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狐の孫と古代建築 [花・昆虫]

 

      キツネノマゴ  狐の孫  キツネノマゴ科 キツネノマゴ属

『キツネノマゴ』という名前に就いては、「由来は良く分らない」としている図鑑と、「花穂の様子が、狐の尻尾に似ていて小さいから」と、している図鑑があります。

花の名前で、「何かに似ているから」というものは、例えば、歌手の物真似と一緒で、似ていると言えば、似ているけれど、似ていないと言えば似ていない・・・そんな感じがすることが多いような気がします。

花の大きさは、7~8mm程ですが、よく見ると小さな模様が見えます。
この模様を「蜜標」と呼び、これを目印に、虫たちが集まって来るのだそうです。
つまり、この植物は昆虫によって受粉をする「虫媒花」なのです。

 蜜を求めてやって来た、シロチョウ科のチョウ。

こちらは、シジミチョウ科のチョウですが、裏面の模様の並び方から見ると、『ヤマトシジミ』と思われます。

 

この植物は、地中海地方原産の『アカンサス』と言います。
花が咲くのは、6月頃です。
大きな植物で、高さは150cm位にまでになります。
この植物の葉をモチーフとしたデザインが、古代ギリシアのコリント様式の建築の柱の装飾などに使われています。
日本でも、古い洋館の柱に等に、この『アカンサス』の模様が用いられているようです。

この写真は、六月頃に撮りました。実は、ブログの記事にしようと、日本の建築に使われているアカンサスのデザインを探している内に、肝心の花の時期が終わってしまい、今年は掲載を断念したものです。

では何故、今ここに載せたのかと言いますと・・・
この『アカンサス』が、上の写真の『キツネノマゴ』の仲間だからです。

              アカンサス  キツネノマゴ科 アカンサス属

小さな小さな『キツネノマゴ』と、大きな『アカンサス』
花の感じは、少しだけでも似ているでしょうか?

 

『キツネノマゴ』は penpenさんも、先日の記事に掲載されています。
とても綺麗な昆虫『ハンミョウ』の写真も、載せられています。
  
http://blog.so-net.ne.jp/buffy/2005-08-28

 


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atom

キツネノマゴ、花だけ見てると小ささが分かりませんでしたが、蝶との写真で物凄く小さいのが分かりました。花びらの模様で昆虫を引き付けるとは知りませんでした。
by atom (2005-08-31 00:22) 

Runa

とても小さくて 可愛いお花ですね。
albireo さんの 紹介してくださる 草花は 私の知らないもの
ばかりです。
キツネノマゴって 名前もお花も知らなかった。
確かに ふさっとした狐の尻尾の形に似ていなくもないですね。
面白い~
by Runa (2005-08-31 00:37) 

まい

植物って面白い名前のものが多いですね~albireoさんのページに来るようになって知りました♪
by まい (2005-08-31 01:23) 

狐の孫という名前はとても素敵なので、由来が分からないとか、「狐の尻尾に似ていて小さいから」では、なにかもの足らない感じがします。(笑)「キツネ」にも『日本霊異記』にあるように「来つ寝」から「キツネ」という言葉が生まれたという説話があります。「狐の孫」という言葉には、この話以上に、ドラマチックな物語を妄想したくなる響きがありました。(笑)関係ないことを書いてしまい、申し訳ありませんでした。
とても、素敵な花をご紹介いただき、ありがとうございました。
ヤマトシジミの写真が一番好きです。
by (2005-08-31 01:48) 

ziziblog

キツネノゴマというのですか、作りがランの花にも似ていますね。
アカンサスの花がコリント様式の装飾に使われているのですか。
貴重なご紹介ありがとうございます。
この花にヤマトシジミがとても似合いますね。
by ziziblog (2005-08-31 04:18) 

キツネノマゴとアカンサス、やはり似ていますね。
by (2005-08-31 05:22) 

Silvermac

キツネの何とか・・いう名前、他にもあった気がしました。
by Silvermac (2005-08-31 07:54) 

Gotton Factory

キツネノマゴ こういう名前があるなんてびっくり。
植物は奥が深いですね。
by Gotton Factory (2005-08-31 08:17) 

gillman

キツネと名前が付けられているので昔は身近な動物だったことが想像できますね、現在だったらこういう名前は思いつかないでしょうね
by gillman (2005-08-31 09:01) 

barbie

二枚目の画像はキツネノマゴの蜜標の様子がよくわかりますね。やはり花によって少しずつ違うものなのでしょうか。
by barbie (2005-08-31 09:52) 

「キツネノマゴ」を「キツネノタマゴ」と読み違えていました。
きつねの卵?そんなはずないですよね。
by (2005-08-31 11:00) 

はるまきママ

こんなに大きさの違うものが同じ科に属しているなんて、面白いですね。
私も一瞬『キツネノタマゴ』と読み違えてしまいました。^^;
by はるまきママ (2005-08-31 11:23) 

hiro

キツネノマゴ、本当に小さくて可愛い花ですね。アカンサス、キツネノマゴ科だけあって花の感じがキツネノマゴと似ていますね。
by hiro (2005-08-31 11:25) 

Baldhead1010

キツネノマゴの花弁の模様、ホテイアオイの花の模様にも似てますね。
by Baldhead1010 (2005-08-31 14:27) 

