白い翼 <ダイサギ> [野鳥]
遠い空を目指す
たとえ雲に覆われた
灰色の空でも
あの雲を越えたら
一面の澄んだ青に
きっと辿り着ける
心の翼を開いて
風の中へ羽ばたく
たとえ哀しみに包まれ
傷付いていても
あの空に向かう
想いの熱さがあれば
きっと明日は訪れる
10月9日の記事にも載せた「ダイサギ」です。
随分久し振りに、飛んでいる鳥の写真を撮ったような気がします。
茂りし林の奥深く
黒く声なく沼は眠れり。
一度も微風は水の面を拭はず、
いさゝかの波の動きも其の底より起こりし事なし。
ピエエル・ゴオチエ 「沼」
永井荷風 訳
珊瑚集 -仏蘭西近代抒情詩選- 所収
この写真の雰囲気だけは、どこかの林か森の奥にある沼の辺のような、そんなイメージがないでしょうか?
いえ本当は、いつものカルガモのいる公園の池なのですが・・・。
別のアングルからだと、こんな風です。
この池のある公園は習志野市内にあり、名前は「森林公園」といいます。しかし、実際には「森林」などと言う雰囲気は、少なくとも、割合近くに住んでいる僕としては、殆ど感じられません。
僕が、都内から引っ越して来たばかりの、子供の頃には、この辺りには田圃が広がっていて、周辺には畑や藪、そして雑木林がありました。今でも、随分狭くなった雑木林が残ってはいますが、公園の周りには既に多くの住宅が立ち並んでいます。
そして、当然のように、その頃は咲いていた野草の花々の多くが失われ、やはりその頃には、よく見かけたコジュケイなどの野鳥も姿を消してしまいました。
ですから、その頃であれば、今よりは少し「森林」に近いイメージがあったかも知れません。
それでも、Googleマップの航空写真を見ると、現在もこの辺りは一面に緑が広がっていて、ちょっと不思議な気分にさせられます・・・。
そんな公園の池ですが、時折にとは言え、こうして美しい白鷺が訪れてくれることもあるのですから、近くに住んでいる者としては、幸せなことと感謝すべきかも知れません。
この時、ダイサギは、カルガモたちが群れをなして泳ぎ回っている場所から少し離れた、木々が水辺を覆っているあたりで餌を探して、盛んに水の中を歩き回っていました。
水面に降り注ぐ
弱まった陽射し
緩やかに流れ去り
過ぎて行く時間
水の中に佇む
真っ白な鳥
訪れる秋の日の
密やかなプレリュード
カルガモたちが、泳ぎ回って水を掻き回すせいもあるのか、水面を睨んで餌を狙っていても、なかなか小魚を捕ることは難しいようです。
僕が見ていた限りでは、たった一度だけ5cm程の小魚を捕らえただけでした。
水の中に沈んでいる木に止まって、ダイサギは頭を掻くような、仕草を見せていました。
水面近くまで伸びた木の枝に止まったダイサギ。
僕が写真を撮っている間にも、何度か飛び立っては、池の中の別の場所へ移っては、餌を探していました。
飛ぶ度に、ダイサギを追ってシャッターを切るのですが、この日は少し曇っていて、シャッター速度が、鳥の飛ぶ速さに追い付けず、どうしても被写体ブレになってしまいます・・・。
一枚目のダイサギの写真も、やっぱり大きくして見ると、多少ブレていて、ちょっと悔しかったので色々と補正をして見たのですが、少しは見られるようになったでしょうか?
この写真は、大幅にトリミングもしているので、トリミング前の写真も載せておくことにします。
因みに、この写真と一枚目の写真は、クリックで少しだけ大きなサイズになります。
参考図書
見事な白色・・・すばらしいです♪
by お茶屋 (2008-10-24 00:20)
純白の羽、美しいですね。
by SilverMac (2008-10-24 09:48)
飛翔するダイサギ、ただうっとりです。
by konkon (2008-10-24 11:10)
白い翼が、美しいですね。
その上、永井荷風訳のゴオチエ「沼」とは!
とっても素敵な組み合わせだと思いました。
by lapis (2008-10-24 21:17)
ずいぶん撮とらせてもらえましたね。
albireoさんの詩とゴオチエの詩は対照的ですね。内なる熱と失われた熱と。
by 春分 (2008-10-25 11:34)
こんにちは^^
albireoさんって生き物がほんとうにお好きなんですね~
愛情が感じられます。
by mimimomo (2008-10-25 15:12)
飛び立つ瞬間か着水する瞬間か?広げた羽が真っ白でキレイですね。
鬱蒼とした森の中の水辺というイメージ、たしかにします。写真のマジック^^?
by sakamono (2008-10-28 23:56)
ステキな自然がまだ沢山残っていて、いい所ですね。
もみじの葉陰から、ややこちら向きに写るダイサギが、
表情が見えて好きです。
by ichii (2008-10-29 00:55)