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井の頭公園の野草 [野草]

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  ヤマブキソウ 山吹草  ケシ科 ヤマブキソウ属   別名:クサヤマブキ

 井の頭公園の弁天堂に近い、斜面の一画を囲って、何種類もの野草が植えられていました。

 そのひとつ、ヤマブキソウです。確かに一重の山吹の花とよく似ています。しかし、花びらの数が樹木の山吹は通常5枚ですが、ヤマブキソウは4枚です。
 また、樹木の山吹がバラ科なのに対して、こちらはケシ科です。

 通常は、ヤマブキソウ属に分類されますが、時には次に掲げる写真のクサノオウとおなじ、クサノオウ属に分類される場合もあるようで、手元にある図鑑でも、最初に当たった本ではヤマブキソウ属、もう一冊にはクサノオウ属と記載されています。

 

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  クサノオウ 草の黄    ケシ科  クサノオウ属

 前の記事にも載せた、クサノオウですが、ヤマブキソウとの係わりがとても興味深かったので、改めて載せることにしました。

 クサノオウは、通常はクサノオウ属に分類されるようですが、ややこしいことに、先に掲げたヤマブキソウ属として分類される場合もあるそうです。
 外見上は、似ているような、似ていないような、微妙な雰囲気ですが、分類学上、この二つの植物は、非常に入り組んだ関係にあるようです。

 名称の漢字表記は、「草の黄」の他に、「草の王」「瘡の王」などともされるそうで、名前の由来は定かではありません。

 

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  ヤマブキ  山吹    バラ科  ヤマブキ属

 参考までに、樹木のヤマブキも載せて置きます。
 一重咲きのものと、八重咲きのものとがありますが、井の頭公園で、たまたま一重咲きの木を見付けました。
 確かに、花の感じは、ヤマブキとヤマブキソウはよく似ています。

 一重咲きのヤマブキの花びらは、一応5枚ですが、以前上野公園で撮った時に気付いたのですが、実際には6弁の花も良く見られます。

 

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   イチリンソウ 一輪草   キンポウゲ科  イチリンソウ属

 花茎の先に、花が一つだけつくため、イチリンソウと呼ばれています。

 花びらに見えるのは、ガク片です。

 

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   ニリンソウ  二輪草   キンポウゲ科  イチリンソウ属

  ニリンソウは、イチリンソウと同じ仲間ですが、通常上の写真のように、茎葉の間から、二つの花を咲かせるため、ニリンソウの名で呼ばれます。

 

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 しかし、実際には、このように三つの花がつく場合や、逆に一つだけの場合もあります。 

 

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   セリバヒエンソウ  芹葉飛燕草  キンポウゲ科  デルフィニウム属

 今回見掛けた花の中で、僕が一番関心を持った花です。
 僕は、何故か青、或いは薄紫の小さな花には、何故か心惹かれる傾向があります。

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 この花は、この花は、日本の在来種ではなく、中国原産の帰化植物で、明治自体頃に、日本に入って来たそうです。

 しかし、図鑑には、殆ど載っていないようで、手持ちの5~6冊図鑑の内、ただ一冊だけ山野草の図鑑に載っていました。

 

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 ヒエンソウの仲間で、葉が芹の葉と似ていることが、名前の由来だそうです。

 また、属名のデルフィニウムと言うのは、ギリシア語でイルカを意味する言葉で、この植物の仲間の蕾の姿が、イルカに似ているからだそうです。 

 

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 これは、野草ではありませんが、井の頭公園の外れの辺りに、タケノコが顔を出していました。
 しかし、もう成長し過ぎていて、食べるには遅過ぎるという感じでした…

 

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 公園を出て、駅に向かって歩いていると、「かしわ餅」の幟が目に入りました。

