SSブログ

蝶の擬態 [昆虫]

                       ウラナミシジミ 裏波小灰蝶  鱗翅目 シジミチョウ科

前の記事に続いて、またウラナミシジミです。

もっと以前、ウラナミシジミを取り上げた記事に、この目玉模様と尾状突起(びじょうとっき)に就いて、「カムフラージュでしょうか?」というコメントを頂きました。
 ↓ 以前の記事『尻尾のある小さな蝶』です。
http://blog.so-net.ne.jp/albireo/2005-09-17

その後、そのことに関して書いた本を見付けましたので、ご紹介したいと思います。
(見付けたと言っても、書店でではなく山積になって埋まっていた、自分の本棚での再発見でしたが…)

それは、『チョウの不思議』という本です。

翅に目玉のような模様が付いているチョウは、他にも何種類もいるのですが、その中には、ある程度大きな目玉模様のチョウと、このウラナミシジミのように、小さな目玉模様のチョウがいます。

チョウは、小鳥などに餌として狙われる事が多いのですが、その際大きな目玉模様は、鳥を威嚇して襲う気を起こさせない爲に役立つようです。

逆に、鳥は小さな目玉模様を見ると、チョウの目だと思って、嘴で突付いて来るということです。

そこで、ウラナミシジミは、尻尾の方に触覚と見間違えるような尾状突起と、目玉模様を持つことによって、鳥がそちらを本当の頭だと思って突付こうとした時に、素早く反対方向に逃げようという戦略を、取っていると言うことのようです。

ある日、こんなウラナミシジミを見付けました。
尾状突起を失っていて、目玉模様にもちょっと傷が付いています。

確かな事は解りませんが、鳥に襲われた時、尾状突起と目玉模様のお陰で、何とか難を逃れて来たのかも知れません。

 

                    ヒメジャノメ  姫蛇の目  鱗翅目 タテハチョウ科

こちらは、ヒメジャノメです。
このチョウも、この本物の目より目立つ目玉模様によって、鳥の攻撃を逃れているということのようです。

 

*参考文献
〔理科年表読本〕 
 チョウの不思議 
  乾  実 著・丸善:1998年3月刊   
 ISBNコード ISBN 4-621-04463-X

 


nice!(27)  コメント(27)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 27

コメント 27

こんばんは。albireoさんは動くものを本当に綺麗に写していらっしゃいますね。
この蝶の模様は誰が考え出すのかしら・・・不思議・・
by (2005-10-26 18:23) 

Silvermac

シジミの目玉模様の秘密が分かりました。将に神の仕業ですね。ウラナミシジミは見かけたことがありません。nice&コメントアリガトウございます。nice&コメントアリガトウございます。ナイス・ショットです。
by Silvermac (2005-10-26 18:41) 

秋の蝶なんですね。秋っぽい色合で好きです。目みたいに見せて鳥を驚かせる・・・生き物の不思議ですねー!
ヒメジャノメもハート型みたいで可愛いvv
by (2005-10-26 20:58) 

penpen

ウラナミシジミって可愛くて綺麗な蝶々ですね。目玉は威嚇だけでなく擬態の目的もあったんですね。
by penpen (2005-10-26 21:14) 

ao

確かに,羽の後ろが面白いですね。萩にとまっているところを見ると,小さい蝶ですね。
by ao (2005-10-26 21:16) 

びっくりですね、後ろに目の模様が。
自然とはうまくできていますね、この模様で自分の身を守っているということですか。
by (2005-10-26 21:43) 

じゅんぺい

目玉模様は見た事がありましたが、突起は初めて見ました。
確かに目立つオレンジの方を突っついてみたくなりますよね~(笑)
自然って不思議!!
by じゅんぺい (2005-10-26 21:59) 

albireo

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
何故か、昆虫にはついている気がします。
僕が撮った虫たちは、写す時だけはじっとしていてくれます。
でも、欲張ってあまり何枚も撮ろうとすると、さっさと逃げられてしまいます・・・。
生き物の生態や姿は、本当に不思議です!

◇ SilverMac さん ありがとうございます。
何故、こんなに不思議な仕組みが出来るのでしょうか・・・。
まさに、不思議ですね!

