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夏に出会えた蝶たち [昆虫]

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    アオスジアゲハ   青筋揚羽     鱗翅目  アゲハチョウ科

今年の夏は、なかなか思うようにチョウたちと出会うことが出来ませんでした。

僕の大好きなアオスジアゲハは、その幼虫の主な食草であるクスノキが、公園・街路・社寺の境内などに多く植えられているため、都心あたりでも比較的よく見かけることができます。

けれど、何故か今年は、目の前を通り過ぎて行く姿は、何度も見掛けましたが、花などに止まっているところには出会えませんでした。
ですから、今年はこれまで、僕の子供の頃からの憧れの蝶であるアオスジアゲハを、写真に撮る機会がありませんでした。

 

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それが、八月も終わりに近づいた頃、漸く僕の目の前に、アオスジアゲハが止まってくれました。

でも、綺麗な花にではなく、石ころだらけの地面に止まっています。

この時は、丁度雨上がりの午後でした。
濡れた石ころや砂利の隙間に、まだ残っている雨水を、アオスジアゲハは吸いに来ていたのです。

こうした吸水は、アゲハの仲間などによく見られる行動です。

この個体は、よく見ると、後ろ翅がかなり傷んでいます。
それでも、アオスジアゲハの名前の由来である青い帯状のラインは、美しい蛍光色に輝いていました。

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          翼への憧れは

          今も胸を去らない

          例えばどれほどに

          年齢を重ねても

          遠い空への思いは

          いつも色褪せない


          心に潜む悲しみが

          総てを灰色に染めても

          希望の空の色だけは

          青く澄みきっている

          その空に向かって

          何時の日か飛び立つ


          憧れの翼を広げて

 

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   モンシロチョウ  紋白蝶    鱗翅目  シロチョウ科

春の蝶の代表のようなモンシロチョウですが、年に6回から7回程の発生が見られます。
つまり、冬以外はいつでも普通に見られるわけです。 

 

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アペリア(和名:ハナツクバネウツギまたは、ハナゾノツクバネウツギ)の花に、頭を突っ込んで、夢中で蜜を吸っているモンシロチョウです。

本当は、キャベツなどのアブラナ科の野菜などを食草とするため、人間にとっては害虫ということになります…。

ところで、この写真は7月下旬に、上野の西洋美術館の庭で撮ったものです。

すると、このモンシロチョウは幼虫時代に、東京国立博物館などに沢山咲いている、アブラナ科のオオアラセイトウ(別名:ムラサキハナナまたは、ショカッサイ)あたりを、食べて育ったものかも知れません。

 

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    ベニシジミ  紅小灰蝶    鱗翅目  ジジミチョウ科

ベニシジミは、紅というよりは、オレンジ色の翅を持ったシジミチョウです。

シジミチョウの仲間の中では、比較的大きめな蝶ですが、何だかとても可愛らしく見えます。

 

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他の蝶たちの丸い目に比べて、ちょこっと吊り上がったような目をしています。
却ってそれが、何だか勝気そうな少女のような感じで、むしろ可愛さを感じさせるのでしょうか?

尤も、このベニシジミが男の子なのか女の子なのかは、よく分かりませんが…。 

ところて、今回の記事では、何故かそれぞれの蝶の食草に就いて触れることになってしまっています。
ですから、ベニシジミの食草に就いても書いておくことにします。
それは、タデ科の野草である、スイバやギシギシなどだということです。

 

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    ヤマトシジミ  大和小灰蝶    鱗翅目  ジジミチョウ科

もっとも普通に見られるヤマトシジミですが、ハマヤマトシジミやシルビアシジミという近縁種がいて、翅の裏側の斑紋のそれぞれに微妙な差異を、ある程度仔細に観察しないと、本当には見分け難い蝶ではあります。

けれど、僕が今まで翅裏の斑紋を写真に撮って確認できたものは、すべてがヤマトシジミで、他の二種類のシジミチョウには、多分一度も出会えていないと思われます。

ヤマトシジミは、よくカタバミの葉に止まることがあります。
それは多分、幼虫の食草がカタバミであるためかも知れません。

 

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確かに、どこにでもいるヤマトシジミですが、こんなふうに翅を開いて止まってくれると、その翅の色は思いのほかに美しく、思わず心惹かれてしまいます。

 

 

参考図書

チョウ・ガ (ヤマケイポケットガイド)

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  • 作者: 松本 克臣
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

昆虫の食草・食樹ハンドブック

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  • 作者: 森上 信夫
  • 出版社/メーカー: 文一総合出版
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 単行本

 


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コメント 10

お茶屋

どれもすごい素敵ですね><!!
すばらしいです☆
by お茶屋 (2008-08-30 23:13) 

ichii

私もアオスジアゲハに魅了された一人です。
アルビレオさんのブログに出会ったのも、アオスジアゲハの縁でした。
この蝶を遠くで眺めるだけでは飽き足らず、沢山育てました。(笑)
育てるだけでは飽き足らず、
地面に落ちた楠の種子から育った苗木を掘って来て鉢植えし、
植えた時は葉が数枚の10cm程度の苗木でしたが、
今は20cmの低木の形に葉がふさふさです。
そして、ちゃんと見つけてくれた蝶さんの幼虫君がいます。
今度写真載せようかな、うちのチビクスノキを。
by ichii (2008-08-31 00:11) 

mimimomo

おはようございます^^
albireoさんのブログでアオスジアゲハを知ったのは随分前のことでしたが、わたくしは
滅多に会うことがありません。でも今年は見たのです。
ところがそれが・・・道路の真ん中で瀕死の状態のアオスジアゲハ・・・ 
とても写真を写す気にはならないし、助けてやるというほどの命の時間も残されて
いないようでした。
by mimimomo (2008-08-31 09:09) 

sanesasi

美しい蝶の姿 写真集を見るような思い
朝から癒されました
私も  「憧れの翼を広げて」  逝きたいような

by sanesasi (2008-08-31 09:29) 

SilverMac

アゲハ、クロアゲハ、長崎アゲハは、見かけますが、アオスジアゲハは、全く見かけません。
by SilverMac (2008-08-31 09:40) 

lapis

傷ついていても、やはりアオスジアゲハは綺麗ですね!
ベニシジミの写真も素敵です。
背景の色が、ベニシジミの美しさを引き立てていると思います。
by lapis (2008-08-31 19:33) 

春分

私も先日、西洋美術館でアオスジアゲハを見ましたが、撮りそこねました。
かわりに撮ったのが、先日載せたツマグロヒョウモン♂でした。
今年は私も余り蝶の写真が撮れずにおります。
by 春分 (2008-08-31 21:36) 

sakamono

今年、アオスジアゲハが何度か飛んでいるところを見かけましたが、それきりでした。やっぱり美しいですね。そういえば私も今年はチョウの写真を撮っていませんでした。ヤマトシジミの美しさにも同感です。
by sakamono (2008-09-01 17:51) 

gillman

アオスジアゲハのあのターコイズブルーの色彩はとても鮮烈ですよね

by gillman (2008-09-08 18:30) 

penpen

アオスジアゲハ綺麗ですね。
私も目の前を通り過ぎただけで撮れていません。
先日ご紹介の食草の本を探しに行ったのですが
近くの本屋さんにはありませんでした。

by penpen (2008-09-09 22:17) 

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