SSブログ

九月の昆虫 [昆虫]

_DSC0061.jpg

         ツマグロヒョウモン(♀)  褄黒豹紋   鱗翅目  タテハチョウ科

 彼岸花を撮っていると、突然足元に舞い降りて来ました。 

 ツマグロヒョウモンのメスだったので、多分卵を産む場所を探していたのかも知れません。

 でも、この葉っぱは、キキョウ科のホタルブクロです。
 ツマグロヒョウモンの幼虫が食べるのは、スミレ科の植物だけです・・・

 勿論、ツマグロヒョウモンのお母さんは、ここに卵を産んでも、子供たちが生きて行けないことを知っていますから、あちこちと、子供たちの食草となるスミレを探しているようでした。
 ですが、やがてここにスミレは無いと分かったようで、何処かへ飛んで行きました。

 

_DSC0005.jpg

    ヤマトシジミ  大和小灰蝶   鱗翅目  シジミチョウ科

 露草の葉に止まるヤマトシジミです。

 こうして見ると、地味な感じですが、飛んでいる時は、きらきらと輝いて、とても綺麗な蝶です。

 

_DSC0265.jpg

    モンシロチョウ  紋白蝶   鱗翅目  シロチョウ科

 春のイメージの強いモンシロチョウですが、実際には年に6~7回ほど発生し、時期としては3月~11月頃までみられる蝶です。

 

_DSC0115.jpg

    アキアカネ  秋茜蜻蛉    トンボ目   トンボ科

 やっぱり、秋と言えば赤とんぼですが、似た種類に「ナツアカネ(夏茜蜻蛉)」がいます。
 実際には、ナツアカネもアキアカネも、発生時期は同じなのですが、暑さに耐えられないアキアカネが、山地へ避暑に行っている間も、ナツアカネは平地で見られるために、夏から見られる赤とんぼと言うことで、ナツアカネと呼ばれるようになったようです。
 
 写真のトンボは、アキアカネですが、この時期で、まだあまり赤くないので、多分メスの個体ではないかと思います。

 

_DSC0159.jpg

     トノサマバッタ  殿様飛蝗   直翅目  バッタ科

 海辺の歩道で、「仮面ライダー」を見付けました。

 漫画家の、故・石ノ森章太郎(当時は、石森章太郎)さん原作による、第一作目の「仮面ライダー」は、バッタをイメージして、デザインされたものだそうです。(確か、それはトノサマバッタだと、どこかで読んだ記憶があります)

 それまでのロボットやサイボーグのヒーローたちは、「鉄腕アトム」も、「エイトマン」も、同じ石ノ森さんの「サイボーグ009」たちも、その原動力は「超小型原子炉」であると言う設定になっていたと思います。
 ところが、40数年前に登場した「仮面ライダー」は、自然エネルギーとしての「風」を原動力として活動するスーパーヒーローです。
 石ノ森さんは、「愛蔵版 仮面ライダー」(中央公論社 1989年12月刊)のあとがきに『自然と上手に共生することが人間の叡智。「仮面ライダー」こそが"真の文明"のシンボルなのだ。』と書かれていて、その物語のテーマが、「技術文明」へのアンチテーゼであることを、示唆されています。

 原発事故を受けて、漸く大きく取り沙汰され始めた自然エネルギーを、既に40数年前に一つのテーマとして取り込んだ漫画作品を書かれていたことは、驚くべき先見性だったと感じます。

 僕は、子供の頃には、いつの日か「原子力自動車」が出来るようになると、信じていたような記憶があります。事実、SFの世界で描かれたことは、多かれ少なかれ、それなりに実現して来た感があるので、そう遠くない未来、人類は「放射能」を完全に制御して、「原子力」は安全なものとして一般化するのだろうと思っていました。
 でも、現実には、「放射性廃棄物」でさえも、高レベルになると、人間がそれに近付くだけで、ごく短時間の内に死んでしまうほどに危険なものだと言いますから、本当は保管も廃棄も相当に難しい訳です。
 結局、核物質を人間が制御できることなど、恐らくは、夢のまた夢だったようです・・・

 久し振りに見掛けたトノサマバッタの姿から、ふとそんな事を思っている内に、バッタは道路沿いの柵を越えて、何処かへ飛び去って行ってしまいました・・・

 因みに、トノサマバッタには、この写真のような褐色の個体と、より良く見掛ける緑色の個体とがあります。
 仮面ライダーは、表紙の絵などでは、緑色のヘルメットを被っているので、モデルになっているのは、通常の緑色の個体なのだと思います。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 前回の、オオスカシバの記事へ、斗夢さんから頂いたご質問に、ここでお答えすることにします。

