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闇に咲く花 ~カラスウリ~ [野草]

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                                                                        カラスウリ (雄花) 烏瓜  ウリ科  カラスウリ属

 夏になると、前回のセミの羽化と同様に、夜にだけ見ることの出来る、カラスウリの花を見るのが楽しみです。

 同じように、夜に咲く花には、マツヨイグサの仲間や、オシロイバナがありますが、マツヨイグサの仲間は、早朝であれば、まだ少し萎み掛けた状態の花を見ることが出来ますし、オシロイバナは夕方のまだ日のあるうちに開き始めます。

 しかし、カラスウリの花は、日没間際の六時過ぎ位から漸く開き始め、夜明け頃には凋んでしまいます。
 その為、カラスウリの赤い実はよく知られていても、この幻想的な白い花は、見たことのない方が、多いように思われます。

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 カラスウリの花は、藪のような場所で良く見られます。

 そのような場所へは、わざわざ夜間に出掛けて行ったりすることなど、あまりないことも、カラスウリの花を見る機会の少ないことの一因かも知れません。

 今回の写真を撮った場所は、いつもの森林公園を出てすぐの農道の脇の辺りですが、その道は、農道とは言え、JRの津田沼駅へ向う近道のため、かなりの人が利用しいてる道です。
 しかし、やはり夜間には通る人も少なく、歩いて通る人も、いきおい急ぎ足で過ぎて行きますから、カラスウリの花を眺めて行く人など、先ずいないと思われます。

 それでも、僕の場合は、家の周辺に、カラスウリの花が見られる場所が、まだ残っていることは幸いと言えます。

 やがて、そうした場所も、いつか宅地化されてしまえば、この辺りでもカラスウリは見られなくなってしまう可能性もあります。

 家の狭い庭に、鳥が運んで来たのか、何株かのカラスウリが、毎年芽を出します。
 宿根草で、最低でも三年は経たないと花が咲かないと言うカラスウリですが、昨年は家の庭の株にも、幾つかの花が咲きました。
 しかし、今年は些かの都合があって、庭の別の場所へ、植え替えてしまったせいか、今のところ花は咲きそうにありません。

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                                                                       カラスウリ (雌花) 烏瓜  ウリ科  カラスウリ属

 カラスウリは、株ごとに雌雄の異なる「雌雄異株」の植物ですが、あちこちの藪を探して見ても、雄花ばかりが目立ち、雌花はなかなか見付かりません。

 これは、漸く見付けた雌花です。

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 このブログを始めた2005年から、毎年この時期には、カラスウリの写真を載せていますから、結局のところ、毎年代り映えのしない写真ばかりを載せていると言うことになってしまいます。

 それでも、昨年はカラスウリの花へと吸蜜に訪れた、スズメガの写真が撮れたので、ちょっとだけ目新しい内容になったと思いますが、そんな僥倖に恵まれるのは、やはり稀なことかも知れません。

 さて今年は、上↑のような写真が撮れました。
 カラスウリの雌花の写真ですが、更にその上の写真と見比べて頂くと、それぞれの花の違いが分かると思います。

 普通、カラスウリの花は五弁ですが、この花は六弁でした。

 実を言うと、2005年の記事にも、六弁のカラスウリの雄花の写真を載せています。
 でも、その時に見た花は、五弁の内の一つが、二つに分かれたような状態でした。
 しかし、今回の花は、ごく自然な感じの六弁の花でした。

       

  上の写真は、2005年8月8日の記事、「花の夜会 Ⅱ」に載せた写真の再録です。 

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    闇の中で開く

    幻想の白い花


    仄暗い灯りと

    しめやかな歌


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    誰も知らない

    夏の闇の底に


    密かに騒めく

    一夜だけの宴


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                                             ミンミンゼミ  半翅目  セミ科                                 

 カラスウリの写真を撮った帰り道には、やっぱりセミを探してしまいます。


 

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                                          ツクツクボウシ  半翅目  セミ科

 そして、今回もまたツクツクボウシです。

 今回は、抜け殻も、解り易い感じで撮れましたので、ほんの少しだけ、確かにツクツクボウシと同定し易くなりました。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 また、少し慌しい状況が続いたため、ブログの更新が滞り、気が付くともう半月が経ってしまっていました。