◇ 理恵子 さん ありがとうございます。
こんなに小さな命に、こんなに不思議な仕組みがあることは、何だか奇跡のような気がします。

◇ penpen さん ありがとうございます。
人間の目には、綺麗とか可愛いとしか見えない模様にも、虫が生きて行くための仕掛けがあるのですね。
やっぱり、不思議です。

◇ ao さん ありがとうございます。
シジミチョウの仲間ですから、大きさはせいぜい2cm弱です。

◇ mamii さん はじめまして。ありがとうございます。
本当に、自然の仕組みは不思議です。
一体どんな意思が働いているのかと、考え込んでしまいます。

◇ じゅんぺい さん ありがとうございます。
シジミチョウにも、尾状突起のついたものは、何種類かいるようです。
みんな、突起を触覚に見せようとしているようです。
まさに、不思議です!
by albireo (2005-10-26 22:34) 

ヒメジャノメ、かわった模様だとは思っていましたが、
そのような機能があるとは知りませんでした。
自然は不思議なものですね。
一枚目のウラナミシジミ、とても綺麗です。
by (2005-10-26 22:56) 

atom

ウラナミシジミってまだ見た事がないです。
触角の先が黄色でカワイイ蝶ですね。
by atom (2005-10-27 00:39) 

barbie

目のように見える羽の模様は鳥の攻撃から身を守るためのものだったんですね。確かに、私は人間ですが(当たり前)蝶の羽の模様にギクッとしますものね。
by barbie (2005-10-27 01:02) 

puripuri

mimimomoさんが言われているように、忙しく飛び回るのを良く撮られて
います。目玉模様の事、、とても良く分かりました。創造の神様は強い者、
弱い者、、夫々に生きる知恵を与えてくださったのですね。

クレオメの件、お手数をおかけしまして、ありがとうございました。
それと、私のお茶の記事に、albireoさんの「喫茶去」をリンク、TBさせて
頂きました。よろしくお願いします。
by puripuri (2005-10-27 01:14) 

まい

いろんな模様の蝶がいるんですね~
なぜか昔から蝶って苦手なんです。近寄られると逃げちゃいます・・・
by まい (2005-10-27 02:59) 

あやこ

なるほどー だから、蝶の模様って羽の外側にあるのですねっっ!!
生き抜くための進化ってすごいですよね^^
by あやこ (2005-10-27 08:11) 

Baldhead1010

目玉をおとりに使うという、その知恵が素晴らしいですね。
どこから学んだのでしょう。
by Baldhead1010 (2005-10-27 08:42) 

Gotton Factory

遅くなりました。一度聴いてみてくださいね。

http://kgotton.hp.infoseek.co.jp/bgm/kosumosunookade.htm

最後のところをちょっと変えているのでですがいいですか?
by Gotton Factory (2005-10-27 10:20) 

akamaru

蝶を撮らせたら!右に出るものなし!
さすがですね!
by akamaru (2005-10-27 10:45) 

猫ふみふみ

翅の下にある目の模様は、トカゲのしっぽの役目と同じなんですね。
自然ってすごいな~。
by 猫ふみふみ (2005-10-27 11:18) 

gillman

お見舞いありがとうございました
残念ながら、昨日チャーは逝ってしまいました
とても悲しい気持ちで一杯です
by gillman (2005-10-27 12:44) 

maya

よく見るとキレイなチョウですよね。
ここでよく見ることができてよかった(^-^*)
by maya (2005-10-27 13:59) 

この・・・・目玉模様がにがて・・・・というか恐怖・・・前世は鳥かしら;
by (2005-10-27 16:47) 

さねさし

ほんのちょっと お休みしている間に 格調たかいお写真の数々 お言葉など感動いたしました 
by さねさし (2005-10-27 19:23) 

かしこいねぇ。
by (2005-10-27 20:01) 

夏Meg

ほんとに!mimimomoさんのおっしゃるとおり!動くモノのピントがどうしてこんなに合うんでしょうか!?(@_@;;もしや…albireoさん、蝶のカモフラージュを身にまとって山に入っているのでは…「危ない人」になりませんように…
by 夏Meg (2005-10-28 00:39) 

ナナ

なんだか、albireoさんは、動植物博士のようです。

さぁ、みんな!
博士にいろいろ質問してみよう!!

と、子供達に声をかけたい気分です。
by ナナ (2005-10-29 14:55) 

ziziblog

なるほど、そうなんですね。目玉模様、そういえば、マンションのベランダにこの目玉模様のフウセンのようなものが風にゆれていました。カラス?ハト?の撃退法だったんですね。
by ziziblog (2005-10-30 05:59) 

rin

目がたくさんありますね。。。
カラダが身を守るために出来ている、素晴らしいことですね。
by rin (2005-10-30 12:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

秋の蝶雁金草 <かりがねそう> ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。