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愛の花 [花]

                   アガパンサス ユリ科 アガパンサス属

 

     アガパンサス「神の愛」の名を負う花

     その名前の意味を初めて知った時

     沢山の花が四方を向いて咲く姿に

     日本人としての僕の心は  

     厳然たる一神教の神ではなく

     あらゆる方角に顔を向けて

     人々の願いを聞き届けるという

     慈愛に満ちた観音菩薩を思い浮かべた

 

アガパンサスの名前は、ギリシャ語の「アガペー」と、「アンサス」との合成語で、「愛の花」という意味だということです。
アガペーは「愛」。アンサスは「花」を意味する言葉です。
一般的には、恋愛を指す「エロス」に対して、「アガペー」は、キリストの説く「神の愛」を示す言葉とされています。

昔、「エロス」と「アガペー」を対比して論じた本が、流行ったことがありました。(僕は、読んでいませんが・・・)

プラトンの説く「エロス」は「真・善・美」へと昇華すべき、哲学的衝動であると言います。

ニュアンスは、多少異なってしまいますが、仏教の言葉に置き換えると「エロス」は「愛欲」。「アガペー」は「慈悲」に、相当すると言ってもいいかも知れません。
ただ、やはり一神教の厳然たる神と、多神教の神道や、そこに習合された日本仏教の神仏の概念とは、相当にかけ離れたものかも知れませんが・・・。

 

気の毒な名前を付けられた、様々な花がありますが、折角「愛の花」と名付けられながら、宗教的だったり、哲学的だったりするというのは、この花にとって幸せなのか不幸せなのか、些か疑問にも感じます。

 

なんだか、ここ数年来よく見かけるようになったと思っていたのですが、日本への渡来は明治時代だといいます。

原産地は、南アフリカです。

「ムラサキクンシラン」という、紛らわしい和名も付いています。
紛らわしいというのは「クンシラン」という、まったく別種の植物があるからです。

 


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さねさし

上から下 下から上へと なんども往復させつつ 見 読ませていただきましたやはり 一枚目のお写真は 一番目にあるべき インパクトがあり ハットさせるものがあり またお言葉が素晴らしいと思いました たくさんお撮りになったお写真の中から この4枚を選ばれるのだとおもいますが その 基準は何なのか また順番はどうして こうなのかなんて 勝手に想像させていただきました
by さねさし (2005-06-28 20:17) 

maya

こんばんわ(^-^)
アガパンサス雨も似合うんですよね。
雨粒が・・・雫が・・・
by maya (2005-06-28 20:52) 

mippimama

アガパンサスの色がとても綺麗
一枚目などやはり宗教的に見えてしまいます
白いアガパンサスもあったのですね〜♪
by mippimama (2005-06-28 20:52) 

penpen

私も白のアガパンサスはじめて見ました。神の愛、素敵な名前が付いていますね。
by penpen (2005-06-28 21:20) 

IXY-nob

おっしゃるように最近よくみます。野の花の雰囲気で、ひっそり咲いているのが似合いますよね。今後も記事の予定がありますが、以前の記事にTBさせていただきました
by IXY-nob (2005-06-28 22:02) 

albireo

◇ sanesasi さん ありがとうございます。
並べる順序は、一応文章に合わせて決めますが、基本的には直感的なものです。
今回は、あまり枚数はありませんでしたが、選ぶ時はピントが合っているものから、これも直感で選んでいます。
まともな答えにならず、申し訳ありません。

◇ maya さん ありがとうございます。
そうですね。今度は、雨に濡れたアガパンサスも撮ってみます!

◇ mippimama さん ありがとうございます。
一枚目は、背景が暗くなったので、闇から浮き上がるように撮れました。
それで、ちょっと神秘的な感じがするのだと思います。
図鑑で調べると、紫と白が載っていました。

◇ penpen さん ありがとうございます。
確かに、紫の方をよく見掛けますね。でも、時々白も見掛けるので、撮って見ました。
「愛の花」というのは、たまに図鑑にも書いてありますが、「神の愛」の意味の「アガペー」としたのは、一体どんな人なのだろうかと、考えてしまいました。

◇ IXY-nob さん ありがとうございます。
実は、IXY-nob さんの記事を見て、もうそろそろだなと思って探しに行きました。
いつも、TBして頂いて、ありがとうございます。
こちらからも、TBさせて頂きます。
by albireo (2005-06-28 22:41) 