 幾つか、書き掛けになったままの記事もありましたが、先日出掛ける途中で、萎んだカラスウリの花を見付けてしまったので、やはりカラスウリの記事を先にしました。

 多分、数日は落ち着いていられそうなので、明日にもまた、皆さんの記事を拝見しに伺えると思います。


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コメント 13

mimimomo

おはようございます^^
カラスウリのお花は何時見ても幻想的ですね~ 羨ましいです。
結局昨年植えたカラスウリは夫に抜かれて(__; 我家から消えてなくなりました。
何時かまた種を拾ってきて植えたいと思います。
6片のカラスウリは、言われるまで気づきませんでした。なるほど少し?な気分でしたが6片だからなんだわ^^
by mimimomo (2012-08-17 05:31) 

ぜふ

去年のスズメガの記事を思い出しました。もう一年経つんですね~
いつも見るのはしおれた花なので、その様子の違いというか妖しさに驚きます。
六弁・・進化の途中なのかなと思うと逆に楽しいですが^^
by ぜふ (2012-08-17 06:39) 

哲

カラスウリの花が夜咲く事も知りませんでした。
同じようなと書かれていますが、毎年記録する事に
意味があるのではないかと思います。
去年と同じに見えてもどこか違うところはあるはず。
無ければ無いで・・・
by (2012-08-17 10:06) 

ゴーパ1号

そろそろalbireoさんのカラスウリの時期だな〜と待っておりました^^
by ゴーパ1号 (2012-08-17 13:18) 

斗夢

カラスウリの咲いたところを観たいと思うのですが、寂しい谷戸にあるんで行きそびれています。朝行ってしぼんだのを眺めています。
雄花、雌花があるのは知りませんでした。
by 斗夢 (2012-08-17 16:00) 

(。・_・。)2k

面白い花ですね
こないだ見かけたのだとおもうけど 不明です(^^;

by (。・_・。)2k (2012-08-17 22:09) 

ねこじたん

夜の花 って妖艶ですね
オシロイバナも夜とは知りませんでした
セミさんも 人目をしのんで飛び立つのですね〜

by ねこじたん (2012-08-18 07:54) 

sakamono

私も先日、カラスウリの花を撮りました。みんなブレブレでしたが^^;。
雄花と雌花の違いなんて、知りませんでした。今度、雌花を探してみよう。
by sakamono (2012-08-18 15:41) 

春分

またこの季節ですね。
私も先日カラスウリを撮りました。タイミング悪く載せ損ねています。お蔵入りか。
by 春分 (2012-08-18 15:52) 

きまじめさん

いつ拝見しても、この妖しい姿に魅了されてしまいます。
5弁から6弁へ、何かの進化なのでしょうか。
自然って、なにげなく不思議なことが起こるのですね。
by きまじめさん (2012-08-19 14:23) 

ichii

子供の頃、田舎の山の中にカラスウリの赤い実を見たことがありますが、
このような夜咲きの花だとは知りませんでした。
夜咲いてる姿、見てみたいものです。
カラスウリの花のような形状のものは、花弁の数はあまり固定してないのでしょうか?
以前、プランター菜園のピーマンの花が4、5、6、7、8と花弁の数がばらばらで驚いたことがあります。
流石にカラスウリはそこまで花弁数がバラバラではないとは思いますが。
これも自然の不思議のひとつですね。

by ichii (2012-08-19 21:36) 

asahama

すっかりご無沙汰してしまいました・・・。
夜の世界、神秘的ですね。
カラスウリとセミの羽化、暗闇にふっと浮かび上がる様子、時の流れがふっと変わるような、思わず息をひそめてしまいます。
by asahama (2012-08-23 13:03) 

ナナ

お久しぶりです。ちょっと私も随分更新をご無沙汰しています。
折角PCを起動したので遊びに来ました~
カラスウリの花、神秘的ですね
でも、ちょっとだけ綿菓子のようだと思ってしまいました
えへへ

それから、セミの羽化!
今年は、甥っ子の桃・桜がユイリ(私の妹)と一緒に夜、ウォーキングをしているらしんですけどね、そこで羽化しようとしているセミを見つけたらしく、大興奮だったようです

んで、肝心の羽化の瞬間は見れたかって??
残念ですが、甥っ子たちは眠ってしまっていたようです。
大人のユイリだけが、神秘な世界に魅入っちゃった~と言っていました
夏の思い出ですね
by ナナ (2012-08-28 00:26) 

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