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夜の闇 朝の光 ~オオマツヨイグサとヒルザキツキミソウ~ [花]

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  オオマツヨイグサ    アカバナ科   マツヨイグサ属

 月見草、宵待ち草 などとも呼ばれますが、植物学上の正式な和名は、オオマツヨイグサと言います。

 かなり背の高くなる草で、大きいものでは160cm程にも成長します。
 夜にしか咲かない花ですが、かなり大輪の花で、直径は7cmから8cm程にもなります。
 花期も長く、6月末頃から咲き始めた花は、7月も終わりに近づいた今も、夜毎に沢山の花を咲かせ続けています。更に、まだまだ沢山の蕾も見えていますから、当分の間は咲き続けそうです。

 

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 この花の仲間は、優に百種を超える程の種類があると言うことです。
 そのすべてが、南北アメリカ大陸に由来するそうですが、この「このオオマツヨイグサ」に関しては、園芸品種として作出された可能性もあると考えられているようです。

 日本には、明治時代の初期に観賞用に渡来し、後に逸出して野生化したとされています。

 確かに、昭和40年代位までは、家の近くの空き地などに沢山の花を咲かせてくれていましたが、最近ではほぼ全くと言っていいほどに見掛けなくなりました。
 その理由は、植物図鑑等によれば、近年になって帰化した、同種の「メマツヨイグサ」に、駆逐されたことに依るものだといいます。

 写真の「オオマツヨイグサ」は、昨年の秋に南房総方面へ行った際に、道路端に沢山咲いているのを見付けて、少し採取して来た種を庭に蒔いた結果、実生で育って咲いた花です。

 オオマツヨイグサは、夕方の6時頃に開花を初め、夜明けと共に萎んで行きます。

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 朝、6:50分頃に撮ったオオマツヨイグサです。

 朝も、このくらいまでの早い時間には、まだ何とか見られますが、9時を過ぎた頃には、すっかり萎んでしまいます。

 

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  ヒルザキツキミソウ   アカバナ科   マツヨイグサ属

 今日もまた、暑くなりそうな日の、朝の陽射しを受けて咲く、ヒルザキツキミソウ。

 夜に咲くオオマツヨイグサとは対照的に、昼間に花を咲かせる同種の植物が、この「ヒルザキツキミソウ」です。
 夏の朝の眩い光を受けて、柔らかな薄桃色の花びらは、美しく輝いて見えます。

 「昼に咲く月見草」。僕は、この何とも矛盾した和名に納得が行かない為、これまでのプログの記事では、手許にある、幾つかの植物図鑑の表記に従って、主に「エノテラ」と記述して来ました。
 しかし、「エノテラ」の名はマツヨイグサ全体の属名でもあります。
 その為、オオマツヨイグサと共に紹介する今回の記事では、煩雑さを避けるため「「ヒルザキツキミソウ」と表記しておくこととします。

 

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 この花もまた、一つ一つの花は、ほぼ一日で萎んでしまう儚い生命ですが、長い花期に亘って、次々と沢山の花を咲かせる為、何だか、一つの花が、何日にも渡って咲き続けているような錯覚をしてしまいます。

 

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 花屋の店先で見付けたこの花の小さな苗を、狭い庭の外れの、私道の脇に植えたところ、こぼれ種から瞬く間に殖え広がり、日毎に沢山の花が咲き続けています。

 夏の陽射しの熱さの中、薄紅色の花の色が、不思議に涼やかに感じられるのは何故でしょうか?

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 夜に咲く花と、昼に咲く花。

 こんな写真が撮れるのは、ヒルザキツキミソウが、夜になっても咲き続けている為です。

 とは言っても、こんな風に並んで咲く姿は、実際のところあまり見ることは無いかも知れません。

 

 

 前回の更新から、一月以上が過ぎてしまいました。

 先日、暫く振りにアクセス解析を見ると、こんなに更新の頻度の少ないプログを、毎日多くの方たちが見に来て下さっていました。
 夏になったせいか、「セミの羽化」をはじめとした、昆虫記事を覗いて下さっている方たちが多いようです。
 そして、未だに「阿修羅」に関するキーワードで、ここを訪ねて来て下さる方が、数日おき程度に何人もいらっしゃることに気付き、些かの驚きと、嬉しさを感じました。

 当面は続きそうな、この慌しさのなかでは、暫くは阿修羅には会いに行けそうもありませんが、先日の帰宅後に、庭で羽化したセミを見付けました。
 羽化の過程を連続して撮れた訳ではなく、羽化後の姿を数枚記録しただけですが、せめて夏が終わらないうちには、新しい記事にしたいと思っております。

 殆ど、休止状態の僕のブログを、暖かい眼差しで見ていて下さる皆さんに、心よりの感謝を奉げます。

 

 


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コメント 7

dino-tail

子どもの頃、夜の野原に黄色く浮かび上がる姿に
幻想的な感覚を覚えたのを思い出しました。
もうちょっと小さな花だったので
メマツヨイグサの方だと思いますが…
「ヒルザキツキミソウ」…確かに腑に落ちないと言うか
キツネにつままれた…というか矛盾した名前ですね。。。
でも、昼間でも月が見えるときがあるから
真昼の月を愛でるために咲いている花ってことで
いかがでしょうか?(笑)
by dino-tail (2010-07-29 07:12) 

ゴーパ1号

マツヨイグサ、ツキミソウ…色々な事が想像出来る素敵な名前ですね。
by ゴーパ1号 (2010-07-29 09:50) 

春分

通勤路でオオマツヨイグサが咲いています。
暗い中を帰るので、車のライトに浮かび上がるのを見るのですが、
なかなかきれいです。
月夜の晩にも美しいですが、月と天気と帰宅時間がそろわないといけないし。
by 春分 (2010-07-29 11:52) 

さねさし

夢二の 宵待草が有名で ついつい 宵待草と言ってしまいますが
こちらでも 雑草のあいまに 咲いているのが車から見えるようになりました 疎開していた頃 川の土手にたくさん咲いていたこの花にいつまでたっても 郷愁を感じてしまいます 
by さねさし (2010-07-29 13:53) 

sakamono

昼咲き月見草。たしかに、ちょっとヘンな名前かな^^;?
by sakamono (2010-08-01 20:58) 

mimimomo

こんにちは^^
ピンクと黄色のお花が一緒って、確かにちょっと不思議^^
ヒルザキツキミソウも確かに名前はおかしいですね。
お庭にこう言うお花があると癒されますね~ ちょっと野性っぽいお花は
大好きです。
by mimimomo (2010-08-03 16:31) 

ichii

連日の暑さに涼の風情を醸し出す楚々とした自然の花の色。
どちらも名前と言い、色形と言い、
夕涼みの浴衣にも似た優しい佇まいです。
by ichii (2010-08-04 18:33) 

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