海の生き物? <ヒロヘリアオイラガ> [昆虫]
何だか、海に棲む生き物のように見えませんか?
例えば、ウミウシの新種とか…。
いえ、ごめんなさい<m(_ _)m>
もう、とっくにバレているとは思いますが、それはうそです。
画像も、ちょこっと加工しました。
これは海の生き物などではなく、蛾の幼虫です。
つまり、毛虫という奴です。
体長は、確か2~3cm程度の小さい毛虫ですが、触ると危険です!!
皮膚に炎症を起こさせるような、毒を持っています。
名前は、ヒロヘリアオイラガ。
その名の通り、イラガの仲間ですが、外来種です。
ヒロヘリアオイラガ(幼虫) 鱗翅目 イラガ科
柿の葉などを食草としている為、家の庭にもいて、何度か刺されたことがあります。
幼虫の棘に刺されると、非常に痛痒く、それがしばらく続きます。
それが、イラガ(刺蛾)の名前の由来です。
しかし、本来の在来種のイラガは、今は減ってしまっているようです。
代りに、近年増え始めているのが、外来種のこの ヒロヘリアオイラガだということです。
実は、この写真は、昨年の10月に、伸び過ぎた庭のザクロの枝を切っていた時見付けた幼虫を撮ったものです。
ザクロの枝を払っていて見付けたので、取敢えずザクロの葉に乗せて写真を撮りましたが、本当はすぐそばの柿の木の葉に付いていたものが、ザクロの枝が当たって、振り落とされたようです。
その時、ブログに載せようとしたのですが、成虫の写真を撮ってから、と思っている内に、いつの間にか季節が過ぎてしまいました。
因みに、向って右側が頭になります。
何だか、可愛い顔に見えるのは、僕だけでしょうか?
ヒロヘリアオイラガ(幼虫) 鱗翅目 イラガ科
そして、つい先日、漸く成虫のヒロヘリアオイラガに会えました。
そこで、改めて昨年撮った幼虫と併せて、ブログの記事にすることにしました。
どうも、毒性を持つ蛾には、小さいものが多いようです。
このヒロヘリアオイラガも、ドクガやチャドクガと、然程変わらない大きさの、小さな蛾です。
何だか、ちょっと怖い目をしているようにも思えます。
それにしても、「蛾」と言うと、何故かそれだけで、多くの人に嫌われてしまうのは何故でしょうか。
オオミズアオ 鱗翅目 ヤママユガ科
蛾の仲間には、まるでアゲハチョウのような、大きな種類もいます。
しかも、なかなか美しい色の翅を持つものも、決して少なくはありません。
写真のオオミズアオは、残念ながらちょっと傷付いています。
実は、それには訳があります。
もう、一週間以上も前のこと、僕がこの蛾を見たのは、朝の電車の中でのことでした。
丁度、お盆の頃で、休みの会社も多いとはいえ、朝の通勤電車は、それなりに混んではいました。
そんな中に、この大きな蛾が、どこからともなく飛んで来たのです。
この美しいオオミズアオは、僕にとっては大好きな昆虫の一つです。
でも、世間にはそんなものが好きな奴など、そう多くはいる筈もありません。
自分が、多くの人から嫌われていることなど知らないオオミズアオは、電車の中を大きな翅をバタつかせて、あちこちと飛び回ります。
その度に、男女の別なく、大袈裟に身をかわしたり、慌てて席を立って避けようとしたり、まあパニック状態と言うほどでもありませんが、個々の人たちの気持ちとしては、かなりパニックに陥っていた可能性もあります。
そこで僕は、仕方なく席を立って、オオミズアオを然程難なく捕まえました。(本当は仕方なくではなく、オオミズアオを捕まえて、写真を撮りたかったというのが、本音であった可能性も否定は出来ません。勿論、写真をブログに載せるために・・・)
そして、たまたまバッグの中にあった、白いレジ袋に入れました。
そういうことで、オオミズアオの翅には、些かの傷が付いてしまったというわけです。
結局、家に連れ帰って、夜の庭に放しました。
少し写真を撮って、そのままにしておくと、やがていつの間にかいなくなっていました。
オオミズアオの仲間の、「ヤママユガ」の繭からは、天蚕(てんさん)と呼ばれる、自然の生糸が作られます。
そして、人間が品種改良を重ねて来たカイコ蛾の繭からも、美しい絹糸が生まれます。
「蛾」という昆虫は、昆虫の中でも殊更に嫌われることが多いように思います。
でも、その美しさや軽やかさから、好む人の多い「絹の織物」は、その蛾の一種が、口から吐き出す白い糸から作られます。
蛾を嫌う人には、ほんの少しでいいですから、そのことを思い出して貰いたいと、僕は心からそう思います。
おはようございます^^
蛾を嫌う人の一人です(--;) なぜかと言うと、子供の頃の思い出・・・
床の間の白い壁にぺっタリ張り付いて、卵を産みつけ・・・一人で病気で寝ていたわたくしには
気持ちの悪いものでした。
オオミズアオは高尾で出会ったことがあります。色が白いとかなり印象が違いますね^^
by mimimomo (2008-08-26 04:50)
わが家にも柿の木がありましたが、切ってしまいました。毒蛾の心配はなくなったようですね。
by SilverMac (2008-08-26 07:00)
毛虫はやはり苦手ですが、この毛虫は小っちゃくてカワイイですね。たしかにウミウシみたい^^。電車の中での捕獲劇、さすがです^^!
by sakamono (2008-08-26 08:43)
じっくりと記事、拝見させて頂きました!
すばらしい想い、そしてご対応☆
心に留めさせて頂きます♪
by お茶屋 (2008-08-26 09:53)
あっ、毛虫
でもよく見ると、もっこりしていてちょっとかわいいですね
by gillman (2008-08-26 20:56)
温暖化の影響か、たまに見慣れない昆虫や植物を見かけるようになってきましたが、ヒロヘリアオイラガは、幼虫、成虫ともに見たことがありません。
蛾はまだしも、毛虫は何となく苦手です。でも、モスラは大好きです。(笑)
by lapis (2008-08-26 21:03)
こんな雰囲気のウミウシ いますよね!
毛虫、、、 こんなに近くで見たことなかったです!
子供の頃、夏休み 親戚で養蚕をしている方のところに行き、蚕の繭を頂きました。
忘れた頃、朝 起きたら 机の上に白い蛾がいて、すっごいびっくりしたことがあります(^_^;
by あやこ (2008-08-27 21:03)
ちょっとずんぐりむっくりの可愛い幼虫ですね。
オレンジの角もワンポイントで可愛いです。
オオミズアオさん無事いい人に捕まえてもらってよかったです。
by penpen (2008-08-28 21:57)
とてもかわいいです 美しいミドリに 黒や赤のアクセントが利いていて
美しいものには毒があるんですね
by sanesasi (2008-08-31 09:18)
色とまるっこいフォルムは、私好みですが。。。。これだけはダメです~~~!!!
(笑)
by koyuri (2008-08-31 18:58)
知識は人を助け、今はオオミズアオなどいくつかの蛾は怖くありません。
しかしながら、イラガは人類の敵ですからだめです。首を刺されたモノとしては
感覚として許しがたい虫です。あれはいきなりカッターで切りつけられたような
痛みです。
by 春分 (2008-08-31 21:41)