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母子草 [野草]

       

ずっと昔のこと、『母子草』は、よく背の高い草と、背の低い草が並んでいる事が多いので、その姿が名前の由来だろうと、僕は勝手に思い込んでいました。
けれど、それはまったくの思い違いであることを、ずっと後になって知りました。

本当の、『母子草』の名前の由来は、草全体が白い綿毛で覆われている為、「毛羽立つ」という意味の「蓬け立つ」から、「ホオコグサ」と呼ばれ、それが変化して「ハハコグサ」になったと、多くの本に書かれています。

けれど、また別の説を「平凡社 世界大百科事典」で見付けてしまいました。
それによると、奈良時代の学者が、中国の本に載っていた『凧辰蒿(はんはんこう)』というものを、ハハコグサの事だと、誤って信じ込んだのが、名前の由来ではないか、と言うのです。
『ハンハンコウ』が『ハハコグサ』になったのではないかと言う訳です。

         

こうして、段々と複雑な話になって来ると、「背の高い草と、背の低い草が並んでいるから・・・」と、勝手に思い込んでいたままの方が、いっそ良かったような気もしてしまいます・・・。

昔『母子草』は、ヨモギと同じように、草餅を作るのにも使われていました。
今は、使われる事はないようですが、それでも年に一度だけ、他の草と一緒にパッケージされて、スーパーマーケットで販売される事もあります。
その時の名前は『御形(ゴギョウまたは、オギョウ)』と呼ばれます。
つまり、七草粥にする『春の七草』の一つです。

                                 キク科 ハハコグサ属  

 


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コメント 19

ccq

子どもの頃は七草つみにいったことがありました。よくわからなくて片っ端からむしっていたような。
by ccq (2005-05-06 23:12) 

ナナ

実は、花の名前を知らず『ボシソウ』と読んでおりました。
すみません。

最近、何やら由来に凝っていらっしゃいますか?
そういう話は、私の物語熱をふつふつと再燃させます。
(童話や伝説、実は私も好きだったのですよ。それを現代風にアレンジしたりしていました)
by ナナ (2005-05-06 23:18) 

albireo

◇ ccq さん ありがとうございます。
子供の頃は、誰でもそんなものですよね!
そうやって、自然に興味を持てれば、いいのかも知れません。

◇ ナナさん ありがとうございます。
最近と言う訳ではなく、昔から名前の由来には、興味があります。
調べていると、きりがないし、かえって訳が解からなくなっても来るのですが・・・。
是非、物語熱を再燃させて下さい。そして、素敵な物語を読ませて下さい!
by albireo (2005-05-06 23:42) 

お先に報告!多分1111個目のnice!押させていただきました♪笑
albireoさんの思ってた名前の由来すごいと思います!!元からあったものもあるかもしれないけど、それは何か情趣(?)があっていいです☆そういう解釈好きです!
by (2005-05-07 00:21) 

ナナ

むぅ・・やっぱ、恥ずかしいや
by ナナ (2005-05-07 00:29) 

barbie

これが七草の「ごぎょう」なんですね。また賢くなりました。寄り添う姿が親子のようなので「母子草」だと思ってた。こっちの方が夢がありますね。
by barbie (2005-05-07 00:51) 

shareki

albireoさんのblogで初めて知ることばかりです、勉強になります。
ごぎょう=母子草なんですね。
by shareki (2005-05-07 01:02) 

あやこ

これも七草のひとつなのですね^^
ほんと お花の名前の由来は、いろいろとあるのですね^^ 勉強になります
by あやこ (2005-05-07 09:09) 

