睡蓮の咲く池 [花]
スイレン 睡蓮 スイレン科 スイレン属
スイレン科 スイレン属のラテン語の学名 Nymphaeaceae Nymphaea は、ギリシア神話に登場するニュムペー(妖精 英語では、ニンフ=nymph)を語源としているそうです。
水の中から顔を出したように咲く、その白い花は、将に水の上の妖精を思わせる美しい姿です。
日本に自生しているスイレンの仲間は、「ヒツジグサ」と呼ばれるもの一種類だけだと言うことです。
「ヒツジグサ」の語源については、幾つかの辞典類や図鑑に「ヒツジグサの名前は未(ひつじ)の刻(午後2時)に花が開くことからつけられたといわれている。しかし、実際には午前中に開花する。」と言うような説明がなされているものがあります。
インターネット百科事典のwikipediaの「ヒツジグサ」の項目にも、同様の事が書かれています。
また、逆に「未(ひつじ)の刻(午後2時)に花が閉じる」ことに依る、と書かれている本もあります。
そこで、色々と調べて見たところ、スイレンの仲間の内でも、熱帯性のスイレンの中には、夜咲きの品種もあるようです。
しかし、日本に自生する「ヒツジグサ」は、午前中に開花し、午後になってから閉じて行くようです。
・・・にも拘らず「午後2時頃に開花する」と言われているのは何故なのか…何か、古い書物にでも書かれているのか…その出典は、どこにも記されていません…
そこで、明治から大正に掛けて編纂された、日本の百科全書である「古事類苑」に当たってみると、次のような記事が載っていました。
ヒツジグサハ京都ノ方言ナリ、此ノ花 ヒツジノ時ヨリツボム
この項目は、江戸時代の学者、貝原益軒の書いた『大和本草』 という書物に依るものです。
このように、江戸時代に書かれた本に、「未(ひつじ)の刻以降につぼむ」と言うことが書いてある訳ですから、「未の刻に開く」というのは、何処かで生じた勘違いなのかも知れません・・・
因みに、漢字では「睡眠」の「睡」に「蓮」と書きますが、これは午後になると花を閉じることを、眠ることに見立てての表記のようです。
池の上に、一面に咲いたスイレンからは、印象派の画家モネの絵画を思い浮かべます。
静かな水の畔(ほとり)に
白い睡蓮の花が
咲き始める頃
緩やかに過ぎて行く
時の流れの中を
たゆたうように
岸辺の径(こみち)に沿って
ただゆっくりと
歩いて行きたい
優しい白い花を
渡って来る
風に吹かれて
何処か知らない
夢幻の世界へと
融け込むように
消えて行くことを
微かに夢見ながら
今回の記事の写真は、千葉市緑区の「昭和の森」 で、撮ったものです。
「昭和の森」の存在は、ブログ仲間のmimimomo さんの記事で知って、いつかは行って見たいと思っていましたが、些か遠いような気がして、行かず仕舞いになっていました。
ところが、先日テレビのニュースで、スイレンが咲いている様子を見ている内に、父親のリハビリと気晴らしを兼ねて、行って見ようと言うことになりました。
丁度、市の社会福祉協議会から車椅子を借りていた事もあり、早速出掛けて来た結果が今回の記事です。
スイレンの咲いている「下夕田池(しもんたいけ)」へは、「昭和の森」第三駐車場からが、一番近いと言うことでした。
池に向かう通路は、割合綺麗に舗装されていましたが、緩いカーブの坂道が続いて、車椅子を押して行くには、些かの注意が必要でした。
でも、家の近くの公園のように、猛スピードで乱暴に走る自転車が来ない分は、安心していられるので、気が楽でした。
池には、大きな鯉が沢山泳いでいました。
池の側に設置された大きな看板には、池を訪れる水鳥たちの写真が掲示されていましたが、残念ながら、この日の「下夕田池(しもんたいけ)」の畔では、野鳥の姿を見ることはありませんでした
代わりにいたのは、番(つがい)のアヒルです。
とても、仲良さそうでしたが、人が近付いても、まったく恐れることもなく、落ち着いて座り込んでいました。
