金色の光 ～ビヨウヤナギ～

     その者 青き衣を纏いて 金色（こんじき）の野に降り立つべし

     失われし大地との絆を結び

     ついに人々を 青き清浄の地に導かん

　　　　　　　　　　　　宮崎　駿　　　風の谷のナウシカ　より
                                DVD版　ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント発行

　　　ビヨウヤナギ　未央柳　　オトギリソウ科　　オトギリソウ属 

　2005年の6月、このブログに、初めてビヨウヤナギの写真を載せた際、「六月の曇り空の下に咲く/美央柳の柔らかな黄色い花は/時折 雲の隙間から差し込む/優しい太陽の光を浴びると/眩いばかりの黄金（きん）に輝く」という、拙い詩を添えたところ、

　『「優しい太陽の光を浴びると/眩いばかりの黄金（きん）に輝く」という詩句と長い雌蘂から、「ナウシカ」のラストシーン、金色に輝く王蟲の触覚を連想しました。
　妄想爆発の感想でした。（笑）』

と言うコメントを下さったのは、So-netブログ仲間の、今は亡き lapis さんでした。

 

　科学文明が破綻を来たし、戦争によって滅亡に瀕した世界を描く、宮崎　駿 監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」のクライマックス　シーン。

　人間の邪悪さに怒り狂う、王蟲（オーム）の群れの暴走を止めようとして傷ついたナウシカを、金色に輝く王蟲の無数の触覚が抱き上げて救う場面です。
　それは、映画の冒頭部分で語られる、「その者 青き衣を纏いて 金色の野に降り立つべし・・・」という、風の谷に伝わる言い伝えが、真実となった瞬間でもありました。

　僕も、このアニメは、ジブリ作品としては「天空の城ラピュタ」及び「となりのトトロ」と並んで、以前から好きな作品の一つでしたが、ビヨウヤナギを見ても、そのような発想はなかったので、lapis さんの視点を、とても面白いと思った記憶があります。

　しかし、改めてDVDでその場面を見ると、lapis さんの仰る通り、確かににそんな感じがしました。

　この記事の冒頭の写真と、上の写真とは、王蟲の触覚をかなり意識しながら撮っています。

　普通に見れば、黄色い花ですが、lapis さんのコメントにもあるように、僕もまた、この花の色を、金色と感じていたことも確かです。

　「風の谷のナウシカ」は、1984年に公開されたアニメ映画ですが、冒頭に引用した、

　
     失われし大地との絆を結び

　　 ついに人々を 青き清浄の地に導かん

　と、言う言い伝えの言葉は、今現在の社会の状況を思うと、何か象徴的にさえ感じられます。

　ビヨウヤナギは、随分と昔から、家の庭にありますが、他の木の日陰になってしまっている為、他所よりも、咲くのが遅くなります。

　今年は、6月１０日頃から咲き始めましたが、その頃には近くの小さな公園では、もう既に沢山の花が咲いていました。

　因みに、沢山の雄蕊に囲まれて、中央には雌蕊がありますが、実が実ることは無いようです。
　ビヨウヤナギの実を、僕は一度も見たことはありません。

　そして昨日、庭のビヨウヤナギも、今年は最期となると思われる花を、三つ咲かせてくれました。
　でも、昨日の午後から降り出した雨に濡れて、もう散ってしまおうとしています。

　尤も、他所の日当たりのいい場所では、まだ蕾が付いている枝を見ましたから、もう暫くは見られる場所もあるかとは思います。

　このブログを、いつも見ていて下さる皆さんの中には、ナウシカや王蟲について、僕よりも詳しくご存知の方が、何人もいらっしゃることは承知しています。

　でも、ナウシカって？王蟲（オーム）って何？という方も、いらっしゃると思いますので、最後にナウシカと王蟲のフィギュアの写真を載せて置きます。（どちらも、スタジオ ジブリの公式フィギュアですが、かなり以前に、発売日から相当遅れてDVDを買いに行ったところ、その店で売れ残ったフィギュア付きのセットを、驚くほど安く売っていたので、思わず買ってしまったものです）

