幼い赤とんぼ <アキアカネ> [昆虫]
アキアカネ 秋茜蜻蛉 トンボ目 トンボ科
ヤゴから羽化したばかりなので、まだ赤くはありませんが、赤とんぼの一種の「アキアカネ」です。
夕陽を受けた透明な翅が、きらきらと輝いて、とても綺麗でした。
「アキアカネ」と言うトンボは、水中に棲むヤゴが六月頃に羽化して、成虫になります。
成虫に成りたては、全体が黄色っぽい色をしているので、とても赤とんぼには見えないと思います。
尚、尻尾に付いているゴミのようなものは、羽化の時に残った、抜け殻の一部かも知れません。
羽化した後は、気温の上昇とともに、高地へ移動して行きます。
アキアカネは暑さに弱く、気温が30℃を超えると、生息が難しくなるので、暑いうちは山へ避暑に出掛けるのだそうです。
やがて、涼しくなった頃に、「赤トンボ」になって下界へ降りて来ます。
この「アキアカネ」によく似たトンボに「ナツアカネ」がいます。
夏とか秋とか、季節にちなんだ名前が付けられていますが、実は活動期間は、どちらも殆ど変わりません。
ただ、「ナツアカネ」は、夏の暑い時期も平地で過ごせるので、夏にも人の目に触れることが多くなります。
それに対して、「アキアカネ」は、赤くなってから人里に下りて来るので、人間の側からすると、秋になって急に現れることになります。その辺りの違いが、名前にも影響しているようです。
「ナツアカネ」と「アキアカネ」。
特に、羽化したては、とても良く似ています。
でも、ちょっとした見分け方があります。
どちらも、昨年の秋に撮った、成熟したオスの写真で説明します。
先ず、「アキアカネ」は、胸部側面の模様の、上の写真の白丸を付けた部分が、ちょっと尖っています。
また、成熟したオスも、胸の部分は赤くなりません。
(メスは成熟しても黄色いままです)
次に、「ナツアカネ」は白丸の部分を、上↑と見比べると、模様の先端が尖っていません。
そして、成熟したオスは、胸や頭まで、ほぼ全身が赤くなります。
(メスも、腹部の背面は赤くなります)
ナツアカネは、アキアカネに比べると、少し小振りになりますが、これは両者を比較して見ないと分かりませんし、個体差もあるので、見分け方としては、あまり適さないように思います。
と言うことで、一枚目を拡大して見ると、胸の模様から、これは「アキアカネ」であることが分かります。
赤とんぼの仲間は、他にも何種類もあるのですが、秋に赤くなる、代表的な赤とんぼは、この二種類と言っていいと思います。
翅の端にある斑紋なども、見分ける基準の一つですが、もし赤とんぼを近くで見る機会があったら、よくよく観察してみて頂けたらと思います。
参考文献
トンボ入門 新井 裕 著 どうぶつ社
校庭の昆虫 田仲義弘・鈴木信夫 著 全国農村教育協会
ドキドキします。
by uminokajin (2006-07-09 08:35)
トンボのショーを見ているようです~~♪
とんぼのめがねは・・・と歌ってしまいました。
なかなかこのようには観察できないですよね。
なんかうれしかったです^^
by YAYA (2006-07-09 09:40)
この見分け方、よっぽど間近で見ないと難しいですね。
ナツアカネというトンボは知りませんでした。そんなに似てるんだ。
私も今年はいささか暑さにまいっていて、生息が難しくなっているので、
山に避暑に出掛けたいです(^^)
by はてみ (2006-07-09 09:40)
羽が光り輝いてますね。キレイです。
by atom (2006-07-09 11:53)
赤とんぼ は故日比野五鳳先生が書かれた有名な作品があります その作品を持っておられる先生が 今度東京都博物館に寄贈されることになりました
夕焼小焼の赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か
いくど見ても いいお作品で 勉強になっていたのですが 赤とんぼが見られる頃 またこちらへお寄りいたします
by さねさし (2006-07-09 13:48)
同じように見えても、違うのですね。
by Silvermac (2006-07-09 14:41)
羽のきらきら とてもきれいですね^^
子供の頃は、捕まえるのに必死でどんな姿をしているか。。。など気にしていなかったんだなぁと思いました
