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喫茶去 <きっさこ> [樹木]

 

                                                  チャ 茶  ツバキ科 ツバキ属

『お茶』です。

中国原産と言われ、日本には平安時代初期に入唐僧によって、もたらされました。
しかし、当時は儀式等に使われるに留まり、日常の飲み物としては普及しなかったようです。

それが、鎌倉時代になって宋から帰国した禅僧・栄西によって、茶の苗と禅宗の茶の作法が、改めて日本に伝えられました。

その木は、肥前や筑前に植えられ、やがて京都の栂尾 高山寺(とがのお・こうざんじ)の明恵上人(みょうえしょうにん)に贈られます。
それ以降、茶の栽培と抹茶を飲む習慣が、広まって行ったと伝えられています。

明恵上人ファンの僕は、そんな話を聞いて、尚更お茶が好きになりました。

 

『喫茶去(きっさこ)』という禅語があります。

趙州(じょうしゅう)和尚という、1,000年ほど前の中国の禅僧は、訪ねて来る人の誰にでも『喫茶去』と言ったと伝えられています。『喫茶去』とは、「お茶を召し上がれ」という意味だそうです。

「お茶を召し上がれ」と言われて、ただ無心に茶を飲む事が出来れば、それは一つの悟りの境地に達しているのだと言われます。

お茶を出され、「品よく飲まなければ」「こぼさないようにしないと・・・」「高そうな茶碗だな~」・・・そんなことを考えず、ただ無心に飲むことは、本当はとても難しいことです。

禅宗の『茶礼(されい)』と呼ばれる作法は、「ただ、無心に茶を飲む」という境地を得る為の、修行の一つとして行われていました。
日本の『茶道』は、その『茶礼』を元にして、独自に発展したものと言われています。
茶道の大成者である千利休が、「茶の湯とは、ただ湯をわかし茶をたてて飲むばかりなる本(もと)を知るべし」と言っているのも、「ただ、無心に茶を飲む」という境地に至ることの大切さを説くものと言えると思います。

 

お茶の花の蕾は、抹茶入りの和菓子のような色をしていました。

僕は、正式な茶道の作法で、抹茶を頂いたことはありません。
でも、奈良や京都のお寺などで飲む抹茶は、とても好きです。

けれど、抹茶入りのお菓子というのは、何故かあまり好きではありません・・・。

 

もう、お茶の実もなっていました。
この実の中に、1個~3個の種が入っていて、それを植えると容易に繁殖するそうです。

 

 

aoさんと、penpenさんも、綺麗なお茶の花の写真を、記事にアップされて居られましたので、リンクさせて頂きます。

ao さん
http://blog.so-net.ne.jp/ao66/2005-10-07

penpen さん
http://blog.so-net.ne.jp/buffy/2005-10-08

 

 

 


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gillman

お茶って、ツバキ科ですか
確かに花をみるとツバキそのものですね
ツバキが茶室によく使われる茶花なのも
そういうことなのかも知れませんね
by gillman (2005-10-08 23:12) 

Silvermac

画像処理を変えたのでしょうか。コントラスト、彩度が高くなったように思います。お茶の花がきれいです。
by Silvermac (2005-10-08 23:25) 

マユ

わ、お茶だ。
静岡生まれの私の実家の向かい(今は駐車場)は、かつてお茶畑でした(笑)
駅から歩いて7分そこらの市街地でも、当時は茶畑があったのです。
お茶の実は端っこを道路で削って中身をうまくつぶして抜いて、即席の笛になりました。
広い広い公園などでは、茶畑迷路などをよく目にしました。
霜よけの風車がまわる、山の斜面いっぱいのお茶畑が大すきです。
やっぱりお茶は、宇治じゃなくて静岡でしょ!(笑)
by マユ (2005-10-08 23:40) 

SomethingPrecious

私も静岡県育ちですが、こうしてお茶の花をまじまじと見たことはありませんでした。なんて風情のある花なんでしょう.....。
これぞnice!
by SomethingPrecious (2005-10-09 01:32) 

HAL

お茶ってツバキの仲間なんだね!
知らなかったです!
そういえば..いつも行く海にツバキの垣根があるんだけど、こないだ茶の実のような丸っこいのがあったな。。。

そう思うとつながるかも。(^_^)
by HAL (2005-10-09 01:41) 

まい

静岡在住なのにここまでジッと見たことなかったかもしれない。
私、静岡人のくせにお茶はあまり飲まないです。嫌いじゃないんですけど、トイレが物凄く近くなってしまうので・・・。でも県外の飲食店で出てくるお茶を飲むと「静岡茶さいこー」って思います。
by まい (2005-10-09 02:33) 

atom

お茶の花はまだ見たことないです。
シベがたくさんあってボリュームのある花ですね。
by atom (2005-10-09 03:48) 

栄西が持ち帰ったお茶の木は福岡のお寺にあります。ただ何年か前そのお寺は火事にあったと聞きます。お茶の木が無事だったかどうか・・・
お茶のお花は好きなお花の一つです。
by (2005-10-09 04:33) 

