを活用するためにペンライトを使うということ自体が勉強になりました^^

おかげで来年はトライしてみようかなと楽しみができました、感謝です。。
by ぜふ (2011-08-29 21:35) 

asahama

白い花をきれいに撮るのってむずかしいなぁと常々思ってましたが、いつも美しく撮られますね。
カラスウリの花、きれいです。夜に咲く白い花ですね。
by asahama (2011-08-30 17:28) 

sakamono

私も先日、撮影にチャレンジしてみましたが、あまりウマくいきませんでした^^;。
美しい花を見られただけで、良しとします^^。
by sakamono (2011-09-01 23:21) 

春分

口吻の件、納得です。抜く時に撮れると長く写りそうですね。
うちにも生えているので宿根は知っていましたが、芋状の根は初見でした。
個性的なウリですねー。なかなかのキーストーン種ですね。
by 春分 (2011-09-05 07:17) 

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