　ナウシカの陶製のフィギュアに対して、プラスチック製の王蟲のフィギュアは、（アニメの設定からすると）かなり小さくて、ナウシカが命懸けで救った、王蟲の子供のくらいの大きさかも知れません。しかし、アニメの映像通りに、かなりリアルに出来ていると思います。

　実は、昨年3月の地震の際、両方とも、置いてあった棚から落ちてしまいました。
　プラスチック製の王蟲は無事でしたが、陶製のナウシカは、手にしている銃の一部が割れてしまっていました。
　取り敢えず接着剤で修理しましたが、完全には直っていません。尤も、このアングルからでは、破損部分は見えませんが・・・

　参考図書

風の谷のナウシカ 豪華装幀本(上・下巻)

• 作者: 宮崎 駿
• 出版社/メーカー: 徳間書店
• 発売日: 1996/11/30
• メディア: コミック
  

風の谷のナウシカ [DVD]

• 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
• メディア: DVD

タグ：ビヨウヤナギ ナウシカ 王蟲

コメント 16

おはようございます＾＾
ビヨウヤナギの蘂は本当に美しいですね。
ところで話が全然違うのですが、albireoさんのブログをRSS登録して永いのですが、
あるときalbireoと言うのが消えて、「かずま」となっていました。
アイコンは変わりません。
今朝初めてその「かずま」と言うところにポインターを当ててクリックしたら
まったく別のブログに行ってしまいました。
それはalbireoさんの別のブログなんでしょうか？
by mimimomo (2012-07-05 08:17) 

アイコンも違ってました（－－ゞ
お空に飛行機の頭のようなアイコンでした。
by mimimomo (2012-07-05 08:19) 

この季節、目を引くお花ですよね！
by ゴーパ1号 (2012-07-05 08:59) 

◇ mimimomo さん
お返事が遅くなりまして、申し訳ありません。
すみませんが、その「かずま」というハンドルネームにも、仰るようなアイコンにも、まったく心当たりがありません。
僕の別ブログは、左サイドにリンクを置いてある「風の森ミュージアム」ですが、ハンドルネームはalbireoのままですし、アイコンは設定していません。
RSSの設定に、何かのトラブルが生じたのかも知れませんが、悪意を持った操作の可能性もないとは限りません。
一旦、RSSの削除をした方が良いかと思います。
僕のブログのアイコンと言う事ですから、僕の方に問題があるとしたら、誠に申し訳ありませんが、取り敢えずRSSの削除を、宜しくお願いします。

◇ ゴーパ1号さん
ゴーパさんが記事に載せられていた花と、良く似ているように思いますが、家の花は実が生りません…
by albireo (2012-07-05 20:22) 

こんばんは＾＾
わざわざ有難うございました♪
早速消させていただきました。
今日も蒸し暑いですね～
では、おやすみなさい。
by mimimomo (2012-07-05 20:51) 

mimimomo さんのコメントが気になって、確かめてみました。
私のRSSもニックネームが、「かずま」になっていました。アイコンも違っていました。
タイトルは、「風の詩」のままです。いつもタイトルをクリックするので、問題無く来れたので、気づかなかったです。so-netのエラーが出ているんかな？
ニックネームにマウスをポイントすると、Albireo の紛らわしいアドレスでした。
by 枝動 (2012-07-05 22:08) 

おーっ　（パソコンが小さいので）１枚目の写真上部を見た瞬間思いました、
その者 青き衣を纏いて…って。
スクロールして文章を読んでびっくり。
でもシンクロニシティというより、もう、金色の細い糸みたいな形のものを見ると、
王蟲を連想する癖がついてるからですね、ナウシカ好きだから…。

ところでmimimomoさんのおっしゃってる「かずま」の件、
私も管理ページのRSS更新通知リストでは、
梟のアイコンでない「かずま」さんの「風の詩」になってました、しばらく前から。
サイドバーの読んでいるブログと連動していると思っていたので、
そしてサイドバーをクリックしてalbireoさんのページに行けますので、
何かの（？）都合でそのようにされているのかと思っていました。
そういえば、サイドバーに出るブログタイトル「風の詩」は、
１字分空白のあとに、つまり「　風の詩」と表示されるのですが、そういう設定をされていますか？
どうも妙ですね。
by はてみ (2012-07-05 23:44) 

lapis さんの感性、素敵ですねー！
もうこれからは、ビヨウヤナギはオウムにしか見えないかも（笑）
素敵なお話＆写真をありがとうございました！
by dino-tail (2012-07-06 10:15) 

