花の咲く時刻~カラスウリの雌花~ [野草]
前々回の、 カラスウリの記事を書いた翌日、雌花を見ることが出来ました。
夕方、五時頃に、外出先から戻る途中に、未だ固い雌花の蕾を見付けることが出来ました。
そこで、七時過ぎの、未だ明るい時間に、写真を撮りに行って見ました。
途中、雄花が咲いている場所に立ち寄って、雄花の開花を確認してから、夕方見付けて置いた雌株のところへ行って見たのですが・・・未だ、上の写真のような状態でした。
もう、雄花は咲いているのに・・・と思いながら、もう少し遅くなってから、出直すことにしたのですが、その帰り道で、未だ雌花が咲いていなかった理由に、ふと思い当りました。
七時五十分頃に、改めて撮りに行った時の、カラスウリの雌花です。
もう、すっかり開花していました。
さて、僕が思い付いた、雌花が咲いていなかった理由ですが・・・
カラスウリは、雌花が咲く株と、雄花が咲く株とが、完全に異なる「雌雄異株」の植物ですが、僕が知る限りでは、雌株と雄株が、一か所に纏まって生えているような状況は、少ないように思われます。
多くは、十数メートルから、数十メートルも離れた場所に咲くカラスウリの、受粉の仲立ちをするのは、夜行性のスズメガの役割です。
無論、スズメガにとっては、ただ蜜を求めて、カラスウリの花を訪れるだけですが、カラスウリとしては、先ず雄花を訪れた後に、雌花を訪れてくれなければ、受粉の役には立って貰えません。
そこで、雄花の雌花の開花時刻に、恐らくは一時間程度のタイムラグを生じさせているのではないかと、考えて見た訳です。
尤も、これは僕の思い付きの仮説なので、真実かどうかは分かりません。
もっと別の場所で咲いている、雄花と雌花それぞれの、開花時刻を確認する必要があります。
しかし、最近のマダニに依るウィルス感染症の影響か、カラスウリの咲いている藪の一部が、かなり刈り取られてしまい、路肩の辺りからでは、観察がし辛くなってしまいました・・・
そんな状況なので、出来ればまた、以前のように、家の庭にカラスウリが咲いてくれると、もう少し事例を集め易いのですが、少し蔓が伸びて来てはいるものの、今年はまだ花が咲きそうにはありません・・・
ところで、先ほど「未だ固い雌花の蕾を見付けた」と書きましたが、実際は蕾だけを見ても、雄花か雌花かの区別は付きません。
勿論、花が開けば、花の中央部の形状で、見分けが付く訳ですが。
でも、もう一つ見分ける方法があります。
上の写真では、花びらの糸状の外縁部が被さって分かり難いのですが、花の下部に、やがて果実となる、子房があることで、見分けられます。
カラスウリの雌花の子房です。
スズメガが、狙い通りに訪れてくれれば、やがて秋になる頃に、あの朱いカラスウリの実になります。
* 尚、「スズメガ」に就いては、一昨年の記事「雌雄異株 ~カラスウリとスズメガ~」を参照下さい。
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また、更新の間隔が開いてしまいました。
ユリの花・トンボ・ヘビ・カエル・・・
放っておくと、季節外れになりそうな写真が幾つもありますが、次回は多分「ヘビ」の写真を載せると思います。恐らくは、「ヒキガエル」の写真も載せますので、嫌いな方は、どうぞご注意下さい。
暑い日が続いています。
熱中症は、決して高齢者だけの問題ではありませんので、皆さんもどうぞご自愛のほど、くれぐれもお願い致します。
おはようございます^^
夜歩ける方はいいですね~ わたくしはカラスウリのお花を見ることは
永久にないかもしれないです。うちで植えて試そうとしたものは抜かれてしまいました。
タイムラグのお話、面白いです。わたくしもそんな気がしてきました^^
by mimimomo (2013-07-23 05:01)
まとまって咲くのならタイムラグは不要と思いますが、
離れて咲くのなら確かにその説は合点が行きますね。
そうなると離れて咲く理由が知りたくなります^^
by ぜふ (2013-07-23 06:38)
次回は失礼致します^^。
by 斗夢 (2013-07-23 07:38)
カラスウリは近間に有るんですが、
晩酌すると酔って忘れて寝ちゃうんです。
by 旅爺さん (2013-07-23 13:03)
雌花と雄花の違い、前々回の雄花と見比べま、違いが判りました。
開花の時間のずれ、albireo さんの説、十分納得出来ました。
by きまじめさん (2013-07-25 00:16)
今年も絡まらずにちゃんと咲きましたね(^w^)
自然の不思議!ですね。
by じゅんぺい (2013-07-25 07:00)
花のタイムラグのお話、なるほど~と思いながら読ませて頂きました。
今年も赤い実、楽しみですね。
そういえば、連日暑過ぎて、アオスジアゲハが来てくれた我が家の鉢植えクスノキが、半分枯れてしまいました。
今年はチラホラ飛んではいますが、例年ほどアオスジアゲハを見かけません。
異常気象が生態系に影響してるようにも感じます。
これからの台風の発生や進路も色々心配です。
平穏無事に過したいものです。
albireoさんもどうぞご自愛くださいね。^^
by ichii (2013-08-11 18:56)
写真画像と共に雌雄異株と雄花、雌花のご説明は大変分かり易かったです。両者の開花のタイムラグもなるほど自然界の摂理だろうと私も思います。子房のご説明も、拙宅の庭にたまたま自然に生えたカボチャの雌花、雄花の区別と全く同じ道理で説明が付きます。色々勉強になりました。
by kuniさん (2019-08-27 19:03)