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四年ぶりの奈良-3- ~長谷寺~ [社寺]

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 今回、最後に訪れたのは、奈良県桜井市にある長谷寺(はせでら)でした。
 当初は、行く予定にはなかったのですが、その日の朝JR京都駅に着いて、近鉄線の京都駅に向ったところ、近鉄の駅構内に「長谷寺御本尊特別公開」の看板が立っているのを見付けてしまいました。

 近鉄の長谷寺駅までは、奈良市内からは一時間と少し掛るので、どうしようかと迷ったのですが、やっぱり行ってみることにしました。


 

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 長谷寺駅

 実は、今回は駅舎の写真を撮り損ねたので、これは2003年8月8日の写真です。
 2003年8月8日は、雨が降っていたので、アスファルトが濡れています。
 長谷寺駅は、ちょっとした高台にあるので、長谷寺まではかなりの階段や坂道を下って行くことになります。
 長谷寺の山門までは、僕の足では15分ほどですが、僕はかなり歩くのが早いので、普通はもう少し掛るかも知れません。

 因みに、最初の写真は長谷寺駅の階段の途中に咲いていた野菊(今回の写真)です。

 

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 長谷寺

 総本山の文字が見えますが、それは真言宗豊山派(しんごんしゅう・ぶざんは)の総本山の意味です。
 このお寺は、観音霊場西国八番札所に数えられています。

 ここから、長い階段が続きます。

 

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 この屋根付きの階段は「登廊(のぼりろう)」と呼ばれています。

 

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  登廊は、上・中・下の三つに分かれており、全部で399段あるということです。

 

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 長谷寺は、花の寺と呼ばれていて、牡丹・桜・紫陽花・紅葉等が多いことで知られていますが、この時期は、あまり花はありませんでしたが、階段の途中に山茶花が咲いていました。

 

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 途中にあったお堂。

 長谷寺には、非常に多くの堂塔がありますが、今回は途中で急に思い立って、予定外に出掛けたので、本堂の他にはあまり寄って見る余裕がありませんでした。

 

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 お堂の前の山茶花。

 

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 上の写真のお堂の側に立っていた、不動明王の石像には、まるでお地蔵さまのようなよだれ掛けが掛けらていました。

 

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 この石段を登ると本堂です。 

 

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 本堂には、「大悲閣」の大額が掲げられ、その前は「舞台」の造りになっています。

 

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  舞台造りと言えば、京都の清水寺が有名ですが、長谷寺の本堂前も舞台の造りとなってています。

  尚、今回はこの舞台の写真も撮り損なったので、これも2003年の写真です。
  舞台の床の光沢は、雨に濡れているせいです。2003年のその日は、台風が近づいていたこともあり、かなり雨が激しかった記憶があります。

 

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 舞台から見える五重塔。

 この塔は、昭和になってからの建立で、寺院建築としては新しいものです。

 具体的には、昭和29年に作られた建物ですが、僕の年齢よりも、三歳ほどは若いようです。
 尤も、そんな風に人間に例えてしまえば、決して新しくはありませんが…

 

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 長谷寺の本尊の、十一面観音は像高1018cmもある巨像ですが、通常の拝観の際には本堂の正面から、上半身だけを拝むことが出来ます。

 今回の特別拝観(平成23年10月22日(土)~12月11日(日)まで)では、観音像の足下まで降りて、真下から観音像を拝むことが出来ました。

 参拝の時に、観音様の足に触れて祈願をして下さいと言われたのでが、普段神仏を参拝する際に、僕は殆どの場合、ただ本尊に挨拶をするだけなので、咄嗟に願うことなど思い付きませんでした。でも、「足」と言う事で、脳梗塞の後遺症から未だ歩行が困難な父親の足の事を思い出し、早く良くなるようにと、祈るともなくそんなことが頭の中を過ぎりました…

 

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 長谷寺観音 特別拝観券。

 左側の輪になった紐は、「五色線」と呼ばれるもので、お堂の入口で若いお坊さんが左の手首に掛けてくれました。
 その時の説明では、拝観者はこの五色腺で、観音様との縁を結ぶことが出来るのだそうです。

