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秋の日―野の花― [野草]



    ミズヒキ  水引   タデ科 タデ属

前の記事に、野の花や蝶、そして鳥の写真を載せましたが、敢えて名前を表記しませんでした。
でも、改めて見てみると、それでは何となく僕のブログのようではないという気もして来ました。

そこで、前の記事に載せた花や蝶たちの名前を紹介することにします。
初めは、野の花たちからです。

ミズヒキの小さな花は、全体に赤い色をしていますが、開いた花は下の写真のように白い色です。 
その為、花は赤っぽくも、また白っぽくも見えます。
そんな様子を、紅白の水引に見立てたことが、名前の由来だといいます。

水引は、贈り物などを包装した上に飾りのように掛ける、紙で作った細いひもですが、現在では「のし紙」に紅白の線として印刷されたものの方が多くなってしまいました。
勿論、今でも結婚式のお祝い用の祝儀袋などには、水引の飾りの付いたものもありますが、あまり普通に目にするものではないため、「水引」と言っても何のことか解らない人が、特に若い年代には増えて来ているように感じます。

ミズヒキの小さな花の、この白い花びらのように見えるものは、実はガク片です。

同じタデ科の植物であるため、次のミゾソバの花ともよく似ているように思います。

 

 

   ミゾソバ  溝蕎麦   タデ科  タデ属

前の記事に載せた写真は、もっとピンク色が目立つ花でした。

ミゾソバには、こうした白っぽい花と、比較的濃いピンクの花とがあるようです。
しかし、この花びらのように見える部分は、同属のミズヒキ同様、ガク片です。

透明感のあるこの花には、そのイメージから「金平糖花」の別名があります。
確かに、可愛らしい砂糖菓子の姿に似ているように思います。

また、今回はあまりはっきりと分かるようには写していませんが、葉っぱの形が牛の顔のようにも見えることから、「牛の額(うしのひたい)」あるいは、「牛額草(ギュウガクソウ)」という別名も持っています。
尚、葉っぱの写真は、昨年の記事「ミゾソバと新選組」には、載せてあります。

 

 

         秋は

         何時の間にか

         そこにいる

         気が付けば

         野の花の姿で

         風に揺れて

         咲いている

 

   イヌタデ   犬蓼    タデ科   タデ属

この時期、よく見かけるイヌタデは、別名を「アカマンマ」とか「アカノマンマ」と言います。
花の小さな粒々を、お赤飯に見立てた名前です。

イヌタデは、カメラのオートフォーカス機能では、何故かピントの合わせ難い花です。
一箇所に沢山生えていて、一つ一つの花があまりにも小さいせいでしょうか…。

ここまでの三つの花は、すべてタデ科タデ属の植物です。
全体の姿や葉の様子などは、然程似ているとも思えませんが、一つづつの花を見ると、確かに同じ仲間のようにも感じられます。

 

  カントウヨメナ   関東嫁菜  キク科  ヨメナ属

所謂「野菊」と呼ばれる野草の一つです。

近い仲間に、「ヨメナ」があります。
「ヨメナ」は、中部地方以西から九州にかけて分布しています。

関東地方で見られるものは、「カントウヨメナ」と呼ばれます。

 

 「野菊」という呼び名は、野生の菊を指すものです。
ですから、他にも「ノコンギク」「ユウガギク」など、いくつかの野生の菊が「野菊」と呼ばれています。

野菊の仲間の多くは、淡い紫色の花を咲かせます。
けれども、写真を撮ろうとすると、この淡い色が思うように写ってくれません。
特に日当たりのいい時間帯には、白い花になってしまいます。
ですから、一度シャッターを切る度に液晶画面を見ては、少しづつ露出をアンダー目に変えながら撮っています。

野菊と犬蓼が咲いている秋の野辺。
幼い頃によく見た、懐かしい風景です。

 

 


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コメント 10

さねさし

水引の写真は ことごとくぼけてしまって失敗 こんなにきれいに撮れるとは 小さい花は なんとかわいいくて魅入ってしまいます いつもナイスありがとうございます
by さねさし (2007-10-27 16:20) 

こんにちは^^
albireoさんのミズヒキやミゾソバは何故だか美味しそうに見えます~~~(@@)^^
by (2007-10-27 16:23) 

penpen

ミズヒキのお写真がとっても綺麗ですね。こんな姿は見たことがないような気がします。私はどれも小さいのでアップでは撮れません。ノギクとイヌタデ、綺麗ですね。
by penpen (2007-10-27 16:32) 

春分

私も自然の記事は名前を載せる方がいいと思っていますが、あまりこだわるとまた書きにくくなり、難しいところです。わざと書かなかったり、工夫しています。
載せるからには和名はカタカナ表記、学名はイタリックは守ります。変なこだわりです。
最近「日本の野菊」↓という図鑑の紹介を見ました。買いと思ったのですが
いつも利用する本屋さんにはありませんでした。タデの本もあるといいかもしれませんね。
http://www.amazon.c o.jp/exec/obidos/ASI N/4635070204/sonet0f -22/ref=nosim
それより何より、いい写真といい文でした。それだけでいいような気もしますが。
by 春分 (2007-10-27 18:21) 

Silvermac

小さな花を見事に写し取られましたね。素晴らしいです。
by Silvermac (2007-10-27 19:14) 

じゅん

ご無沙汰しております。
近所で良く見るこの花、ミズヒキと言うんですね。
イヌタデも良く見ます。
なるほどのし袋に使われる水引によく似ています。
大輪の花も良いですが、
こういった可愛らしい小さな花が揃い咲いているのも良いですね。
by じゅん (2007-10-27 20:49) 

渋樹

タデの仲間はよく見かけますが、あまり注目していませんでした。
ミズヒキは久しぶりに拝見しました、小さな花も良いものですね。
by 渋樹 (2007-10-28 22:49) 

sakamono

ミズヒキの写真を撮りたくて、何度もチャレンジしていますが、どうもうまいコトいかないです。小さくて細い花なので、何をどうしたものやら、と思ってしまいます。美しいミズヒキとミゾソバですね^^。
by sakamono (2007-10-28 22:50) 

konkon

albireo さんの文章を得て、画像が一層素晴しく見えます。
by konkon (2007-11-01 23:17) 

ミズヒキの写真、素晴らしいですね!
知っている花なのですが、まるで初めて見るかのような新鮮な印象を受けました。
イヌタデというと泉鏡花の「露草や赤のまんまもなつかしき」という句を思い出します。  
by (2007-11-04 20:52) 

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