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浦島太郎の釣糸 [野草]

浦島太郎は、浜で子供たちにいじめられている亀を助け、そのお礼にと、海の底の竜宮城へ招待されました。
そこで歓待を受け、3日間を楽しく過ごした後、乙姫様から玉手箱を貰って、帰って来ました。
ところが、地上に戻って見ると300年の時が過ぎていて、誰一人顔見知りの人もいなくなっていました。
太郎は、悲嘆して玉手箱を開けると、中から出て来た白い煙に包まれて、あっと言う間に白髪のお爺さんになってしまいました。

「万葉集」や「丹後国風土記」に見える浦島太郎の物語は、もっとも有名なお伽噺の一つとして、日本中に知られています。

      

 ウラシマソウ

      

この「ウラシマソウ」という植物の名前は、この「浦島太郎」の物語から付けられたと言います。

     

この植物の、花に当たる「肉穂花序(にくほかじょ)」と言われる部分から、紐のような物が伸びています。
これを、浦島太郎の釣り糸に喩えて、「ウラシマソウ」と名付けられたのだそうです。
この「釣り糸」の長さは、個体差があるようですが、40cmから70㎝ほどもあります。

      

                        この部分が「釣り糸」

        

植物の名前には、想像を絶するものが多々ありますが、これはユーモラスで、可愛い方かも知れません。
しかし、昔の人の発想には驚かされます。

ウラシマソウは、サトイモ科の植物です。
近縁種に、テンナンショウやマムシグサなどがあります。

      

「肉穂花序」を包む筒のような部分を「仏炎苞(ぶつえんほう)」と言います。
上は、その中の写真です。

 

「ウラシマソウ」はあまりにも地味なので、おまけに少し明るい色の花です。

      

カラスノエンドウ  マメ科

 

      

 ヘビイチゴ  バラ科 


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コメント 23

小心者の私は これに野原で出くわしたら ヘビかと思って走って逃げそうです。
でもヘビイチゴ かわいい♪
by (2005-05-01 16:53) 

penpen

昔の人は上手に名前をつけられるのですね。お話を聞いてなるほどって思います。親しみもわきますね。下のお花も淡い色合いでなぜかほっとしますね。
by penpen (2005-05-01 17:31) 

うっぴぃ〜

PETAMUN_R も山で遭遇。見た目はウラシマソウなんてすが、それを決定付ける釣り糸が出ていないんです。こちらは、立派に・・。で、テンナンショウかマムシグサかなって思ってみたのですが、なんとなく様子が違うみたいな・・・。そのうちUPしますので、いつになるか分りませんが、ご意見してくださいねっ。! んっ、しかし、The 浦島マンって装いしてますね。
by うっぴぃ〜 (2005-05-01 19:26) 

すごい!面白い名前ですね。初めて知りました。こういうのに詳しくなりたいなぁ。
ヘビイチゴもカラスノエンドウも可愛い!もう夏かなと思うほど暑いですけど、春の彩りはまだ残ってますね♪
by (2005-05-01 20:11) 

shareki

ウラシマソウは初めて見ました、古代からそのままの姿って感じがします。
カラスノエンドウ、小さいのにくっきり撮られてますね♪
by shareki (2005-05-01 21:13) 

IXY-nob

ウラシマソウは初めてでした。下に垂れた部分を釣り糸と見立てて、さらにそれを浦島太郎につないだ方の想像力の豊かなこと・・でも、なんともいえない色合いですね。
by IXY-nob (2005-05-01 23:01) 

atom

本当に釣竿持ってますね。葉の下に隠れて咲いて、地味な色の花ですが、秋には赤い実を付けるそうです。
by atom (2005-05-02 01:49) 

micron

想像力が豊かでないとこの名前は付けられませんね。
何度見ても不思議な植物。ナゾが多いですね。
ヘビイチゴの花かわいらしいです!色も優しいけれどもハッキリしていて。
by micron (2005-05-02 04:22) 

ウラシマソウはわたくしも見たいと思っていたものですが、運よく今年は二ヶ所で遭遇することが出来ました。そしてまたこちらのブログでも、もっと分かりやすく画像が貼られていて、ありがたいです。
by (2005-05-02 08:30) 

じゅん

これは熱帯の食虫植物のようですね。
日本にこんな植物があるとはびっくりです。
自分の周りすら、まだまだビックリが眠ってるんでしょうね
by じゅん (2005-05-02 10:06) 

はるまきママ

ウラシマソウ、初めて見ました。
albireoさんの野草の知識もすごいですね・・・すばらしいです。
カラスノエンドウ、私はこんなに可愛く写真が撮れませんでした。(-_-;)
by はるまきママ (2005-05-02 11:57) 

ウラシマソウ、図鑑ではこんな花あるんだなと思ってたんですが、実際咲いているのははじめてです。
あんまりひっそり咲いているので、見落としてしまいそう。
by (2005-05-02 12:13) 

こういうネーミングはいいですね。
「ジゴクノカマノフタ」とかよりも。
by (2005-05-02 12:58) 

albireo

◇ すずめ さん ありがとうございます。
子供の頃から、よく見ているのですが、ちょっと気味の悪い感じはします・・・。

◇ penpen さん ありがとうございます。
それにしても、不思議なことを思い付くものだと感心します。

◇ PETAMUN_R さん ありがとうございます。
この種類は、地方によってかなり変化があるようです。UPされたら、拝見させて頂きます。

◇ 理恵子 さん ありがとうございます。
不思議な名前でしょう?沢山見て、図鑑で調べているうちに、段々解かるようになって来ます。

◇ 渋樹 さん ありがとうございます。
子供の頃から見慣れているので、ご存知のない方が多いことを知って、ちょっと驚いています。

◇ IXY-nob さん ありがとうございます。
昔の人の想像力には、本当に驚嘆しますね!

