春の七草 [祭礼・行事]
芹 セリ 2012.1.7.撮影
1月7日は七草でした。
万葉集の時代から、若菜を摘んで食べる風習があったということですが、実際のところ真冬のこの時期では、あまりにも寒くて、若菜を摘みに出掛ける気分にはなりません。
本当は、こうした古くからの風習は、旧暦(太陰暦)に基づいて行われるべきものかも知れません。
今年の旧暦の1月7日は、現在の暦の1月29日に相当しますが、その頃には、もう少しは暖かくなるのでしょうか?
確かに、未だ春は遠いのですが、それでも家の近くの公園(習志野市 藤崎森林公園)の周りを探すと、七草の内の幾つかが芽吹いていました。
七草とは、セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ の七種類の野草や野菜を言います。
七草の記事は、これまでも何度か書いていますが、すべての写真を纏めた記事はなかったと思いますから、改めて書いて見ることにします。
それでは、順番通りに「セリ」から始めます。
セリの花とベニシジミ 2006年7月31日撮影
公園を抜けて、駅の方に向かう道の側にある田圃の用水路に、セリがありました。それが、一枚目の写真です。
花の咲く季節は、夏の頃になります。
二枚目は、随分以前のベニシジミが止まった花の写真ですが、これはブログには載せていない筈ですから、ここで使うことにしました。
薺 ナズナ 2012.1.7.撮影
七草の、それぞれの名前は、現在普通に呼ばれている植物名とは、異なるものが殆どです。
いえ、殆どというよりも、最初の「セリ」以外は、全部違うと言うべきかも知れません。
ナズナの、本当の名前は「ナズナ」なのですが、一般には「ペンペングサ」の名前で知られています。
御形 ゴギョウ 2012.1.7.撮影
畑の傍らで見付けた草は、白い綿のような毛で包まれているので、多分「ゴギョウ」だと思います。
しかし、ゴギョウという名を聞いても、どんな草なのか、殆どの人は解らないかも知れません。
御形(花) ゴギョウ 2012.1.7.撮影
この花を見れば、解る方も多いと思いますが、ゴギョウとは「ハハコグサ」の事です。
普通、この時期に花が咲くことは滅多にないと思うのですが、前の写真を撮った後で、通り掛かった家の塀の側に咲いているのを見付けました。
ただ、この花が本当にハハコグサなのかどうかは、確認が取れていません。
というのは、この植物には非常によく似た、外来の近縁種があるそうですが、大変見分け難く、嘗てNHKの「趣味の園芸」で講師をされておられた故・柳宗民さんでさえも、七草の鉢植えを作られた際、気付かずに、その外来種を使ってしまわれたことを著書に書かれていましたから…
繁縷 ハコベラ 2012.1.7.撮影
ハコベラは、普通には「ハコベ」と呼ばれています。
この草は、電柱の下などに、沢山生えていました。
市販の「七草セット」にも、一番多く入っています。
仏の座 ホトケノザ 2009.4.26.撮影
ホトケノザと言えば、多くの人は春の野原に咲く、薄紫の可憐な花を思い浮かべられると思いますが、「春の七草」の「ホトケノザ」は、上の写真の植物で、現在の植物名は「コオニタビラコ」と言います。
「仏の座」という名も、「田平子」という名も、この植物の、越冬の為に地面に貼りつくように葉を広げた「ロゼット」と呼ばれる状態から名付けられたようです。
この植物は、なかなか野生のものが見付からないので、数年前に「七草セット」を2つ買って来て、根のしっかりした方を鉢植えにして花を咲かせました。
近縁種に「オニタビラコ」があり、殆ど同じような花を付けます。
「オニタビラコ」は、タンポポのように、綿毛の付いた種を飛ばしますが、「ホトケノザ」の「コオニタビラコ」には綿毛がないため、あまり遠くへ子孫を送り出すことが出来ません。
野生のものをあまり見掛けないのは、その辺の事情のためであろうと思われます。
清白 スズナ 2012.1.6.撮影
そして、「スズナ」は、蕪です。
蕪の白く丸い部分は根のように思われがちですが、その部分は茎で、蕪の丸い部分から伸びた細い紐のようなものが根だそうです。
