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風の花 ~アネモネ~ [花]

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   少しづつ ほんの少しづつ

   温かくなろうとする頃

   まだ寒い風の中に

   アネモネは花を開く


   風の名を負うその花は

      午後の陽射しを浴びて

   そっと戯れるように

   密やかな春の風に揺れる

 

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 アネモネ キンポウゲ科 イチリンソウ属

 アネモネも、前の記事の水仙と同様に、地中海地方の原産ということで、ギリシア神話にも登場する花である事は、水仙の記事の末尾に書いた通りです。

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 「アネモネ」の名は、ギリシア語で「風」を意味する、「アネモ」と言う言葉を語源としています。
 ですから、今回の記事のタイトルを「風の花」としてみました。

 

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 和名としては、ボタンイチゲ、ハナイチゲ、またベニバナオキナグサ等とも呼ばれるそうですが、あまり一般的ではないような気もします。


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 キリスト教の新約聖書の「マタイによる福音書」に、名言集や金言集などにも、イエスの言葉として紹介されることのある、次のような一節があります。

 …なにゆゑに衣のことを思ひ煩ふや。野の百合は如何にして育つかを思へ、労せず、紡がざるなり。然れど我なんぢらに告ぐ、栄華を極めたるソロモンだに、その服装(よそほい)この花の一つにも及(し)かざりき。

                         新約聖書 マタイ傳 第六章 28~29
                        
                           日本聖書協会・刊 旧新約聖書 (文語訳)

 ここで言う「野の百合」とは、実は「アネモネ」のことだという説があります。僕は、それを随分昔、多分高校生の頃に読んだ記憶があります。しかし、その記憶自体が曖昧だったので、改めて調べて見ると今もやはりそういう説が有力なようです。
 その為か、上に揚げた古い「文語訳聖書」では、「野の百合」となっている部分が、比較的新しい翻訳である「共同訳聖書」の訳文では「野の花」となっています。

 なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。

                         新約聖書  マタイによる福音書 第六章 28~29

                           日本聖書協会・刊 聖書 (新共同訳)

 因みに、この部分だけを取り上げて見ても、実際のところイエスがどんなことを告げようとしているのかは、よく分かりません。しかし、この章全体を読んでみると、キリスト教徒ではない僕には、理解し切れていない部分もありますが、「神は野の花にさえも、このような装いを与えて下さるのだから、信仰に篤い者であれば、日常生活の些細なことに、思い悩むな。信じる者には神が必要なもののすべてを与えて下さるのだから」と、そんなことを伝えようとしているようです。



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 アネモネには、様々な色の花があり、八重咲きの種類もあります。
 しかし、アネモネの花びらに見えるものは、本当は花びらではなく、ガクにあたる部分です。



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 花びらは、元々は葉の変化したものであるという説があります。
 ガクもまた同様ですが、形態的にはより葉に近い物だとも言えると思います。



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 実は、今年最初に咲いたアネモネに、それを証拠付けるような事が起きていました。



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 花の真下に付いた葉の一部が、花と同じ姿に変化しています。

 不思議に思ったので、ネット等で色々調べてみましたが、残念ながら、どうも然程珍しい現象ではなさそうです。


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 四月も後半を過ぎましたが、何だか妙な天候が続いています。
 真冬のように寒くなったり、五月頃のような気温になったり…。
 実は、僕も久し振りに、些か酷い風邪をひいてしまいましたが、この気温のせいで、色々な花たちも、咲くのが遅れたり、散りそびれたりと、どうにも戸惑いを隠せない状況にあるようです。



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 家のアネモネも、地植えのものも鉢植えも、その根元近くに、未だ咲きそびれているのか、新しい蕾が沢山見えています。

 まだ暫くの間は、アネモネの可憐な花を楽しめそうです。

 

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 僕のひいた風邪は、大分良くなって来ました。

 どうか、皆さんも、不安定な天候の中、健康には充分に気を付けて頂いて、僕のように風邪などをひかないように、なさって下さい。


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コメント 8

mimimomo

おはようございます^^
アネモネは綺麗ですよね~ 一度我が家に植えましたが、球根が腐って解けてしまったらしく、2年ほどしか持たなかったように覚えています。案外気難しいお花でしょうか>
ところでツワブキはどうなっていますか? メッセージが使えなくなって不便ですね。
by mimimomo (2010-04-23 08:55) 

ゴーパ1号

アネモネのあるお庭、すてきですね^^
球根だけだと、この可憐なお花は想像出来ませんけれど^^;
by ゴーパ1号 (2010-04-23 22:38) 

HEIJI

横から見たアネモネはいかにもイチリンソウの仲間という感じがしますね。
葉が花のように変化するのは、実際には見た事がありません。
本来は不完全なものなのでしょうけれど、ワンポイントのようで綺麗ですねー。
by HEIJI (2010-04-25 02:32) 

sera

アネモネ、、、きれいですね~
庭にこんなのが咲いたらいいですね♪

不忍池のユリカモメは夏頭になりましたよ~
今まだたくさんいます。
by sera (2010-04-26 21:44) 

gillman

アネモネ。何の邪心もない原色。

by gillman (2010-04-28 11:34) 

ばん

一番最初のお写真の色が大好きです。
by ばん (2010-04-28 17:36) 

さねさし

美しいですね 特に私は8枚目9枚目のお写真に釘付けになりました
by さねさし (2010-05-24 20:36) 

釣鐘草

はじめまして。
美しいアネモネ、沢山の写真を拝見して、幸せな気持ちになりました。
ところで聖書の「野のユリ」ですが、カンパニュラ(釣鐘草)のことだと、高校生の頃神父様に教わり、そのままずっとそう思っていました。
アネモネだったのかしら……私も調べてみますね。
by 釣鐘草 (2011-04-28 21:23) 

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