_DSC0248.jpg

 斗夢さんからのご質問は、「撮影条件が知りたいです、レンズも含めて。 」とのことでしたが、先ずカメラはSonyの一眼レフカメラで、α230です。
 それ以前に使っていたコニカミノルタのα sweet が、故障してしまったので、取り敢えずその時点で手に入れ易いカメラで、ミノルタのαレンズが使えるもの、と言うことを条件に買ったカメラです。その時、既にコニカミノルタが一眼レフ事業から撤退して、Sonyに技術移転をしていたため、αマウントを継承したSonyのカメラを買いました。スペックはあまり高くはありませんが、手に馴染んでいるので、そのまま使っています。

 レンズは、ミノルタの28~105mm。80~200mm。シグマの70~300mm。 主に昆虫や鳥などを撮りたいので、先ずは機能性を重視して、基本的にズームレンズです。他に、単焦点レンズもありますが、使っていないので省略します。

 オオスカシバを撮った時には、シグマの70~300mmを使っていました。

 他の撮影条件については、基本的にプログラムオートに設定をしているので、原則としてカメラ任せです。
 こういう素早く飛ぶ昆虫を撮る際は、状況に合わせてカメラの設定を変更する余裕はありませんから、予め設定してあるプログラムオートに任せてしまうことにしています。

 ですが、取り敢えず、オオスカシバの翅が、一番鮮明に写っていた上の写真についての、データを記載して置きます。
 
      絞り値       f4.5
      露出時間    1/320秒
      ISO感度    ISO-200相当(オートに設定)
      焦点距離    180mm (35mm判換算焦点距離 270mm相当)
      露出補正     0
    ホワイトバランス  オート
    フラッシュ    なし
    三脚       なし

  シャッター速度(露出時間)は、1/320秒と、然程早くはありませんが、オオスカシバの高速の羽搏きと、シャッターの切れるタイミングとが、上手くシンクロした結果、偶然翅がいい位置で写ったと言うことだと思います。ですから、よく見ると翅だけは、ブレて写っています。
 と言うことで、こういう被写体は、沢山シャッターを切るしか、撮りようはないと考えています。

 尚、今回の写真も、前の記事の写真も、クリックをすると拡大しますので、そうして見て頂くと、確かに翅がブレて写っていることが分かると思います。

 因みに、「35mm判換算焦点距離」とは、フィルムカメラのフィルムサイズ(35mm)に対して、デジタルカメラでフィルムに当たる、「固定撮像素子」のサイズが、35mmよりも小さい機種が多く、同じ焦点距離のレンズを用いても、画角が変わってしまうことになります。
 その結果、例えば僕のデジタル一眼レフカメラで、300mmの焦点レンズを使った場合、フィルムカメラに換算すると、450mmの焦点距離のレンズで撮った場合に相当する画角が得られることになります。
 その結果を、「35mm判換算焦点距離」と呼びます。
 分かり難い説明で申し訳ありませんが、実際そういうややっこしいことになっています・・・

 

_DSC0014.jpg

 次に、四つ前の記事、「夏秋草図屏風」に、きまじめさんから頂いた、「ISO感度を800まで上げても、シャタースピードはかなり遅くなっているのでしょうね」というコメントについて、遅れ馳せながらお答えをして置きます。

 上の写真は、東京国立博物館所蔵の「菩薩立像」です。
 何れまた、仏像の記事を書く時のために、取って置いた写真ですが、この写真のデータを、下記に記載します。

 この写真では、ミノルタの28~105mmレンズを使用しています。

      絞り値       f4.5
      露出時間    1/10秒
      ISO感度    ISO-800相当(固定)
      焦点距離    55mm (35mm判換算焦点距離 82mm相当)
      露出補正     -0.7
    ホワイトバランス  蛍光灯
    フラッシュ    なし=展示品保護のため、使用不可。

    三脚       なし=展示品保護のため、使用不可。

 ISO感度は、800相当に固定しましたが、シャッター速度(露出時間)は、1/10秒とかなり遅く、普通であれば、手ぶれをする状況です。
 ぶれない為には、カメラをしっかりとホールドしなければなりませんが、僕は同時に、3枚から5枚ほどを、連写で撮ります。すると、一枚くらいは鮮明に写っている可能性が高くなります。
 取り敢えずは、どのシャッター速度までなら、手持ちで耐えられるか、色々試して見るしかないと思います。
 また、博物館の照明が暗い中で、露出を-0.7補正していますが、これはISO感度を上げると、画像に白く飛んでしまう部分が出て来るようなので、敢えて露出を暗めに設定しました。これも、展示室の照明の状況に依って、撮った写真をプレビュー画面で、確認しながら設定をし直しています。

