セセリチョウの仲間 <追加情報:チャドクガ> [昆虫]
イチモンジセセリ 一文字挵 鱗翅目 セセリチョウ科
セセリチョウの仲間では、もっともよく見られるチョウのように思います。
翅の白い斑紋が名前の由来ですが、おそらく筆で書かれた「一」という文字のように見えるからと言うことなのでしょう。
イチモンジセセリは、地方によっては「ハヤブサ」とも呼ばれています。
遷ろう季節
流れ去る時間
刻々と姿を換え
留まることなく
変転する世界
そこに息衝く
生命たちもまた
倦むことのない
変化の相を持つ
長い長い時をかけ
すべての存在は
遷移し続けて行く
近寄って見ると、まん丸な可愛い目をしているイチモンジセセリですが、幼虫は「イネツトムシ」と呼ばれ、稲の害虫として嫌われています。
時々、こんな風に翅を開いて止ったりします。
こんな姿を見ると、蛾と見間違われることも仕方がないような気もします・・・。
キマダラセセリ 黄斑挵 鱗翅目 セセリチョウ科
キマダラセセリは、翅を閉じた写真が撮れませんでしたが、今回載せた他のセセリチョウに比べて、翅の黄色い部分が多いので、比較的見分け易いかも知れません。
チャバネセセリ 茶羽挵 鱗翅目 セセリチョウ科
チャバネセセリは、他のセセリチョウの仲間より斑紋が小さいので、これも見分け易いように思います。
オオチャバネセセリ 大茶羽挵 鱗翅目 セセリチョウ科
オオチャバネセセリの斑紋は、ちょっとばかりイチモンジセセリと似ています。
でも、良く見ると斑紋が一列には並んでおらず、些かジグザグしているのが分かると思います。
また、このチョウは前に挙げた「イチモンジセセリ」や「チャバネセセリ」と一緒に飛び回っていることが多いので、かなり近付いて観察しないと、なかなか見分け難いことも事実です。
しかし、全体的には同じような姿をしていながら、この斑紋等の微妙な差異は一体どのようにして生じたのでしょうか…。これも、生物の進化の現われなのでしょうか…。大袈裟かも知れませんが、こんなところにも生命の不思議を感じてしまいます。
ダイミョウセセリ 大名挵 鱗翅目 セセリチョウ科
セセリチョウは、跳ねるような飛び方のために、英語では「スキッパー」と呼ばれているそうです。
ダイミョウセセリは、前に挙げたセセリチョウの仲間と異なり、写真のように翅を開いて止ります。でも、ちょこまかと飛び跳ねるように行動することは、他のセセリチョウと変わりません。
大名の名は、羽の斑紋を「紋付」の裃に見立てての命名です。
しかし、「大名」というような威厳は感じられません。
僕が、ふと思い浮かべたのは「狂言」に登場する大名です。
「この辺りに隠れもない大名にて候」など言って登場しますが、ろくに家来もいません。道を行く行商人を呼び止めて、威張り散らして家来の変わりに使おうとしたり、猿回しを脅して小猿を取り上げて皮を取ろうとしたりしますが、結局は反対にやり込められてしまいます。
そんな滑稽な大名を連想しては、ちょっと申し訳ないかとも思いながら、ダイミョウセセリを見掛けると、どうしても狂言を思い浮かべます(笑)
尚、今回の記事の写真は7月下旬から、9月初旬にかけて撮影したものです。
追加情報
危険な昆虫である<チャドクガ>の成虫を今朝撮影しましたので、追加情報として載せて置きます。
チャドクガ 茶毒蛾 鱗翅目 ドクガ科
ちょっと不思議な写り方をしていると思われたかも知れませんが、これは僕の部屋の中に飛び込んで来て、窓ガラスの内側に止ったところを撮ったものです。
フワフワした、一見可愛らしい感じさえする小さな蛾です。
でも、毒を持っています。
本来毒があるのは、幼虫の体に生えている「毛」です。しかし、卵から孵化する際には卵の殻に、サナギから羽化する際には、その抜け殻や成虫の体に、それぞれに毒をもった毛が付着するため、幼虫や成虫のみならず、卵の殻やサナギの抜け殻に触ることも危険だと言われています。
知らずに手を触れただけでも、炎症を起こし激しい痒みをもたらすそうです。しかも、後々までアレルギーの原因となる可能性もあるということです。
見掛けても、決して素手では捕まえないで下さい。
このチャドクガの幼虫は、椿・山茶花・茶などのツバキ科の植物を食草としています。そうした木に近づく時にも、充分ご注意下さい。
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一週間ぶりの更新になりました。
また、皆さんのブログへも、殆どご訪問出来ておりません。
にも係わらず、前の記事へも沢山のコメントを頂き、とても感謝しています。