Yasuko

ハハコグサ、何かの薬草だったとおもいます。
熱が出たら、これと白南天とを煎じて飲ませてもらったような……。
熱冷ましだったかなぁ、咳止めだったかなぁ。
定かではありませんが……。
by Yasuko (2005-05-07 10:39) 

sera

Albireoさん、お久しぶり~
休みの間、たくさん素敵な写真と詩が!ハチの写真はかわいい。
釣り糸も面白いですね。
白爪草が大好きです!
by sera (2005-05-07 11:31) 

beer

野草も奇麗に撮られると幸せですね。
こうやって主役になれることは嬉しいでしょうね。
by beer (2005-05-07 11:54) 

mippimama

上の画像がやっぱり”母子草”っていうのがピッタリですね〜
やはり背丈の違いに一票!
by mippimama (2005-05-07 12:18) 

野草の名前の由来もいろいろですね。でも母子ですからalbireoさんの説が面白ですわ。
by (2005-05-07 12:51) 

じゅん

この季節を代表する7つの草を採って食べるなんて、
凄く贅沢なことですね。特に今の時代は。
by じゅん (2005-05-07 16:08) 

penpen

母子のように寄り添って咲いているのは気が付きませんでした。母子草の草餅食べてみたいです。今年もスーパーで七草粥セットを買いましたが、その中に入っていたのですね。
by penpen (2005-05-07 20:55) 

micron

albireoさんの説が一番いいです。その説でいきましょう!
七草粥を食べなくなってしまったので来年は忘れずに食べたいと思います。
季節を感じなければ・・!
by micron (2005-05-07 22:13) 

albireo

◇ 理恵子 さん ありがとうございます。
いつのまにか・・・。見て下さる、皆さんのお陰ですね。感謝します!

◇ ナナ さん ありがとうございます。
これから、タイトルの書き方を考えます・・・。

◇ barbie さん ありがとうございます。
ふと、その説を広めたい気もします・・・。

◇ 渋樹 さん ありがとうございます。
七草は、殆どが古い呼び名なので、解かり難いですね。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
名前の由来は、調べると面白いのですが、訳の判らないものも多いので困る事もあります。

◇ Yasuko さん ありがとうございます。
記事を書くときに調べた本には、出ていませんでしたが、また別の本を調べて見ます。 

◇ sera さん ありがとうございます。
お久し振りです。楽しい連休でしたか?
また、こちらからもお邪魔します。

◇ beer さん ありがとうございます。
花の方は、また変な奴が来たと思っているかも知れませんよ・・・。

◇ mippimama さん ありがとうございます。
そうなのです、ああいう姿を見て、勝手にそう思っていました。

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
花の名前の由来を調べていると、訳が分からなくなることがあります・・・。

◇ じゅん さん ありがとうございます。
でも、環境が悪い場所だと、路傍の草を取って食べるのも辛いものがありますね。
その為にも、街や野山をきれいに保ちたいものです。

◇ penpen さん ありがとうございます。
一本だけで立っているのもありますが、数本の花茎が立ち上がるものが多いようです。
勿論、若い芽(と言うか、ロゼット)ですが、入っていた筈です。

◇ micron さん ありがとうございます。
植物学者に怒られますよ!
実を言うと、今年は七草粥を食べる事を、すっかり忘れてしまいました・・・。
by albireo (2005-05-11 01:57) 

ユーミン

突然でごめんなさい。何方に伺ったらいいか分からなくて・・・。
実は今、我が家の庭に母子草が沢山咲いているのです。
今年は確か梅雨時に咲いているのを私のぶろぐにアップ
したのですがまた咲いています。これって珍しいのでしょうか?
ご存知でしたら教えてください。
by ユーミン (2006-11-06 21:58) 

albireo

ユーミンさん。ご訪問頂きまして、ありがとうございます。
母子草は、春の七草の一つですから、原則的に秋に花が見られることは無いと思います。
けれど、今日僕も春から夏にかけての花が、何種類も沢山咲いているのを見て来ました。
母子草はありませんでしたが、仏の座や待つ宵草が沢山咲いているのを見ると、やはり気候が、大幅に変化していることを感じざるを得ないように思います。
これが、更なる気象の異常に繋がらない事を祈りたいと思います。
by albireo (2006-11-06 23:31) 

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