池の辺では、ショウジョウトンボを見掛けました。
睡蓮の花にでも止まってくれたら、絵になる写真も撮れたかも知れませんが、暫く草の上に止まっていた後に、何処かへ飛び去ってしまいました。
通路の山側の花に止まっていたのは、ダイミョウセセリです。
花は、多分ガマズミの仲間だと思いますが、葉などを分かるように撮っている余裕がなかったので、確信は持てません…
途中の通路脇の、ヘビイチゴ。
駐車場近くで見付けた、マムシグサ。
車椅子を押しながら歩いた通路沿いには、その他にも、未だ小さな蕾のホタルブクロや、マメ科のクララと思われる植物などが見られましたが、今回撮って来たのは、この程度です。
駐車場で貰ったチラシには、様々な花の開花時期が載せられていました。
以前、僕が行程を調べて見た時には、電車で行くことを想定して調べた為、些か遠いイメージがありましたが、車で行ってみると、思いの外短時間で行けることが分かったので、他の花が咲いたと言う情報を得たら、是非また行って見ることにしたいと思います。
さっき、「昭和の森」のサイトを見ると、僕が父親と行った5月23日は、数日前にテレビで紹介されたせいか、何時もより多くの来園者があったことが書かれていました。
尚、以下の写真は、「昭和の森」で撮ったものではありませんが、ここに載せないと、載せそびれることになりそうなので、少し写真が多くなり過ぎますが、載せて置くことにします。
帰りに立ち寄った、高速道路のサービスエリアにいた、ツバメです。
サービスエリアや道の駅では、何故かツバメの巣をよく見掛けます。
まだ赤ちゃんのツバメたちが、餌を運んで来てくれる親鳥を待ち侘びているようでした。
なるほど。ヒツジグサのナゾがとけてスッキリしました^^
其処へは何度か行った事がありますが、池には行った事がありません。
睡蓮もいいですが、ショウジョウトンボは今年まだ見てないので行きたくなりました♪
by ぜふ (2013-05-26 05:40)
おはようございます^^
昭和の森へ行かれたのですね~ わたくしも今年久しぶりに行きました。
4月27日のことです。5月前半の庭のあとのアップです。随分遅くなります(--;
そのころはまだ睡蓮はありませんでした。藤の花の時期。
鯉は写しています^^
ヒツジグサはわたくしは未の刻に咲くと思っておりましたよ。よかった間違いが分かりました。確かに緑化植物園の小さい水がめの中では午前中に咲いていたような記憶があります。東御苑にもヒツジグサがあると言うことですが、未だ咲いているのを見たことがありません。
by mimimomo (2013-05-26 07:28)
睡蓮が好き…と思っている割には、あまり自分はちゃんと見ていないようだと反省。
去年尾瀬でヒツジグサの葉の紅葉しているのを見ましたが、
今年はぜひ花を見たいと思っています。
by はてみ (2013-05-26 13:00)
真っ白で端整な形の花で、気品があるなぁ、と睡蓮を見ると思います^^;。
ショウジョウトンボ、宝石みたいに真っ赤ですねぇ~。
by sakamono (2013-05-26 14:22)
スイレンの漢字 初めて知りました
ヘビイチゴ 昔パクってして オエ…でした
by ねこじたん (2013-05-26 21:28)
美しい睡蓮の写真の数々、
深い空間と穏やかな時間を感じました。
いいですね~。^^
ヘビイチゴは食べられると聞きましたが、
ねこじたんさんの「ヘビイチゴ 昔パクってして オエ…でした」に
思わず笑ってしまいました。^^
by ichii (2013-05-27 07:38)
睡蓮がヒツジグサの1種という事も知りませんでしたし
ヒツジグサの語源も知りませんでした。
私も母のために車いすを押したことがありますが、
普通に歩いている時には気づかないようなことでも、
押してみると不便で、注意深く押さなければならないことが多くありました。
by きまじめさん (2013-05-27 23:48)