あやこ

「喫茶去」 祖母の家の床の間にこの文字の掛け軸がかかっていたのです。
祖母は、お茶の先生だったので、その意味に 納得です^^
by あやこ (2005-10-09 09:01) 

ツバキの木はこわくて近寄れません。
チャドクガにやられてからです。
by (2005-10-09 11:32) 

ao

納得の茶の花です。こう撮影しないとね。なんか,もう東御苑に見に行った気がします。
by ao (2005-10-09 11:55) 

akamaru

お茶の花なんだぁ〜
by akamaru (2005-10-09 13:19) 

猫ふみふみ

一輪挿しに一花挿して、お薄をいただいたら格別な味がしそうです。
by 猫ふみふみ (2005-10-09 15:59) 

puripuri

お茶の花は初めて見ましたが、こんなに素晴らしい花とは知りませんでした。
5年生の頃から3年近くお茶を習っていたのです。月謝袋がなぜか一枚だけ
残っています。それには利休流と印刷してありますが当時は子供なので余り
気にも留めていませんでした。初釜に3回行きました、多勢の中で頂いた事が
思い出されます。
喫茶去の由来、そして二枚目の写真も素敵です。
by puripuri (2005-10-09 16:58) 

shareki

なるほどツバキに似てますね。
お茶の世界は奥深いですねぇ、茶器の豪華さと心の静けさにギャップを感じます。
by shareki (2005-10-09 18:21) 

IXY-nob

秋の爽やかな日に、お寺巡りの途中で抹茶をいただくのは最高ですね。やっぱり、京都がいいですね。
by IXY-nob (2005-10-09 19:19) 

penpen

綺麗に撮られていますね。紹介していただいて、ありがとうございます。喫茶去はよくお軸で見かけます。いい言葉ですね。
by penpen (2005-10-09 20:02) 

風の又三郎

お茶の花なんて、初めてもいいとこ・・・・。
綺麗ですね、実もなんか渋くていいですねえ。
by 風の又三郎 (2005-10-09 21:21) 

m-tamago

写真にも文章にも感動。
16年も茶道をやっていて、まじまじとお茶の花と蕾と実を見せて頂いたのはこれが初めてです。お恥ずかしながら。特に実はこんな風なのだとびっくり。ありがとうございました。
明恵上人が栂尾に植えた茶畑は今も存在するそうです。私は実物は見たことがないのですが、先生がおっしゃっていました。室町時代には栂尾産のお茶は本茶と呼ばれて、本茶とそれ以外のお茶(非茶)を飲み分ける闘茶が流行りました。
お茶の花は今ごろ咲くのですか。東京だったら何処に行けば見られるでしょう?本物も見たくなりました。
by m-tamago (2005-10-09 22:17) 

barbie

茶道を習ってたことがあるので、海外に行く時にはさげあるきというちっちゃな茶道のセットを持っていってお茶を点ててあげます。難しい作法はさておき、苦みのある抹茶も結構人気がありますよ。お茶の花は茶席にも似合いそうですね。
by barbie (2005-10-09 23:40) 

昔、家でもお茶を栽培していたそうです。
僕は、全然分からないのですが、茶壷がいくつか残っています。
2枚目の写真が好きです。お茶の花も天に憧れているようですね。
by (2005-10-10 10:30) 

ziziblog

茶の花って最近知りました。こんなに美しかったんだって驚きました。
無心!、われわれ凡人はなかなかこの境地に立てません。
むかし美しい先生にお茶を立てていただいたのですが、見惚れて雑念ばかり、無心どころではありませんでした(涙)
by ziziblog (2005-10-10 10:45) 

Baldhead1010

やはり椿と花時期は似ていますね。
by Baldhead1010 (2005-10-10 15:02) 

ナナ

ただ無心でお茶を飲む・・・
そこに到達するための作法か。

そりゃ、あれくらいガッチガチにしないと修行にならないもんな。
なんだか、納得してしまいました。
by ナナ (2005-10-10 16:34) 

Gotton Factory

最近椿の実を植えました。芽が出るといいなあ。
by Gotton Factory (2005-10-11 04:52) 

お茶の実ってこんなのだったんですね。初めて見ました。
高山寺を訪れたとき不思議な体験をしてから(以前ブログに書きました)、明恵上人にも興味が湧いて、本を読むうちにいつの間にか私もファンになっていました。
お茶を飲む時間は私には欠かせない時間。
お茶を淹れるっていう行為そのものを楽しむ。お茶の香りを楽しみながら飲む。
人生を楽しむことに繋がっているような気がします。
by (2005-10-13 14:34) 

m-tamago

Albireoさん、教えて頂いた東御苑に行ってまいりました。
そして、ホンモノのお茶の花と実を見ることができました。
ありがとうございました。
詳細をブログで書き、Albireoさんのブログも紹介させて頂きたいと思います。
是非遊びにいらしてくださいね。
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/
by m-tamago (2005-11-06 17:49) 

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