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夜飛ぶ蛾の役割 <ブドウスズメ> [花・昆虫]

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 6月頃に、小さな株を買って来て植えたエノテラ(ヒルザキツキミソウ)は、夏の内に殖えて、今も沢山の花を咲かせてくれています。

 8月も終わりの頃、夜になって出掛ける用事が出来て外に出ると、目の前を何かが飛んで来て、エノテラの葉に止まりました。

 

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 近寄って見ると、茶色っぽい翅の、大きな蛾がいました。
 スズメガです。

ブドウスズメ-01.jpg

 スズメガには、多くの種類がありますが、更にその多くは夜行性です。

 この蛾の仲間は、ユリなどの白い花を目指して訪れ、蜜を吸って行くそうです。
 その際、受粉の手助けと言う、花にとっては大事な役割を果たしてくれます。

 白い花と言うのは、夜間にも目立ちやすいからという理由があるのだと思いますが、その白い花の一つに、夜間だけに咲く、カラスウリの花があります。

 

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 カラスウリは、雌雄異株の為、必ずしも雄花と雌花が近くにある訳ではありません。

 それでも、秋に赤い実が実っているのは、このスズメガの仲間たちが、蜜を求めてそれなりの距離を飛びまわって、花粉を運んで行くことに依ります。

 つまり、カラスウリの実が成る為には、スズメガの功績が大きいと言わざるを得ません。

 

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 これが、カラスウリの雌花です。

 前述したように、カラスウリは雌雄異株なので、同一の株には雌株なら雌花、雄株なら雄花だけしか咲きません。

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 雌花は、このように花の根元に子房が出来ているので、比較的簡単に見分けが付きます。

 けれど、この夏の間に見ることの出来たカラスウリの雌花は、これ一つだけでした。


karasuuri-01.jpg

 こちらは雄花です。

 因みに、先の雌花を撮ったのは、8月1日のことでしたが、この雄花の写真は、9月10日になって撮ったものです。
 これまで、こんな時期にカラスウリの花を見た記憶はありませんでしたが、花期を調べてみると、7月から8月、あるいは6月から9月とされているようです。
 ですから、この時期まで咲いていても、特に異常気象のせいと言う訳でもなさそうです。

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 ところで、7月28日にカラスウリの記事を載せた際、kaisersdさんから、「食虫植物なのですか」というコメントを頂いておりました。結論は「食虫植物ではありません」と言う答えになります。

 kaisersd さん。大変遅いご返答になってしまいまして、申し訳ありません。

 しかし、言われてみれば確かに、何となく蜘蛛の巣を連想するような、花びらの周辺の糸状の部分で、近づいて来る虫を絡め取るというような、そんな連想をしても、決して無理ではないような気もします。
 それに、この糸状の部分を際立たせることで、スズメガなどの目を惹いて誘因することの一助になっているという見方もあるようです。勿論、虫をおびき寄せる理由は、食べる為ではなく、受粉の手助けをして貰う為ですが。

 

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 ところで、先に写真を載せたスズメガの一種ですが、これは「ブドウスズメ」という名のスズメガです。

 幼虫が、ブドウやヤブガラシなどのブドウ科の植物の葉を食草としていることから、「ブドウスズメ」と呼ばれています。
 しかし、家の狭い庭には、ブドウなど植えてありませんから、この蛾が来たのは、ちょっとした休息のためだったのかも知れません。

 

 尚、前に「スズメガの多くは夜行性」だと書きましたが、何種類かの昼間活動するものもいます。
 それには、ホシホウジャク、クロホウジャク、スキバホウジャク、オオスカシバなどがいます。

 上に掲げた写真は、その内の「オオスカシバ」です。(撮影は2007年秋)

 オオスカシバは、透明な翅を激しく動かして、ホバリングしながら、アペリアなどの蜜を吸います。

 因みに、この 「オオスカシバ」に就いては、春分さんが素晴らしい写真を載せて下さっておられますので、以下にリンクを張らせて頂きます。

  http://shunbuntei.blog.so-net.ne.jp/2009-09-06

 尚、前の記事に、春分さんから、このブログに対して『月刊「風の詩」になってしまいましたね』という、とても素敵なコメントを頂き、思わず嬉しくなってしまいました。
 しかし、このままで行くと月刊どころか季刊「風の詩」 になってしまいそうな気さえします…。
 せめて、なんとか週刊「風の詩」 くらいにはしたいと思ってはいるのですが…。

 

 


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mimimomo

おはようございます^^
スズメガ《ブドウスズメ》と言うのは初めてです。夜間に出歩かないわたくしですから
見たことないのも頷けました。
今回は週刊でしたね^^
by mimimomo (2009-09-13 04:05) 

春分

スズメガは大きくて良く飛び回るし怖いくらいです。筋肉質でバイタリティ感じがします。
オオスカシバの記事の紹介、ありがとうございます。
少し工夫したコメントは、ときどき気に入られないこともあって難しいのですが、
albireoさんに喜んでもらえたならよかったです。
by 春分 (2009-09-13 08:58) 

konkon

ご無沙汰してました。
私も更新もお訪ねも間遠になってしまっております。
久し振りにお訪ねしましたが、やっぱり魅力的な記事ばかりで、見入ってしまいました。
夜咲く花があるから、夜飛ぶ蛾もいる。
自然の巧みな仕組みに感心してしまいます。
その素晴しい仕組みが壊されませんように。


by konkon (2009-09-13 13:05) 

sakamono

茶色の体色と太い胴体は、なるほどスズメのようですね。スズメと間違えるような
大きさなのでしょうか。蛾は花の蜜を吸うというイメージがありませんでしたが、
夜に咲く花の蜜を吸うのですね。
by sakamono (2009-09-14 08:17) 

ichii

ブドウスズメ、こんな風だったんですね。
うちの小さなプランターのブドウの木の葉が、
気を抜くとブドウスズメの幼虫(頭?お尻?ツノが1本生えてる)に平らげられてしまうので、
卵(黄緑色)を見つけると一生懸命取ってる私。
図鑑で見ても、今一つピンとこなかった現物です。
スカシバも初めはクマンバチに見えて、凄く不思議でした。

by ichii (2009-09-14 08:42) 

kizママ

はじめてコメントします。

何度も拝見させていただいて、niceだけ押して帰っていました。。
とってもステキなお写真と言葉に、ふんわりした気持ちになります。



by kizママ (2009-09-16 13:01) 

lapis

オオスカシバ、お見事です。
基本的に、蛾は余り好きではないのですが、
ホバーリングしている姿には惹かれます。
by lapis (2009-09-16 23:56) 

はるまきママ

オオスカシバの写真は、nice!1つでは足りないぐらいです。
すばらしい!!

蛾というと、どうしても誘蛾灯に群がっている姿を想像してしまい、
あまりいいイメージを持ってなかったのですが
夜に蜜を集める、と思うと…ちょっとイメージアップしました。(笑)
by はるまきママ (2009-09-18 13:34) 

sanesasi

近くに烏瓜の花が 今年もたくさん咲きました

実は我家の屋根から手が届きそうなところに 8月に烏瓜の実が赤くなっているのに気づきました しかも シワシワでした その後も実がなっていて緑のも在りますが早く赤くなるのがありますし 赤くなる前にしぼんでしまったのもあります 今年は おかしい 不思議と思っておりましたら 今朝の毎日新聞の朝刊に 
「ドアを開けるとさわやかな秋の風。 だが、 どこか冬の気配がする。・・・」

私も烏瓜の実を見ていますと 確かに冬の気配がしてきました
by sanesasi (2009-09-24 07:44) 

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