何とか時間を作って記事を更新して、皆さんの記事も拝見したいのですが、なかなか思うに任せない状況です。
少しづつでも、ブログの為の時間を取りたいと思っていますので、何卒宜しくお願い致します。
そして、いつも本当にありがとうございます<m(_ _)m>
参考図書
一番乗りできて、嬉しいで~す。
やっぱりalbireoさんの写真はすごい。
このセセリチョウ見たことがあると思いながら拝見しました。
昆虫をどうしてこんなにくっきりと撮れるのか、ため息が出るほどです。
by konkon (2006-09-11 22:06)
セセリの目は、子犬の目を連想します。
by Silvermac (2006-09-11 22:08)
自分が撮ったセセリの写真は、翅をたたんでいて裏からしか見えなかったのですが、かなり黄色っぽくて、キマダラセセリだと思っていました。表側はこんな模様なのですね。表は見られなかったのですが、多分、キマダラセセリだろうなぁ、と思いました。友人がつい昨日、庭木についていたチャドクガの幼虫に刺されてしまったそうです。そういう季節なんですね。
by sakamono (2006-09-12 00:08)
セセリの目をみているとほんとに可愛いです。
なかでもお馴染みのイチモンジセセリが可愛いですね、、こちらランタナで
しょうか? チャドクガ、、遊歩道に椿やサザンカが植えられていますので
気をつけなくては。
by puripuri (2006-09-12 00:09)
イチモンジセセリは目が大きくてカワイイですね。
この蝶は昔からハヤブサと言う名で良く知ってます。
by atom (2006-09-12 01:51)
おはようございます。
蝶々達、可愛いですね。チャドクガ初めてみました。^^
それではー
by kei果 (2006-09-12 09:48)
セセリチョウの目、可愛いですね^^
チャグドガ、気をつけなくちゃ~~。
by YAYA (2006-09-12 10:41)
セセリってこんなにたくさんの種類がいるのですね。
チャドクガとは知りませんでした。。。。
お忙しいようですね、私も9、10月はタイトスケジュールです。
身体に気をつけて頑張りましょう。
by m-tamago (2006-09-12 12:31)
こんな世界があるのを知って驚きの連続です。
by uminokajin (2006-09-12 12:39)
ほんとに目が大きくてかわいいですね^^
チャドクガ・・・あの幼虫のトゲトゲが一番気色悪いです。
by Baldhead1010 (2006-09-12 13:57)
どーもー!こんばんわ!
・・・て驚きました。一週間ぶりだなんて!
お仕事がお忙しいのですね。でも、それはそれでいいことです。
体に気をつけて頑張ってくださいね。
nice!を連打しようと思ったのですが、やめました。
でも、過去記事のんびり読ませていただきました。
夏の田舎のニオイがしました。
albireoさんはオトナなのに、子どもの視点をもてるのですね。
私は今年は母の実家(鹿児島)に行っていないので、懐かし寂しい気持ちになりました。
by ナナ (2006-09-12 22:29)
沼っ原湿原で見たセセリチョウがイチモンジセセリではないとalbireoさんにご指摘を受け、それも理由の一つで蝶の図鑑を買いました。その図鑑を買ったときの話にトラックバックさせて下さい。
チャドクガは恐ろしいですね。ドクガは見たことがありますが、これはないかな。
by 春分 (2006-09-12 23:01)
セセリチョウの目は、アニメキャラクターのような可愛らしさがありますね。
チャドクガ、多分以前に僕が見かけたものと同一です。
触らなくて良かったです。
自然が多様であるという証拠ですが、侮ってはいけないですね。
by じゅん (2006-09-13 10:18)
地味だけど
セセリチョウは僕も大好きです
よく見ると目がかわいいですよね
by gillman (2006-09-13 13:02)
昆虫はお任せします。うますぎますよ!
by akamaru (2006-09-13 13:47)
チャドクガ は毛虫の時から 恐ろしいと聞いております さされなくても 衣類に毛がついただけでも 大変だとか 椿の木には注意してあまり近寄らないようにしております ダイミョウセセリとても粋にみえます 狂言のお話愉しく読ませていただきました
by さねさし (2006-09-13 17:01)
セセリチョウの仲間がこんな色々いるなんて知りませんでした。
それぞれ特徴があってかわいらしかったり、美しかったりで二度ビックリ!
