羽ばたく翼

    ユリカモメ　　　百合鴎　　　チドリ目　　カモメ科

前の記事は、飛べない「はなびらの翼」でしたが、今回は飛べる翼を持ったユリカモメです。

先週の土曜日。久し振りに、上野の不忍池へ行って、水鳥たちに会って来ました。

もう、一部の渡り鳥の中には、既に旅立って行ったものもいるようですが、ユリカモメとキンクロバジロは、まだまだ沢山いました。

 

　　　　　　　　　　翼をはためかせて

　　　　　　　　　　白い鳥たちが飛び交う

　　　　　　　　　　まだ風が寒い春の日

　　　　　　　　　　都会の曇った空の下

 

　　　　　　　　　　哀しみに似た思いが

　　　　　　　　　　心の奥に蟠(わだかま)ったまま

　　　　　　　　　　何時までも消えようとしない

　　　　　　　　　　遣り切れない生活(くらし)の中

 

　　　　　　　　　　すべての柵(しがらみ)を捨て去って

　　　　　　　　　　もしもあの空を飛べたなら

　　　　　　　　　　少しだけ心が晴れて

　　　　　　　　　　生きる希望が湧くかも知れない

 

 

 

前の記事にも、僕は空に対する憧れを書きましたが、本当のところ鳥たちは、生きるために、つまりは餌を採るために空を飛んでいます。

そして、そんな空を飛べる翼を持った鳥たちにとっても、飛ぶということには、実は大きなリスクがあるということです。
ですから、天敵がいない環境に暮らす鳥たちの中には、飛べない鳥（あるいは、飛ばない鳥）も案外数多く存在しています。

 

もう随分昔ですが、リチャード・バックという小説家の書いた「かもめのジョナサン」という作品が、ベストセラーになったことがありました。

群れ飛ぶカモメたちは、生きて行く糧を得るために翼を広げて空を飛びます。
どのカモメも、決して遊びのために空を飛ぶわけではありません。

けれども、そんな群れの中に、飛ぶという行為そのものに、大きな喜びを見付けてしまった、一羽のカモメが現れました。
それが、ジョナサンです。

速く、高く、美しく飛ぶこと。
それは、生きて行くということとは、直接は係わりのないことかも知れません。

でも、ジョナサンは、そこに生きる喜びを見出したのです。

 

僕には、ユリカモメという鳥が、何だか飛ぶことを楽しんでいるように見えることがあります。

そんな時にはふと、「かもめのジョナサン」のことを思い浮かべたりもします。

 

 

久し振りに、飛んでいる写真が撮れたユリカモメですが、もうそろそろ日本から旅立って行く頃が近づいて来ています。

 

 

でも、その前にユリカモメの翅も生え変わり、夏羽に変わって行きます。

そうすると、頭が黒くなる個体も現れて来ます。

僕は、頭が黒くなったユリカモメを、実際にはまだ見たことがありません。

ですから、出来るならばユリカモメたちが飛び去る前に、せめて何度かは、不忍池へ出掛けて行きたいと思っているのですが・・・。

 

 

参考図書

日本の野鳥590

• 作者: 真木 広造, 大西 敏一
• 出版社/メーカー: 平凡社
• 発売日: 2000/11
• メディア: 単行本（ソフトカバー）

かもめのジョナサン

• 作者: リチャード・バック, Richard Bach
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 1977/05
• メディア: 文庫

 

コメント 12

おはようございます＾＾
見事なお写真です。ユリカモメの飛翔の姿、美しいです！
どうしてこんなに写せるのか。わたくしも一応はtryしていますが、まったく（＿＿；）
今日の詩は、ちょっと淋しげ・・・（；、；）

カモメのジョナサンって本があったのですか（＠＠）　この名前だけはよく知っていましたが、訳も分からず聞いていましたし、使っていました《恥ずかしいわ》
by (2007-04-06 09:00) 

しっかりとした写真です。
by uminokajin (2007-04-06 09:19) 

ビルをバックにしたカモメ、面白いですね。
by Silvermac (2007-04-06 10:16) 

全部飛んでいるところだ！あらかじめ「羽ばたく翼」というテーマがあって、写真を撮ったのでしょうか。美しい飛ぶ姿です。カモメのジョナサンってタイトルだけは知ってますが、やはり未読です＾＾。
by sakamono (2007-04-06 12:45) 

すべすべのお腹に触ってみたい～(笑)
かもめのジョナサン、私も未読です…。
by じゅんぺい (2007-04-06 19:59) 

一枚目の写真
美しい時がとまっているようです
by gillman (2007-04-07 11:21) 

お！
実は、最初の写真を見た瞬間に、『かもめのジョナサン』を感じました。
早速そういうコメントを残そうと思ったら、記事にもそのように出てきて驚きました。
インスピレーション、ぴぴぴ・・・です。

私は、今、新しい環境の中にいますが、じわじわと楽しめるようになってきています。
やっと自分らしさを出せ始めたというか、なんというか。

追伸：明日、お花見に行きます!!!
by ナナ (2007-04-07 23:59) 

羽ばたく翼には、独特の魅力がありますね！
恥ずかしながら「かもめのジョナサン」は、英語の教科書に載っていたものしか読んだことがありません。そのうち挑戦してみたいと思います。
by (2007-04-08 00:25) 

ジョナサンですか。映画もありましたね。主題歌が耳に残ってます。
私は最初の写真は、でも、都会に舞い降りた天使のイメージでした。
そんな場面も映画などにありそうですね。
albireoさんの羽ばたくカモメ写真は、私にはある種の風物詩です。
by 春分 (2007-04-08 06:20) 

ユリカモメの写真を見ると、なにか懐かしい感じがします。
飛ぶ鳥をこんなにもキレイに撮影されるのは素晴らしいですね！！
時間が止まっている１枚の写真の中で、動きが感じられる、というのはスゴイことだと思います。
by (2007-04-09 20:34) 

お正月に不忍池を通りすがりに寄りユリカモメ撮りましたが　まったく比べものになりません　すばらしいユリカモメ　可愛い目をしていて　ほんとに楽しんでいるように見えます
by さねさし (2007-04-10 21:12) 

わ～～すばらしい！ほれぼれです(^_^)v
ユリカモメの飛んでいる姿はとても美しいですね。
羽の強さ・美しさに感動です。
きのう、黒い頭、1羽、見つけた！！かわいかった！
これから、出てくるでしょうね～
もう、夏の着替えの時期です(^_^)v
狙ってみます(^_^)v
by sera (2007-04-12 20:30)