１枚目　お見事ですね～（＾＾）

by (。・_・。)２ｋ (2012-07-06 17:42) 

◇ mimimomo さん
今、So-netに問い合わせています。
何か、分かり次第ブログの記事で、お知らせしますので、宜しくお願い致します。

◇ 枝動 さん
ご確認頂き、有り難う御座います。
皆さんから頂いた情報を元に、So-netに問い合わせ中です。
分かり次第、記事にしますので、また宜しくお願いします。

◇ はてみ さん
はてみさんなら、最初の写真を、王蟲の触角に見立ててくれると思っていました。
なにしろ「遠い日々」の曲を思い浮かべながら、撮ってましたから。

RSSの件は、皆さんからのコメントで「かずま」さんという方のブログに辿り着きましたから、それを元にSo-netに問い合わせています。

「　風の詩」の一文空きの表示は、基本設定の「ブログタイトル」で、画面の見映えを良くするために、わざと一字分を空けました。

◇ dino-tail さん
lapis さんは、「見立て」が得意でしたから、様々なものの違う視点からの見方を教えてくれたと思います。
惜しいご逝去でした…

◇ (。・_・。)２ｋさん
ありがとうございます<m(_ _)m>
by albireo (2012-07-06 20:34) 

なるほど、これは確かに金色ですね。こんなに美しいビヨウヤナギを初めて
見たと思います。ナウシカは好きですが、オウムに見立てるとは思いもよりません
でした。
私もRSSは、ヘンだな？くらいに思っていても、ちゃんとリンクされてるので
特にモンダイにしていませんでした。「かずま」の方をクリックすると確かに
違うブログへ飛びますね。初めてクリックしてみました＾＾；。
by sakamono (2012-07-06 21:54) 

albireoさんのアイコンの件、
古くからのお付き合いの方だけに起きている現象なのですね。
私はＲＳＳ登録させていただいて１年ほどなので、それは起こっていません。
ビヨウヤナギは当地でもかなり見かけますが、
こんなに美しいと眺めたことがありませんでした。
感性を磨いて眺める努力をしなければならないと思いました。
by きまじめさん (2012-07-07 00:00) 

何かが起こっているようですね…
オームの漢字　初めて知りました
by ねこじたん (2012-07-10 15:08) 

◇ sakamono さん
僕も王蟲を思い浮かべはしませんでした。
でも、後には別の方からも、同様のコメントを頂いていました。
金色の糸の集合からは、王蟲を連想する人が、案外多いのかも知れません。
RSSの件、ご心配お掛けしました。

◇ きまじめさん
RSSの件、新しい情報を頂き、有り難う御座いました。
同じ花を見ても、感じ方は人様々ですね。
でも、それはそれでいいのだと思っています。

◇ ねこじたん さん
RSSの件は、So-netからの返事が、まだ来ていません…
>オームの漢字　初めて知りました
僕はコミック版で知りましたが、確かに、映画版を観ても、漢字字幕はないですからね。
by albireo (2012-07-23 22:05) 

遅ればせながら。
いやあ、この発想、感動しました。
何故って、ジブリ作品の中ではこの作品が一番好きなんです。
子どもの名前にナウシカとつけようかと思ったほど（いくらなんでも、ですよね）ナウシカに惚れこんでました。
宮崎駿さんの発想ももとはこういう視点だったりするんでしょうかねぇ、と一人そんなことを思いました。
ナウシカが地下で育てていたのは巨大な粘菌だと言うことだし。
写真と記事、楽しませて戴きました。
by ichii (2012-07-27 06:44) 

◇ ichii さん
lapis さんの、独特な感性と発想には、いつも感嘆させられました。
逝ってしまわれたことが、今も悔しくてなりません…

お子さんの名前ですか…「奈宇詩華」とでも…いや、止めて正解ですね…
by albireo (2012-07-27 22:15)