あやこ

キツネノマゴ とってもかわいいお花ですね!
そんな小さなお花をみつけて、めがけてくる昆虫もスゴイですよね^^
昆虫にしかわからないおいしい香りがするのかなぁ。。。
by あやこ (2005-08-31 17:58) 

aloeDog

ちょうちょより、小さいですね~。
見逃しちゃいそうな花。
がんばって咲いてる花。誰かが見てるんですね。
あたしもがんばろっと。
by aloeDog (2005-08-31 19:27) 

penpen

いつもご紹介いただきまして、ありがとうございます。
キツネノマゴそう言われれば尻尾に似ていますね。その部分がキツネだったのですか。アカンサスは初めて見ますが、キツネノマゴに似ていますね。
by penpen (2005-08-31 20:04) 

じゅん

花によってアピールの仕方が多様にあるんですね~。
この花は小さくも模様で虫を惹き付けるのですね。
by じゅん (2005-08-31 22:11) 

maya

お花よりチョウチョの方が大きい(^-^)
by maya (2005-09-01 13:40) 

さねさし

よくみている あのお花だ と思ったのですが お写真があまりにかわいく美しいので 違ってるかもしれないなんて いつも私は確信できなくて いい加減になんでもみているんですね
by さねさし (2005-09-01 21:19) 

albireo

◇ atom さん ありがとうございます。
小さいです。「蜜標」というのも、写真に撮って初めて分りました。

◇ Runa さん ありがとうございます。
植物の名前の付け方は、本当に不思議なものが多いです。
可哀想な名前も多いですが、これは可愛い感じかも知れませんね。

◇ まい さん ありがとうございます。
本当に、面白いですね。
でも、こういう可愛い感じの名前の花は幸せかも知れません。
何しろ、可哀想な名前がとても多いですから・・・。

◇ lapis さん ありがとうございます。
確かに、この由来には納得出来ない気もしています。
でも多分、それ以上の由来を見つけ出すことは、難しいかも知れません。
いっそ、それに相応しい由来の「物語」を創作してはどうでしょうか?

◇ zizi さん ありがとうございます。
僕も、蘭の仲間か、或いは、シソ科なのかと思いました。
アカンサスの葉のデザインは、ギリシアの柱の装飾に使われていますが、後には、アール・ヌーボーの美術でも、使われているようです。

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
確かに、花穂の感じを写真で見比べると、似た感じがします。
でも、アカンサスの実物を見てしまうと、同じ科とは思えなくなります・・・。

◇ SilverMac さん ありがとうございます。
沢山ありますね。綺麗な花にも、キノコにも、色々狐がついているようです。

◇ Gotton Factory さん ありがとうございます。
僕も、今度初めて知りました。
面白い名前を覚えるのは、なかなか楽しいものです。

◇ gillman さん ありがとうございます。
江戸時代位までは、現在の都内でも、狐はいたようですね。
落語にも、「王子の狐」と言うのがありますから。

◇ barbie さん ありがとうございます。
この「蜜標」を頼りに、虫がやって来るなんて、ちょっと信じられない気がします。
花が、こんな暗号を隠しているなんて・・・。

◇ tanaka-ma3 さん ありがとうございます。
僕は、「キツネノゴマ」だと思っていました。
「イヌゴマ」という花があるので、ついそう読んでしまいました。。

◇ はるまきママ さん ありがとうございます。
僕は、「タマゴ」ではなく「ゴマ」と思いました。
まさか、「狐の孫」なんていう名前だとは、思いもしませんよね(^^♪

◇ hiro さん ありがとうございます。
写真で見ると、確かにそんな感じです。
でも、実物の大きさを考えると、同じ科というのが、なんとも不思議に感じます・・・。

◇ Baldhead1010 さん ありがとうございます。2005-08-31 14:27)
確かにそうですね!蘭にも似ている気がしますし、「蜜標」と言うものも、とても不思議なものです・・・。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
花と昆虫の関係というのは、本当に不思議だと思います。
まるで、花にも昆虫にも、はっきりとした意思があるかのように見えてしまいます。

◇ aloeDog さん ありがとうございます。
一つ二つだと、見逃しそうですね。でも、結構まとまって沢山咲いていますから、見れば分ると思います。
でも、花はポツポツという感じで咲いているので、やっぱり見付かりにくいかも・・・。
aloeDogさんは、大丈夫!もう、ちゃんと頑張っています!

◇ penpen さん ありがとうございます。
先日、penpenさんの記事にコメントした後で、由来の書いてある本を見付けました。
でも、本当かな?という気もしています。
アカンサスは、実物を見たら、とても大きいので、随分違うように感じるかもしれません。

◇ じゅん さん ありがとうございます。
匂いで虫を引き付ける花も、色で引き付ける花も、花によって様々ですね。
どうしても、不思議な感じがします。

◇ maya さん ありがとうございます。
ヤマトシジミの方は、片方の羽の大きさが、親指の爪ほどしかありません。
そんな小さなチョウより、もっと小さな花ですよ!

◇ sanesasi さん ありがとうございます。
目立たない花ですが、先日皇居のお堀の近くの道の、植え込みの中にも咲いていました。
案外、どこにでも咲いているようです。
こういう花の名前は、僕もその都度調べています。
僕が、花の写真を撮ることには、後で調べるという目的もあります。
by albireo (2005-09-02 23:51) 

ナナ

何だかこの記事も、とてもalbireoさんっぽいですね。
小さな動植物への愛情が溢れている感じがします。
by ナナ (2005-09-03 20:52) 

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