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二上山 にて [歴史・伝説]

                            ツマグロヒョウモン  鱗翅目 タテハチョウ科

この『ツマグロヒョウモン』の生息域は、東海から近畿・四国・九州 だということです。
つまり、関東地方には住んでいません。

実は、この写真を撮った場所は、奈良県です。
四年前の七月の半ばに、『二上山(ふたかみやま、または にじょうさん)』の山頂近くで撮りました。

『ツマグロヒョウモン』は、翅の模様が雌雄で、まったく異なっています。
この個体は、雄です。

 

 『二上山』は、古来より『ふたかみやま』と呼ばれていたと思うのですが、『にじょうさん』とも、呼ばれています。

この山の名前は、山頂が「雄岳」と「雌岳」の二つあることに依っています。
山にあった案内板に依れば、「雄岳」が517m「雌岳」が474.2mだということです。

この山の頂上付近には、義理の母親とも言える持統天皇に謀反の嫌疑をかけられて、非業の死を遂げた、大津皇子の陵墓があります。

 百伝ふ磐余(いわれ)の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ
                  大津皇子 辞世  万葉集 巻三

大した標高でもないので、その場で思い立って登ってしまったのですが、それまでに散々歩いて来たことと、暑さの為に途中でバテそうになりました・・・。
山道も、思ったより急な場所や、湧き水で滑るところもあります。
上の写真のような、岩の露出した細い道も、かなり長く続いていました。

 


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コメント 17

ツマグロヒョウモン、はじめて見ました。美しい蝶ですね!
大津皇子の陵墓の近くに生息しているという事を知ると、趣もいっそう増すような気がします。偶然ですが、僕も今、蝶は死者の魂と結びつく場合が多いというような記事を書いたばかりです。
by (2005-07-22 01:20) 

HAL

関東に来ることはないのでしょうか?
水中では温暖化の影響で、今まで伊豆では越冬できなかった黒潮にのってきた南のサカナが越冬するようになりました。
10年前とは違う伊豆になってます。(^_^)
by HAL (2005-07-22 01:34) 

albireoさんは本当にいろんなことをご存知ですね~。蝶のお写真もいろいろお撮りになるし、うらやまし~です
by (2005-07-22 08:46) 

あやこ

豹紋なのですね^^
山道。。。というか、崖のぼりですね(^^; お疲れさまでした。。。怪我などされなくてよかったです。。。
持統天皇と、言うと、百人一首の歌を思い出します。
by あやこ (2005-07-22 12:28) 

じゅん

僕は関東ですが、確かに、あの蝶は見たこと無いですね。

あんなところを登ったんですか?多分僕には無理ですw。
by じゅん (2005-07-22 13:36) 

Silvermac

四国ではよく見かけます。私も撮ったことがあります。
by Silvermac (2005-07-22 17:55) 

albireo

◇ lapis さん ありがとうございます。
雄の蝶でしたし、大津の霊魂かも知れなかったですね・・・。
二上山の麓には、大津の同母姉 大伯皇女の歌碑もありました。
うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟(いろせ)と我が見む

◇ HAL さん ありがとうございます。
地球温暖化の影響を考えると、あり得る事かも知れません・・・。
事実、テントウムシの模様の変化の地域差は、移動して来ているそうです。
ある意味では、恐ろしいことですね・・・。

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
この蝶の雌の写真を、mimimomoさんは、福岡で撮られていると思います。
以前の記事に載せられているのを、拝見した覚えがあります。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
そうです。言ってみれば「豹柄」ですね。
崖のぼりという程は、きつくありませんでしたが、湧き水で滑る場所が、ちょっと怖かったです・・・。
持統天皇の歌は、
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
でしたね。

◇ じゅん さん ありがとうございます。
山を降りるとき、かなり年配の人たちの一群と出会いましたよ。
もっとも、「この人たち、どうやって登って来たのだろう?」と、いうような足取りで、「お先にどうぞ」と言われても、追い越すのは、とても大変でした・・・。

◇ SilverMac さん ありがとうございます。
そうでした。先日HPにお邪魔したとき、確かに拝見しています!
by albireo (2005-07-22 19:09) 

koza

最後の写真に魅入られた…。
どれくらいの細い道なんでしょう?
by koza (2005-07-22 19:54) 

albireo

◇ こざき さん ありがとうございます。
山を降りるとき、年配の人たちの一群と出会い、「お先にどうぞ」と言われて、追い越させて貰ったのですが、その度に歩みを止めて、避けてくれていました。そのくらい、狭い道幅です。ただ、この辺りはそれ程急勾配ではありませんでした。
記事に、「思ったより急な場所や、湧き水で滑るところも・・・」と書いた辺りでは、木や岩につかまりながらでした。ですから、写真を撮るどころではなかったので、写真はありません・・・。
by albireo (2005-07-22 20:27) 

ナナ

ツマグロヒョウモンの写真、何となく、飛行機のような完璧さがあっていいですね♪
二上山の話を読むと、ちょっと切ない気分になりました。

元彼が、どうも別の人と結婚することにしたそうです。
でも、何というか。
悲しいわけでもなく。
不思議な気持です。
by ナナ (2005-07-22 22:11) 

penpen

綺麗な蝶々ですね。羽の広げ方がまっすぐで綺麗です。山道大変ですね。私は手すりのない山道は苦手です。特に降りる時が怖いです。
by penpen (2005-07-22 22:34) 

albireo

◇ ナナ さん ありがとうございます。
このチョウは、どうもこんな形で止まるようです。
本当は、大津皇子のお姉さんの詠んだ歌が、もっと切ないのですが、記事としては書きませんでした・・・。
元彼の件は、それでもやっぱり切ないでしょうね・・・。
でも、相手の気持ちが解からないままでいるより、ナナさんとしたら、気持ちの上での終止符を打ち易いのではありませんか?ちょっと、自分の記憶とタブって胸がキュンとしました・・・。

◇ penpen さん ありがとうございます。
このチョウはこちらにはいませんが、 penpenさんのお宅の方にはいると思います。
実は、写真に撮った道より、写真に写っていない道の方が大変でした。
一応、ハイキングコースらしいのですが、湧き水で滑る場所は怖かったです・・・。
by albireo (2005-07-22 23:11) 

atom

ツマグロヒョウモン、キレイな蝶ですね。シャープで黄金色に光った羽が美しい。
by atom (2005-07-23 04:04) 

すごい名前ですね。
二上山と、雌岳雄岳の話、勉強になりました!
岩だらけの道だったんですね。大変そう・・・
by (2005-07-23 11:24) 

albireo

◇ atom さん ありがとうございます。
これは雄ですが、図鑑で見ると雌は、ちょっとアカタテハにも似ているようで、もっと綺麗です。

◇ 理恵子 さん ありがとうございます。
「ツマ」というのは、着物の裾のことで、黒いので「ツマグロ(褄黒)」、翅の模様が「豹柄」なので「ヒョウモン(豹紋)」です。
大津皇子の話、こういう歴史のことも、少しは参考になりますか?
by albireo (2005-07-23 13:28) 

puripuri

綺麗ですね、こうしてじっとしていたのでしょうか? albireo さんを待って
いたかのように・・・。 昔は親子・兄弟でも政権争いで討ちつ討たれつで
今はなんでしょう、、遺産相続の争いかしら。辞世の句ー悲しいですね。
by puripuri (2005-07-25 01:05) 

sera

ゴツゴツ岩の道、いいですね~奈良ですか、、、
by sera (2005-07-25 20:24) 

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