◇ atom さん ありがとうございます。
比較的に家から近い所にありますから、秋になったら実の方も撮影して来たいと思っています。

◇ micron さん ありがとうございます。
ちょっと信じられないような発想ですが、本当にすごいと思います。

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
子供の頃から、近くの藪でよく見ていましたが、写真に撮ったのは多分初めてです。
何となく、気味の悪い感じがするものですから・・・。

◇ じゅん さん ありがとうございます。
不思議な姿をしていますよね・・・。その上、名前まで不思議な感じがします。

◇ はるまきママ さん ありがとうございます。
不思議な植物ですよね。
カラスノエンドウは、十五枚くらい撮って、やっと一、二枚ましなのがあったと言うのが真実です。

◇ min さん ありがとうございます。
二枚目と五枚目の写真は、小さな丘の斜面で撮ったのですが、確かに気を付けて見ないと、気が付かないかも知れません。

◇ tanaka-ma3 さん ありがとうございます。
確かに、ユーモラスな感じがして、親しみは湧きますね!
でも、花の方は「ジゴクノカマノフタ」や「ラショウモナカヅラ」の方が可愛いですけれど・・・。
by albireo (2005-05-02 15:05) 

runex

うらしまそうに出会える薮が近所にあることが、うらやまし〜い。
それにしても、よいたたずまいの植物ですね。
私は、未だ実物に遭遇したことがないのです。
by runex (2005-05-02 16:25) 

あやこ

肉穂花序がおじいさんのヒゲのようなので、ウラシマソウというのかと思ってしまったのですが、全然違いましたね(^^;;
ヘビイチゴの花は黄色いのですね!花びら同士が離れた感じになっているのですね。。。
by あやこ (2005-05-02 17:26) 

ナナ

すご~い☆
その名付け親の発想力に感激です!
きっとその人はメルヘンな人だったんだろうなぁ....
んでも、きっと学者なんだろうし....よっぽど白ヒゲが似合う人だったのかもしれませんね
by ナナ (2005-05-02 19:18) 

斉藤ようこ_nina

ウラシマソウ、初対面です。いろいろなネーミングがあるものですね。
カラスノエンドウは昔住んでいた広島で、となりのおばちゃんが上手に「豆笛」を作ってならしていたのを思い出しました。
私は、何度トライしてもダメでした…(笑)
あれって、どうやってならしてたのかなあ、と思います。
by 斉藤ようこ_nina (2005-05-02 21:37) 

ユイリ

Σ(゚Д゚)!
はじめてみました!!
すごいです。
いろいろな物語があってすてきだなぁ☆
by ユイリ (2005-05-03 00:48) 

満月堂

ああー!やっぱりマムシグサと親戚だったのかぁ!似てるのも道理ですね。
カラスノエンドウとヘビイチゴは好きな花です~♪
ヘビイチゴは土手から掘り出して、わざわざ庭に移植したことがあるほどです(笑
黄色い花も赤い実もかわいいですよね^^(食べられないけど…。
by 満月堂 (2005-05-03 17:55) 

albireo

◇ runex ありがとうございます。
ウラシマソウは、子供の頃からよく見ています。
でも、今回記事にしてみて、野草好きな方でも、あまり見たことがないという方が多く、案外見る機会の少ない植物なのかも知れないと、初めて分かりました。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
しかし、改めて見ていても、不思議な発想に感心します。
そう言えば、食べるイチゴは白い花ですね・・・。

◇ ナナ ありがとうございます。
本当に、不思議です・・・。どうしたら、こういう発想が出来るのか・・・。
どんな人が名付け親なのか、一遍会ってみたい気がします。

◇ ひなぐま ありがとうございます。
植物の名前って、不思議なのが多いです・・・。
「豆笛」面白いですね!どうしたら鳴るのが、教えて欲しい気がします。

◇ ユイリ ありがとうございます。
確かに、命名の由来は、色々な物語に係わるものが多いと思います。

◇ 満月堂 ありがとうございます。
マムシグサの近縁種の植物は、案外沢山あるようですよ。
ヘビイチゴは、子供の頃には、毒があると聞いていたのですが、毒はないらしいですね。
でも、食べても美味しくないと聞きました。
by albireo (2005-05-05 16:37) 

beer

ウラシマソウは可愛いですね。
結構、植物のネーミングの付け方って色々ですね。
ヘビイチゴの写真が一番好きです。
可愛い!!
by beer (2005-05-07 11:29) 

albireo

◇ beer さん ありがとうございます。
可愛く見えますか?
子供の頃は、何となく不気味であまり触った事がありませんでした。
beerさん、黄色い花が、お好きでしたね!
by albireo (2005-05-07 13:46) 

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