 オオスカシバや、アオスジアゲハを撮る際には、カメラの性能を信じて頼ることにしていますが、博物館の中では、条件が厳しいので、自分で考えて、設定を調整しなければなりません。
 でも、動く被写体ではありませんから、その分落ち着いて設定を考えることは出来ます。

 ただ、あまり夢中になり過ぎると、他の見学者の方たちの迷惑になりかねませんから、尚更落ち着いて撮ることが、博物館という場所では、特に重要なことです。

 以上、ご質問への回答には、必ずしもなっていないかも知れませんが、取り敢えず、これにてご了承の程、お願い致します。

 


nice!(21)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 21

コメント 9

斗夢

丁寧に教えていただき有難うございます。
レンズはマクロと思っていました。わたしの使っている55-300という望遠ズームではこれほどシャープには写りません。それでf11にしたりしているのですが、f4.5ですね。
じっくりと読ませていただきます。
有難うございました。
by 斗夢 (2013-10-08 05:40) 

mimimomo

おはようございます^^
動物の本能って凄いですね。ちゃんと何処に卵を産めばよいか分かるのですものね。
わがやのホトトギスの花にはルリタテハ、あれ来ますものね~
by mimimomo (2013-10-08 06:57) 

mimimomo

こんにc^^
再びお邪魔しま~す。
今、千葉のちょいか~ごに行って来ました。吃驚、品数が多いのですね~(@@
今まで、道案内の看板を横目に通り過ぎていましたけれど、これからは
時々行ってみることにします。お米も安かったです。
ありがとうございました。
by mimimomo (2013-10-08 14:33) 

ぜふ

しっかりとめるにはSS1/1000以下でしょうけど、うまく撮れましたね^^
ISO800にすればSS1/1000出せたのでしょうけど、
それはともかく、かなりのズーム寄りで手振れなく撮れているのが見事です。
by ぜふ (2013-10-08 23:35) 

きまじめさん

御丁寧にお教えいただきありがとうございました。
デジから変えて、フィルムカメラなど触っていましたが、
暗い場所ではうまく撮ることができず、ストレスが溜まっていました。
今回デシを買い換えましたので、
博物館など撮ってみたいと思っておりましたので
お教えいただいたこと、とても勉強になりました。
挑戦してみたいと思います。ありがとうございました。
by きまじめさん (2013-10-09 22:51) 

(。・_・。)2k

僕もきっと
この状況なら
そのくらいの設定にします

by (。・_・。)2k (2013-10-10 00:07) 

mimimomo

あ、ちょいか~ごだって(>。<
しょいか~ごだわ(--
by mimimomo (2013-10-10 14:11) 

mimimomo

またまた、おじゃましま~す^^
渚駅が、あの路線にあるのですね。
松本から上高地線に乗って二つ目です。
そう言えばあったような・・・あまりしっかり見ていなかったようです。
by mimimomo (2013-10-10 14:44) 

albireo

> 斗夢 さん
実際は、マクロ機能付きのレンズなのですが、200~300mmだけの切り替え式なので、180mmではマクロが機能しない為、敢えて触れませんでした。
僕は被写界深度の浅い画が好きなので、どうしても絞り込まないで撮る傾向にありますが、あくまでも、好みの問題だと思います。もしも、お役に立てれば幸いです。


> mimimomo さん
まるで、センサーを持っているようですね。本当に、不思議です…

しょいか~ご、行かれましたか(^^♪
結構、品揃えも良く、米などもその場で精米してくれるので、僕は気に入っています。
わざわざのご連絡、有難う御座いました。

> ぜふ さん
SSを優先すると暗めになるし、絞りを開けたいと思うとスピードが追い付かないし、素早い生き物を撮るのは、なかなか面倒なものですね・・・
カメラ技術の進歩のお陰で、構図とホールディングに専心出来るのは有り難いことです。


> きまじめさん
博物館は作品保護のため、どうしても暗めの照明ですから、なかなか難しい面もありますが、設定を考えながら撮るのは、楽しいことでもあります。
些かなりとも、お役に立てれば幸いです。


> (。・_・。)2k さん
色々と試して見た結果ではありますが、2kさんにそう仰って頂けると、とても自信が付きます。


> mimimomo さん
しょいか~ごの名前は、野菜の行商をしていた「千葉のおばさん」の背負ってした籠に由来するようです。

「なぎさちゃん」の件、面白そうなので、ちょっと調べてみました。
アルピコ交通のキャラクターで、本名を「渕東(えんどう)なぎさ」と言うそうです。
苗字も名前も、沿線の駅名だとのことでした。
by albireo (2013-10-11 10:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

憧れの翼虫豸帖と虫塚 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。