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花の季節-樹木編- [花]

古典文学の世界などでは特に、「花」と言えば「桜」を指すことが多いように思います。

けれども「春」のこの季節、咲いているのは桜ばかりではありません。

都内近郊では、八重桜などの一部の品種を除けば、桜も殆ど散ってしまった今、春を彩る桜以外の花たちを集めて見ました。

記事の更新が、相変わらず滞っている内に、現実にはもう盛りを過ぎてしまった花や、桜と共に散ってしまった花もありますが、春の間に目にした花たちを、宜しければご覧下さい。

先ず初めは、樹木編からです。

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  ハクモクレン  モクレン科 モクレン属

白い鳥たちが、一斉に羽ばたくかのように、白い花は空に向かって開きます。

遠い空に憧れて、飛び立つ時を夢見る、白い花びらの翼。

 

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  コブシ   モクレン科 モクレン属

中国が原産の「ハクモクレン」に対して、「コブシ」は元々日本に自生していた植物です。

稲作の準備に、田圃を耕す頃に咲く為、「田打ち桜」の別名もあります。

 

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  モモ  バラ科  サクラ属

「桃」ですが、食用の桃ではなく、花を観賞するための「ハナモモ(花桃)」です。

この木は、枝垂れて咲く「シダレモモ」。
上野の「国立西洋美術館」の正面に咲いていましたが、もうそろそろ終わりになる頃です。

 

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  ユキヤナギ  バラ科  シモツケ属

春に咲くと言うのに、雪の名を負う小さな花です。

恐らくは、その花の白さから、雪の名を付けられたのでしょうが、手で触れれば、ほろほろと零れ落ちてしまいそうにも思える風情もまた、淡雪の儚げな印象を呼び起こしたのかも知れません。

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  ヤマブキ  バラ科  ヤマブキ属

「七重八重…」の和歌の為に、実が成らない事で知られている「ヤマブキ」ですが、一重のこの花には「痩果(そうか)」と呼ばれる、一個の種子を持った実が実ります。

八重咲きのヤマブキに実が成らないのは、八重咲きの花の沢山の花びらは、雄蕊の変化したものだからです。
八重咲きでも、雄蕊を持つ花もありますが、山吹の雄蕊は殆どすべてが花びらに変化してしまっているため、花粉が無いので受粉が出来ず、実が成らないという訳です。その代り、ヤエヤマブキは、地下茎を延ばして増えて行くそうです。

 

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  フッキソウ  ツゲ科 フッキソウ属

公園や、庭園の木の下に、地面を覆うようにして植えられているのを良く見掛けます。
だから、園芸品種かと思っていたのですが、本来は山地などに自生している植物だということです。

草のように見えるのですが、僕が最初にこの花の名を目にして図鑑で調べた折、そこには「常緑草本状低木」と書かれており、これが「木」であるらしいことを知って、些か驚いた記憶があります。(因みに、この植物の名を最初に目にしたのは、So-netブログ仲間のmimimomoさんのブログでした。)

ところがその後、別の図鑑や事典類を見ると…。
本によって、「低木」としてあるものも、「多年草」としてあるものもあり、どう解釈したらよいものやら、解らなくなっているのが現状です。
ヤマケイポケットガイド・11「庭の花」には、「常緑草本状低木」とあります。
平凡社の「世界大百科事典」DVD版でも、「常緑低木」として載っています。
ところが、同じDVDに収められている、平凡社の簡易型の百科事典「マイ・ペディア」には、「常緑多年草」としてあります。
そして、小学館の「スーパー・ニッポニカ」では、「常緑多年草」。広辞苑もまた、「常緑多年草」派です。
念のために、ネット上の「Wikipedia」を見てみると、こちらは「常緑低木」派でした。

という訳で、僕としても、当然結論は出ていません。
それ程に、植物や生物の分類というのは、難しいものだということでしょうか…。

でも、取り敢えずは、最初に見た図鑑の表記通りに、「樹木」の仲間として、ここには紹介しておきます。

ところで、「フッキソウ」とは、「富貴草」と書きます。
その謂われは繁殖力の強さによるものと言われていますが、あまり良くはわからないようです。

 

参考図書

庭の花 (ヤマケイポケットガイド)

庭の花 (ヤマケイポケットガイド)

  • 作者: 鈴木 庸夫
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
庭木・街路樹 (ヤマケイポケットガイド)

庭木・街路樹 (ヤマケイポケットガイド)

  • 作者: 金田 洋一郎
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


世界大百科事典 第2版 プロフェッショナル版―CD-ROM+DVD-ROM

世界大百科事典 第2版 プロフェッショナル版―CD-ROM+DVD-ROM

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本

スーパーニッポニカ・ライト/Win

スーパーニッポニカ・ライト/Win

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本

広辞苑

広辞苑

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: ハードカバー

 


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じゅんぺい

ご無沙汰していますm(_ _)m
お花がいっぱい!!うれしい季節になりましたよね(^-^)
by じゅんぺい (2008-04-14 05:00) 

はるまきママ

サクラもいいですが、コブシの大木などを見ると春の訪れを
実感します。^^
ユキヤナギは真葵も好きなようで、見かけると必ず近寄って
いきます。
白い花がまぶしい季節になりましたね。
by はるまきママ (2008-04-14 12:13) 

SilverMac

春の花オンパレードですね。今年、白木蓮は摂りそびれました。

by SilverMac (2008-04-14 12:45) 

mimimomo

こんにちは^^
ハクモクレンやコブシは白さが綺麗ですね~花が大きいからか
ユキヤナギとは全く異質な白さに感じます。大きさ=強さ?@@)
ユキヤナギは儚げな印象~
フッキソウは分からないですね~ 『ソウ』ですが草ではなく樹木であると、何かの本で読んだ記憶が。
でもわたくしの持っている本には草花の中に収められいます(--)
by mimimomo (2008-04-14 14:44) 

penpen

どのお花も綺麗ですね。また解説も楽しみです。以前にモクレンとコブシの違いも教えていただきましたね。今回フッキソウはmimimomoさんにも雄花雌花を教えていただきましたし、とってもお勉強になります。牧野植物図鑑を調べてみました。それには常緑の多年草とありました。
by penpen (2008-04-14 20:28) 

sakamono

「白い鳥たちが、一斉に羽ばたくかのように」というところには、まったく同感です。まさに、その通りに見えます。ユキヤナギもこうしてアップで見ると、また違った味わいがあります^^。
by sakamono (2008-04-14 22:25) 

sanesasi

桜 桜ともてはやされると 桜以外の花に目がついつい浮気してしまいます

桜の花も終わろうとすると 新樹の芽吹きの緑に目が吸い寄せられてしまいます
本当に春はいいですね
by sanesasi (2008-04-14 23:21) 

lapis

ヤマブキの黄色、本当に鮮やかですね!
こちらの方では、多分、ゴールデンウィークにならないと咲かないと思います。
やはりそちらの方が季節が進んでいるようです。
by lapis (2008-04-14 23:22) 

koyuri

私はハクモクレン見ると、「別れの季節か~。」って昔から思っちゃいます。
でも、今年は咲いてるとこ、そんなに見なかったな~。
by koyuri (2008-04-19 20:25) 

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