 

 

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 特別拝観券は二つ折りになっていて、中には観音様の写真と長谷寺の解説が載っています。

 

 

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 本堂の内陣では、この看板のように観音様を、足下から見上げて拝観することになります。

 因みに、長谷寺の十一面観音は、向って左の手に、地蔵菩薩のように錫杖(しゃくじょう)を持っていますが、これは十一面観音としてはかなり変わった姿をしていると言えます。
 それは、この観音様が、観音菩薩と地蔵菩薩の功徳を併せ持って、人々を救おうとしているからだとされています。

 尚、一方の手に錫杖を持つという、この姿の十一面観音を「長谷寺式十一面観音」と言い、作例はかなり広い地域に見られるそうです。
 特に、奈良の長谷寺の像と同様に巨大な像が、東北から九州に至る六つのお寺に祀られているといいます。
 その内の一体は、鎌倉の「長谷寺」(浄土宗の寺院)にありますが、ここには非常に面白い伝説が伝わっています。

 その前に先ず、奈良の長谷寺観音像立の由来として、以下のような話が伝えられています。

 昔、(天平時代=西暦700年代)徳道上人(とくどうしょうにん)というお坊さんが、倒木となって時に祟りをなしたという、クスノキの巨大な霊木を川から引き上げ、その木を彫って造ったのが、最初の長谷寺観音だと言います。
 この寺院は、後に何度か火災に遭い、現在の本尊は天文三年(1538年)の造立と伝えられています。

 さて、もう一体の鎌倉・長谷寺の観音像に就いての縁起談は、次のようなものです。

 徳道上人が、クスノキの霊木から奈良・長谷寺の観音像を彫られた際、同じ木からもう一体の観音像が造られていたのだと言います。一体は、奈良・長谷寺の本尊として安置され、もう一体は海に流したのだと伝えられています。そして、その観音像は海流に乗って現在の神奈川県の三浦半島に漂着しました。これを鎌倉に運び、前述の徳道上人を開山として、新長谷寺として造営されたものが、現在の鎌倉・長谷寺なのだと言います。
 勿論、この話はまったくの伝説であり、史実と考えられるものではありません。
 また、現在の本尊は、江戸時代に大幅な修理を受けたものですが、元の像は平安時代と見られているようで、天平時代まで遡れるものではないようです。

 

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 花の寺 奈良・長谷寺には、桜も咲いていました。

 十月桜、或いは冬桜と呼ばれる種類の桜だと思います。
 そろそろ盛りは過ぎようとしていましたが、まだまだ美しく咲いてくれていました。

 

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 11月10日に、奈良へ行った時の最終記事の更新が、とうとう12月になってしまいました。

 実は、11月15日に勤めていた会社を退職して、少しはブログの更新も頻繁に出来るようになると思っていたのですが…

 健康保険や雇用保険の手続きで、市役所や保険事務所へ出掛けたりしていて、思いの外時間が取れなくなってしまいました。
 また、11月23日は僕の誕生日でしたが、ついに十干十二支が一回りしてしまったので、年金の手続きの案内も届き、先日は年金事務所へも行って来ました。年齢的に、まだ一部分のみの支給のようですが、もう一度市役所へ行って書類等を揃え、再度年金事務所へ出向かねばなりません…
 その間に、父親の通院の付き添い等もあり、また三月の地震で崩れた本を、空いている部屋に乱雑に積み上げたままになっていたので、それも漸く(今更ですが…)片付け始めました…。
 という事で、まだ暫くは慌しい日々が続きそうな気もしますが、ブログの更新頻度もう少し上げたいと思ってはおります…

 


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コメント 16

枝動

初めてお参りした時、この観音様に圧倒されました。
見つめた時、見つめ返され、身動きが取れないような感覚でした。
西遊記の話を実感しているような・・・、そんな感覚だったのを覚えています。
by 枝動 (2011-12-05 22:49) 

(。・_・。)2k

舞台からの景色 素晴らしいですね(^^)

by (。・_・。)2k (2011-12-05 23:32) 