 安政二年創業の俵屋さんという、和菓子屋さんで、入り口には「昔ながらのかしわ餅」と、確かそう書いてありました。

 最近の柏餅は、餡を包んで丸めた餅状の生地を、柏の葉で挟んであるというのが普通です。

 でも、僕が子供の頃に食べていた柏餅は、丸い餅状の生地に餡を挟んで、それを更に柏の葉で挟んであるというお菓子でした。ですから、僕にとっては饅頭か団子のようなものは、柏餅とは思えません。

 そこで、「昔ながら」と言う言葉に惹かれて、店に入って見ました。
 店に入ると、すぐに「いらっしゃいませ」と、出て来てくれたお嬢さんに訊ねてみると、僕が昔食べていたものと同じものらしいので、早速買って帰って来ました。

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 家へ帰って、「本物の柏餅を買って来た」と父に言うと、「本物」と言うのが可笑しいと笑っていましたが、箱を開けて見せると、「確かにこれは、久し振りだ」と言っていました。

 多分、量産するためには、丸めてしまった方が、簡単なのでしょうし、味も変わる訳ではないのでしょうが、何だかそんな些細なことでも、当たり前だったことが、いつの間にか変わって行ってしまうのは、寂しいことだと思っているので、これはちょっと嬉しいことでした。

 落語に、子供に捕まえられた子狸を助けて、恩返しをされる噺があります。

 夜遅くに訪ねて来た子狸に、もう遅いから早く寝ろと言った、独り者の男が、
 「俺か、俺は、このせんべい布団で、お柏になって寝ちまうからいいんだ」と言うセリフがあります。
 薄いせんべい布団一枚に包まって寝る様子を、柏の葉に包まった柏餅に例えている訳ですが、貧乏長屋に住む独り者の気楽さと、寂しさが表現されている、何とも面白いセリフです。

 この落語を聞くとき、僕は饅頭のような柏餅では、何だか雰囲気が違うような気がしてなりません。
 尤も、落語のセリフ自体は、薄いせんべい布団を柏の葉になぞらえている訳でしょうから、中身の形状などはどうでもいいのかも知れませんが…

 また、以前食べた京都の老舗の和菓子店の柏餅も、餡を生地に包んで丸めたものだったので、僕が子供の頃に食べていたものは、あくまでも江戸風のもので、関西の柏餅とは、また違うものなのかも知れませんが…

 

 


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ゴーパ1号

子供の頃に使ってた水彩絵の具に山吹色があって
はじめは「やまぶ黄色」だと思ってました^^;
でもとても好きな色で、すぐに使い終わっていたな〜と思い出しました。
by ゴーパ1号 (2013-04-18 13:07) 

mimimomo

こんにちは^^
ヤマブキ色のお花、確かにクサノオウも同じようなお色ですね。今年は一重のヤマブキを辛うじて《もうちょっと遅すぎた》写しました。
関西の柏餅もalbireoさんが仰る形状かもしれないです。と言うのも
福岡の子供時代は二つに餅を畳んだものでしたよ。福岡のはどちらかと言うと
関西系なんですよね。
例えば桜餅。東京で言う道明寺が福岡でも関西でも桜餅です。
by mimimomo (2013-04-18 15:37) 

きまじめさん

イチリンソウの白い部分、花弁だと思っていました。ガク片だったのですね。
私にとっても柏餅はこの形です。
今年はまだ食べていませんので、無性に食べたくなりました。
ピンク色はやはり味噌あんなのでしょうね。
by きまじめさん (2013-04-18 22:09) 

ぜふ

この形の柏餅ははじめてみました。
もっとも、故郷の方はちょっと変わっていて、サルトリイバラの葉で包むんです。
サルトリイバラをずっとカシワの葉と思っていました^^;
by ぜふ (2013-04-19 06:42) 

sakamono

私も柏餅のイメージは、この形ですね。最近、柏餅を食べていないのですが、
今は形が変わってしまったのでしょうか^^;?
by sakamono (2013-04-20 15:50) 

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