チャドクガの成虫が部屋に飛び込んでくるなんて…ちょっとこわいですね。
田舎育ちの私ですが、初めて拝見しました!
by dino-tail (2006-09-13 18:16)
セセリチョウも沢山種類があるのですね~。わたくしが写しているのも、この
キマダラセセリの仲間?
by (2006-09-13 19:19)
私も蝶の写真に挑戦したいです。
by マイケル (2006-09-13 23:35)
チャドクガはめちゃ怖いです。数年前に椿の実を拾ったのですがその実にチャドクガの毒毛針がついていたのを知らずに触ったがために顔や首は腫れ、その痛痒さに1ヶ月ぐらい苦しみました。救急病院にも行って処方してもらったぐらいです。それ以来アレルギーで椿の木のそばに寄れません。
by (2006-09-14 16:44)
イチモンジセセリのお口にnice! です。
by はてみ (2006-09-14 23:21)
5階の我が家のベランダまで飛んで来てくれるセセリ蝶はどの子かなぁ。
ドクガには気をつけないと ほんと怖いですね〜
by (2006-09-15 15:10)
すごい!蝶々って、色々な種類と複雑な模様ですね!
黒いのが好きです。
3番目⇒本当だ~目がまん丸で、大きくてかわいい♪
ドクガ!でも、かわいい~
by sera (2006-09-15 20:37)
イチモンジセセリ、可愛いんですね♪
albireoさんが書かれていた通り、“蛾みたい”な印象が強くて((((((^_^;)でした。今度見つけたらよく見てみます。
チャドクガは見るからに“毒”って感じですね!!!気をつけます!!!
by じゅんぺい (2006-09-16 04:12)
イチモンジセセリ、とっても可愛らしいです!
「ハヤブサ」という呼び方は、格好いいですね。
お忙しそうですが、ご無理をなさいませんように。
by (2006-09-16 09:22)
名前は伏せますが、うんと久方ぶりにお邪魔しました。
相変わらず素晴らしいお写真と詩情溢れる記事に、とっても感激!
albireoさんのご活躍に元気をいただく思いです。
お忙しそうですが、私たちファンのてめにも、どうかゆっくりでも末永く、発信し続けてくださいますよう。ご健康をお祈りいたします。
by B.B. (2006-09-16 21:37)
とても小さい蛾のようにみえるのですが、毒があるのですね。
しかも、アレルギー反応が強いというのが怖いです・・・
征夫さんの写真展には行かれましたか?この連休までだと聞いたのですが・・
by あやこ (2006-09-17 20:12)
albireo さんも忙しそうですね。
最近、温度差、激しいので体調、気をつけてくださいね。
albireo さんの写真は、昆虫図鑑に載せてもいいくらいキレイ。
by (2006-09-18 02:39)
写真展 間に合ってよかったですっ^^
by あやこ (2006-09-19 07:57)
チャドクガ、実家の椿の木にいたらしく、母が『やられた~』と言っていました。
随分痛かったそうです・・・・・albireoさんもお気をつけくださいね。
イチモンジセセリ、近くでよく見かけるので「かわいいなぁ」と見ていたのですが、幼虫は害虫だったんですね。初めて知りました・・・
by はるまきママ (2006-09-19 11:54)
セセリチョウの目が好きです。オオチャバネセセリは本当にイチモンジセセリに似てますね。チャドクガはずっと危ないのですね。以前幼虫は見た事があります。
by penpen (2006-09-24 07:15)
はじめまして。
埼玉の方で、蝶のブログをしているYODAと申します。
さまざまな画像を配信されていて、大変勉強になります。
ただ、ダイミョウセセリの前のセセリチョウは、イチモンジの方ではないかと思いました。
是非、ご参照ください。
http://yoda1.exblog.jp/13772331/
by YODA (2011-10-11 12:56)