真夏の夜 ~アブラゼミの羽化~ [昆虫]
8月12日 21:56
庭のハランの葉に、羽化の準備に入ったセミの幼虫を見付けました。
本当は、久し振りにブログの更新をしようと思い、撮り溜めてあったセミの羽化の様子を撮った写真のサイズ変更を始めていたのでしたが、偶然見付けたこのセミの羽化の過程を記事にしようと思い、更新は延期して、写真を撮り始めることにしました。
と言うことで、以下写真が20枚以上ありますので、接続環境によっては、些か重いかも知れません。
また、虫の幼虫が好きではない方もいらっしゃるかも知れません。
それでも、もし宜しければ、続きをご覧頂きたいと思います。
22:20
藪蚊に食われながら待っていましたが、30分近く経っても羽化は始まりません。
(注:僕は藪蚊に食われても、すぐに治ってしまうという特技?を持っているので、まったく何でもありませんので、ご心配なく<m(_ _)m>)
セミは、地中から出て来てから、あちこちを歩き回って羽化の場所を定めます。
その場所にどんな基準があるのかは分かりませんが、家の庭で羽化するセミでも、柿の木の高い枝に登って羽化するものもいれば、低いハランの葉先で羽化するものもいます。
そして、これまでに何度か見て来た様子からすると、羽化する場所を定めてからも、実際の羽化の開始までには、相当な時間を要しているようです。
22:57
幼虫の背中に、細い裂け目が出来て、漸く羽化が始まりました。
最初に幼虫を見付けてから、1時間余りが過ぎていますが、僕が見付けるどのくらい前に、この場所で羽化することに決めたのかは分かりません。
最低でも1時間以上の待機時間があることは確かです。
22:57
背中の亀裂は、徐々に広がって行きます。
22:59
本当に徐々に、という感じですが、でも目は離せません。
23:00
こうして、あっという間に、頭部へも亀裂は広がります。
23:01
そして、いよいよセミの体が出て来ます。
23:05
僕は、何度も羽化の様子を見ていますが、目玉が出て来ると、何故だか安心します。
23:08
真ん丸な目玉が、可愛いと思いませんか?
23:11
出て来ると、先ずは逆さまにぶら下がります。
23:14
落ちてしまうのではないかと、心配になりますが、この過程で落ちてしまった例は、少なくとも僕は見ていません。
23:17
幼虫の姿からは、アブラゼミとミンミンゼミの違いは、殆ど見分けが付きません。
でも、ここまで羽化が進むと、この翅の様子から、アブラゼミだと分かりました。
26:26
体を後ろへ反らしたりして、まるで腹筋運動をしているみたいに見えます。
23:33
逆上がりのように、前方へ体を持ち上げ始めます。
23:33
前脚を、自分の殻の頭部に掛けて、一気に体を起こします。
23:34
前脚で体を支えながら、殻の中から尻尾を抜いて行きます。
23:34
最後は、ほんの一瞬の動きで、脱皮が終わりました。
23:37
後は、翅が伸びて、そして乾くのを待つだけです。
この時の姿を見ると、僕は何時も北の海に住むと言う「クリオネ」(正確には「ハダカカメガイ」)を思い浮かべます。
23:42
まだ、翅の先が伸びきっていませんが、ぶら下がり方が不安定に感じたのか、セミは前脚を動かして、少しだけ移動をしました。
23:48
翅は、ほぼ伸びきりましたが、この段階ではまだ、しっとりと濡れた状態です。
以前、この段階で強風に煽られて、地面に落ちてしまったセミを見たことがありますが、折れ曲がった翅がくっ付きあって、もう元には戻らない状態になってしまいました…
羽化の観察をされる場合も、この段階までのセミには、決して手を触れないで下さいね。
3月13日 0:12
もう、日が変わってしまいました。
取り敢えずここまでで、このアブラゼミの羽化の記録は終わりにします。
もう後は、朝が訪れる頃までには、この薄緑色の翅が、茶色い翅になって、空に向って飛んで行くだけです。
22:28
これは、庭のキミノセンリョウの葉で羽化していた、別の個体です。
今回のセミの羽化が始まる以前の、22時28分に撮った写真ですが、もうすっかり成虫の状態になっていました。
やがては、綺麗な薄緑色の翅が、こういう色に変わる訳です。