アガパンサス、綺麗な花ですね。どれも素敵なのですが、特に1枚目の写真が好きです。一神教と多神教、そして神道について、大変興味深く読ませていただきました。これについて書き始めますと、下手をすると、albireoさんの記事より長くなりそうなので、今日は止めておきます。(苦笑)花から宗教論へという、話の展開が、とても面白かったです。南アフリカ産のせいでしょうか、僕の住んでいるところでは、見かけないような気がします。
by (2005-06-28 23:20) 

albireo

◇ lapis さん ありがとうございます。
確かに、僕も長くなりそうなところを、ここまでに押えました。
観音菩薩に就いても、書こうとして、でも止めました。
アガパンサスは、冬の気温が低いところでは、鉢植えにして屋内に入れないとならないようです。
by albireo (2005-06-28 23:37) 

Gotton Factory

アガパンサスの名前の由来を初めて知りました。
白い花もあるんですね~。
by Gotton Factory (2005-06-28 23:57) 

HAL

これ、駅前の花壇で見かけました。
愛の花っていうんだ...
そう聞くとより美しく見えてくるような。(^^;)

プルンパーゴにも似た優しいラベンダー色がいいですよね!
by HAL (2005-06-29 01:24) 

初めて聞き、見ました!いつもalbireoさんの写真には一枚目で、ハッとさせられます。このページを開けた瞬間「わぁお」って感じです☆
一枚目の絶妙な色が大好きです。それに花の名前に「愛」が関係していることも素敵だと思いました。
by (2005-06-29 05:32) 

あやこ

家の近所でこれと思われる蕾を見つけました!
こんなに素敵なお花が咲くのですねっ!! 見に行ってみよう。。。
いい名前のお花ですね^^
by あやこ (2005-06-29 08:12) 

千手観音ですね~~~。
曽野綾子さんは「アガペー」と言うことについて、バイブルに言う「隣人を愛せよ」と言うときはこの「アガペー」だと。つまり「理性の愛」と言うようなことを仰っていたのを思い出しました。
このお花の姿から「一神教」と「多神教」のことを考えるalbireoさん、興味深い考え方ですね。さすがalbireoさんと言う感じです。
by (2005-06-29 11:51) 

shareki

あちこち咲いてて、ほんとにここ数年良くみかけますね。
意味を知って、なるほど奥が深いなぁって思いました。
ようやく雨、うっとしいですが安心もできました。
by shareki (2005-06-29 13:34) 

アガペーは「無償の愛」と結婚式のときに神父さんに教えてもらいました。
見返りを期待しない愛だと。
子供を持ってそれがやっと理解できました。
by (2005-06-29 14:16) 

Baldhead1010

なんと涼しげな紫色でしょう!
by Baldhead1010 (2005-06-29 16:54) 

albireo

◇ Gotton Factory さん ありがとうございます。
紫に比べると、あまり見掛けませんが、たまに咲いていますよ。

◇ HAL さん ありがとうございます。
僕も、ラベンダー色は好きです!

◇ 理恵子 さん ありがとうございます。
背景が暗いので、浮き上がって見えるからでしょうね。
ちょっと、哲学的な愛です。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
是非、あやこさんの写真も見せて下さいね!

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
そうですね。千手観音や十一面観音を思いました。
僕は、多神教の緩やかさに惹かれます。

◇ 渋樹 さん ありがとうございます。
明治時代から、日本に入って来ているそうですが、何故最近目に付くようになったのか、少し不思議な感じもします。
こちらも、昨夜から雨でした。

◇ tanaka-ma3 さん ありがとうございます。
本来は、神が人間に与える恩寵としての愛だということですが、「無償の愛」というのは、とても難しいものなのですね。

◇ Baldhead1010 さん ありがとうございます。
夏の暑さの中で見ると、心地良い色合いですね!
by albireo (2005-06-29 22:05) 

ナナ

そんな神々しい名前がついていたのですね。知りませんでした。
観音菩薩ですか....確かに。納得です。
by ナナ (2005-06-29 23:19) 

atom

アガパンサスの白ははじめて見ます、キレイですね。
私も薄紫のアガパンサスをアップしたのでTBさせて頂きました。
by atom (2005-06-30 00:08) 

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