ゴーパ1号

奈良路、ゆっくり散策してみたいものです。
お仕事お疲れ様でした。
by ゴーパ1号 (2011-12-05 23:55) 

ぜふ

お疲れさまでした。
五色線の彩りがきれいだなと思いました。これは持ち帰られるのでしょうか。

by ぜふ (2011-12-06 06:57) 

mimimomo

おはようございます^^
じっくり読ませていただきました。奈良の長谷寺はまだ行ったことがないです。
行ってみたくなりました。
ブログのお写真でも、脚に触ってお願い事をしてみようかしら^^

永年のお勤め、お疲れ様でした。
人の移動は、結構 後始末や先々の手続きなど色々あるものですよね。
ソネブロ一期生の方々がまた戻って見えるのは嬉しいことです(^^
by mimimomo (2011-12-06 08:13) 

マチャ

長谷寺も人気のお寺ですね。
奈良市内からはちょっと遠いので、僕も数えるほどしか行ってませんが、
お寺だけでなくお花も楽しめて良いですね(^-^)/
by マチャ (2011-12-06 16:25) 

miya_gon

いろいろとたいへんだったのですね。長きにわたるお勤め
本当にご苦労様でした。これらの手続きを考えるとぞっとします
やがてはアタクシもしなくてはならない日が来るのですねぇ。
びっくりしたのが誕生日、アタクシの
長男の誕生日と同じ日です(25歳になりますが)
錫杖を持った観音様は初めてみたように思います。拝観が出来るときに行かれるってこれもめぐり合わせではないでしょうか。良かったですね。きっとアタクシの場合は頼むことが多すぎて聞き入れてはもらえないかもしれません(笑)
by miya_gon (2011-12-07 14:45) 

ねこじたん

手入れの行き届いた 素敵なお寺ですね
お父様の足 御願通りよくなっていきますように
by ねこじたん (2011-12-08 06:16) 

きまじめさん

お役所の手続きは何かと煩雑で、お疲れ様でございました。
一昨年の春に友人たちと奈良に出かけたとき、
やはり「長谷寺御本尊特別公開」に出会えました。
観音様の御足に触れて祈願してきましたが、
縁を結んだはずの五色腺はどこかに失くしてしまいました。
by きまじめさん (2011-12-09 23:26) 

sakamono

その昔、修学旅行で十一面観音を見て、感動したのを思い出しました。
長~い階段を上って行ったような気もします。すっかり忘れていましたが^^;。
ウチが真言宗豊山派でした。ここと関係があるというコトかな。
by sakamono (2011-12-10 16:21) 

asahama

しみじみと読ませていただきました。

駅舎も趣深いですね・・・。
by asahama (2011-12-11 11:41) 

po-net

昨日はお疲れ様でした。 久しぶりに皆さんにお会いでたり、
また新しい出会いがあったりでとても嬉しかったです。

長谷寺、とても素敵なところですねぇ。
鎌倉の長谷寺へは時々足を運びますがこちらも是非訪ねてみたいです。
by po-net (2011-12-12 23:00) 

(。・_・。)2k

昨日はお疲れ様でした(^^)
次回は写真を撮るオフ会も良いかな~と思ってます
またご一緒できる日を楽しみにしてます(^^)

by (。・_・。)2k (2011-12-13 01:52) 

asahama

先日はありがとうございました^^
阿修羅像のお話とても楽しかったです。
家に帰ったら娘は爆睡zzzしてましてほっとしました。
またお会いできる日を楽しみにしています。

by asahama (2011-12-14 09:42) 

ichii

定年退職されたとのこと、長い間お疲れ様でした。
そしてお誕生日おめでとうございます。
長谷寺は紫陽花で有名なお寺ですね。
花のない季節もしっとりと静寂という暖かさと、
albireoさんの記事案内にて厳粛なご利益を頂いた心地です。
今回も美しい回廊と花のお写真に感銘を受けました。
by ichii (2011-12-18 16:27) 

春分

見逃すところでした。
良いお寺のようですね。観音様と縁も結びたいし、いつか行かなくては。
少し時間ができそうですね。いろいろまた教えて頂けそう。期待します。
by 春分 (2011-12-23 09:43) 

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