23:53
23時43分の写真を撮った後、近くにある何時もの公園(習志野市 藤崎森林公園)へ、真夜中の散歩に出掛けました。
そこで撮ったミンミンゼミです。
0時12分には、戻って来て最後の写真を撮っていますから、公園には10分程居ただけでしたが、カラスウリやアマガエル等を撮って来ましたので、何時かは記事にしたいと思っています。
前の記事から、もう半月が経ってしまいましたが、夏の夜に咲く花や、夏の昆虫を幾つも撮っているので、何とか記事にしなけばと思ってはいます。
追記: 夏になると、夏休みの自由研究の為の検索だと思いますが、セミの羽化に関するキーワードでのアクセスが多くなります。
今年はそんな中に、セミの羽化する時間帯を調べようとされていると思われる検索ワードがありました。
セミが羽化を開始する時間は、恐らくは個体差が激しく、夕方から深夜、或いは夜明け頃まで、幅広い時間帯にわたり、必ずしも定まってはいないようです。
また、今回紹介した例でもお分かりと思いますが、羽化の全過程は数時間にも及びます。しかも、ちょっと目を離すと肝心の過程は終わっているという、展開の激しいドラマを見ているようなものです。
神秘的とさえ言える羽化の様子を、出来れば多くの子供たちに見せてあげたいと思いますが、 夜間の野外活動には、様々な危険が付き纏います。
もし、子供たちにセミの羽化を見せる機会がありましたら、保護者の方や指導者の方には、万全の注意を持って当たって頂きたいと思います。
そうした際に、もしも少しでも役に立つことがあればと思って、今回の記事にも、それぞれの写真に時間を入れて置きました。
羽化の開始時間はまちまちですが、それぞれの過程の時間の間隔は、それほど変わらないと思いますので、観察の際の目安として頂きたいと思います。
こんばんは^^
羨ましい特技ですね~(^-^ わたくしは逆で、ずっと痒みが残り皮膚が痘痕になります(__;
しかしこれは持久力勝負というか忍耐力勝負というか~
目玉可愛いです^^
今朝、羽化してそれほど時間が経ってないような蝉が我家の柿の木のところにいました。
近づいてもまだ動けない状態だったようです。早朝に脱皮したのでしょうね。
by mimimomo (2011-08-13 18:53)
とてもいいお写真と記事
数年前に庭で蝉の羽化を撮って以来 毎年楽しみにしていた夜でした今年は我が家のあたりは ヒグラシの啼く声ばかり アブラゼミの声はあまり聞かれず またせっかく我が家で羽化しても 飛び立つことができない蝉をみて 今年は蝉にとってもつらい年のように思えてなりません
by さねさし (2011-08-13 20:24)
暗い中、きれいに撮られていますね。
しかし、26:26の逆立ち状態で、なぜ落っこちないのかとても不思議です。
どうしておしりでつかまっていられるのでしょうね?^^
(へその緒のような白い糸状のものが命綱かと思うとそうでもないようだし・・)
追伸
たまたま先週、ワタシも森林公園で羽化を目撃してアップしました。
(ちょうどお昼頃でした)
by ぜふ (2011-08-14 06:17)
セミの羽化、興味深く拝見させていただきました。
以前、写真で羽化したての羽根が薄緑色で美しいと思ったことはありましたが、
その途中の、天子の羽根のような状態は初めて見ました。
殻の中ではあのように折りたたまれているのですね。
何も知らない自分には驚きの場面でした。ありがとうございました。
by きまじめさん (2011-08-14 17:45)
ここで蝉の羽化とカラスウリの花を見ないと夏になった気がしませんね。
今年もこれでクリア。
by 春分 (2011-08-14 18:33)
セミの羽化の様子、とても美しく神秘的です。
真ん丸い目もかわいいですが、私はいつも、あの小さく畳まれたハネが立派に体を包むほど広がるのが不思議です。
by ichii (2011-08-16 19:27)
反り返るようになった後、どのようにお尻を抜くのだろう?と思っていたのですが
これで疑問が解消しました^^;。羽化したての羽が美しいです。
by sakamono (2011-08-21 14:02)