スズナだけは、地面から生えているものが、どうしても撮れなかったので、スーパーで買ったものを、食べる前に撮影しました。
鈴菜 スズシロ 2012.1.6.撮影
「スズシロ」は、大根のことです。
家の周りも、かなり宅地化してしまいましたが、僕が小学生だった頃の通学路に、今も僅か畑が残っています。そこに、大根が植えられているのを見付けたので、買い物帰りに撮って来ました。
後方に見えるのは、キャベツなのか白菜なのか、もう収穫時期は過ぎた物のようにも見えます。
以上が、春の七草ですが、最後にもう一つ、名前が同じである為に、何時も勘違いされている野草の写真を載せて置きます。
ホトケノザ 2012.1.3.撮影
こちらのホトケノザは、食用ではないので、「春の七草」に数えられるものではありません。
でも、名前が紛らわしいので、勘違いされている方が後を絶たないのも無理は無いのかも知れません。
まあ、間違えたからと言って、何か困ることがある訳でもないとは思いますが…
ホトケノザは、人が立っているように見える花の姿から名付けられたそうですが、何だか可愛らしい姿で、仏さまのイメージではないようにも、思われます。
「春の七草」の記事なので、本当は1月7日中にはアップしたかったのですが、どうもPCが思うように動作せず、知らぬ間に時が過ぎてしまいました。
追記:最初に記事をアップした際、スズナとスズシロの写真が入れ違っていました。
まだ、nice!やコメントを頂いていない間のことでしたが、もしご覧になった方が
いらっしゃいましたら申し訳ありません<m(_ _)m>
お詫びして、訂正させて頂きます。
おはようございます。
七草粥、食べました。
本当に、お腹がすっきりするものですね!
七草セットで栽培は気づきませんでした。さすが(*^^*)
by ゴーパ1号 (2012-01-08 07:38)
素敵な記事なので、Tweetさせて頂きます。
Facebookでも、紹介させて頂きます。
by ゴーパ1号 (2012-01-08 07:39)
いつもの丁寧な解説に感服します。
ホトケノザ(コオニタビラコではない方)は3日に撮られたんですね。
こんな時期に咲いてしまうことがあるから紛らわしさ倍増ですね^^;
by ぜふ (2012-01-08 08:00)
こんにちは^^
ホトケノザはなかなか見つかりませんね。
泉自然公園に、上手く時期をあわせていけば、見られるらしいですが
そうは行かなくて、ホトケノザだけはもうかなり以前に一度だけ写しただけです。
スーパーで売り出すのはどこで調達しているのでしょう。
by mimimomo (2012-01-08 14:30)
紫のホトケノザは寒いうちから咲いてくれる。年も明け、春を待つ季節になりましたね。
7日は私もどうもうまく記事アップができませんでした。So-net側の問題かな。
このところずっと夜は通信速度が遅い気がします。
by 春分 (2012-01-08 18:47)
スーパーで買った七草、ほとんどハコベラで、
あとほんのお印程度に他の草も入っていました。
こちらを拝見して今までわからなかったゴギョウを知ることができました。
それとホトケノザも覚え間違いしていました。
色々勉強になり、ありがとうございました。
by きまじめさん (2012-01-09 22:08)
今年もよろしくお願い致します。
七草、身近な植物の写真、素敵です。
ウチのプランタにコオニタビラコがあったんですが、
今見るとオニタビラコみたいな感じもしています・・・(^^;
by HEIJI (2012-01-10 23:51)
ホトケノザが違うものだって知りませんでした。
そう言えば七草セットでみた記憶がありませんね…(今更気付きました)
私も七草セットで栽培、いいアイデアですね!!
来年はやってみようと思います!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
by dino-tail (2012-01-11 06:47)
なるほどなるほどと、ただうなずいて読みました。
読み応えのある七草粥の記事でした。
私も7日は七草粥をいただきました。飲み屋でですが^^;。
by sakamono (2012-01-14 16:32)