by あやこ (2006-07-09 18:21)
赤トンボは、秋のものと思っていましたが、山に避暑に出かけていたとは、
知りませんでした。
by INOUE (2006-07-09 19:11)
すごい!こんなにはっきりと撮れて!!<m(__)m>
羽根のつくところ、こんなに複雑ですね~初めて見ました。
顔もすごい~(^_^)v
by sera (2006-07-09 21:21)
数日前から 赤とんぼが飛んでいるのを見かけます。
ナツアカネという種類なんですね。こんな違いがあるのを初めて知りました。
by タックン (2006-07-09 21:34)
面白いものですね。耐暑性は何によるのでしょう。
近年は特定の種類を決めて遺伝子全解析をしていますね。
そのうち、トンボの遺伝子解析も進むかもしれません。そんなことも考えます。
by 春分 (2006-07-09 21:35)
こんなにくっきりとしたトンボの表情が見れて、あらためて、トンボに愛着がわいてきました。
by (2006-07-09 21:53)
おはようございます^^
なるほど、そういう違いがあるのですね~。でもわたくしの写真の腕くらいではそこまで観察するのはきっと難しいでしょうね・・・
by (2006-07-10 05:29)
う~ん、すごい。こんなところで見分けるとは。
今の時期に見かける黄色っぽいトンボはアキアカネかもしれないんですね。秋に出てくるように思ってました。
by sakamono (2006-07-10 07:26)
赤とんぼは、昔も今も愛される存在ですね。
アキアカネは暑い時は避暑ですか。うらやましいです。
今度から胸の横を、気を付けて見ます。
by ミヤ (2006-07-10 10:12)
一昨日、琵琶湖畔をハーレーで走ってたら沢山のアキアカネを見かけました。
秋のものだと思ってたので、意外でした。6月から羽化するのですね。確かに私が見たのは黄色っぽかったです。赤くなった頃にも出会ってみたいです。
by barbie (2006-07-10 12:51)
このあたりでは「ナツアカネ」が乱舞しています。
車で走ると、バシバシと音がするくらい当たるんですよ^^
by Baldhead1010 (2006-07-10 14:20)
写真だとくっきり違いが分りますね!!
み〜んなひっくるめて、赤とんぼと思ってましたが,今度見つけたら注意深くみてみます。
最近我が家のベランダでもトンボを見かけますが,黄色くも赤くもないかな^^;
マクロ写真は、仮面ライダーそのものですね^^
by mippimama (2006-07-10 15:13)
なるほど、孵化したては緑がかってますね、昆虫はみんな同じ感じですね^^
最近は、ハスの花でよく見かけます^^
by shareki (2006-07-10 20:28)
トンボ博士。
昨日井の頭公園で羽化したばかりでまだ飛ぶ準備中のヤンマを発見。
目は瑠璃色で体の羽根の付け根にターコワイズブルーの模様。体長は約10センチ。
こんな時に限ってカメラを持ってなかったのです。残念。携帯の写真じゃね。
by (2006-07-10 22:16)
最近家の周りでよくトンボを見かけるのですが、そういうことなら今度
じっくり観察してみたいと思います。
トンボの羽や目がキラキラと輝いていて素敵な写真ですね!
虫嫌いの私も思わずうっとりしてしまいました。
by はるまきママ (2006-07-11 11:18)
凄い、こんなに近くでトンボを見たのは初めてです。
複眼が七色に輝いていて美しいですね。
細部を見れば、はっきりと種類が見分けられるんですね。
勉強になりました。
by じゅん (2006-07-11 20:09)
夕焼け色に輝くアキアカネの翅は、美しいですね!
特に一番最後の写真は見入ってしまいました。
僕もアキアカネと同じで、気温が30℃を超えると、生息が難しくなるのでこれからの季節困ってしまいます。(笑)
by (2006-07-12 00:47)
見分けるのは、近くでじっくり見ないと難しそうですね^^;
「夕焼け小焼けの赤とんぼ~♪」はどちらのトンボでしょう??
by (2006-07-12 03:41)
トンボに詳しいですね。
by マイケル (2006-07-15 12:39)