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四年ぶりの奈良-2- ~東大寺~ [社寺]

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  鹿せんべいを買うと、たちまち鹿が寄って来ます。

 この鹿たちは、野生の鹿なのですが、ここ奈良公園のように、野生の鹿と人間とが、それなりに上手く共存している事は、稀有な事例なのだそうです。

 因みに、鹿せんべいは「奈良の鹿愛護会」の製造・販売によるもので、売上金は鹿の保護活動に使われているようです。

 時々、持参したお菓子などを鹿に与えている人を見掛けますが、甘いお菓子は鹿の健康にもよくないので、やめて欲しいということです。
 尚、「奈良の鹿愛護会」で販売している鹿せんべいの原材料は、米糠と穀類で、砂糖は使用していないと言うことです。

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 奈良博の手前に掲げられた、正倉院展の展示案内。

 真中にあるのが、前回の記事にちょこっと書いた太刀です。 

 正確には「金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんそうのからたち)」と言い、聖武天皇の儀式用の太刀と考えられているそうです。
 柄や鞘等の装飾の美しい太刀でした。また、刀身は明治時代と昭和27年に研がれているそうですが、その美しさは千年以上も昔のものとは思えないほどでした。

 因みに、「正倉院」の宝物は、次に行く「東大寺」とも関わりの深い聖武天皇の遺品及び、東大寺関係の文物や文書を中心に収蔵されたものとされています。

 今回の展示品に、「黄熟香(おうじゅくこう)」と呼ばれる、インドシナ半島産と考えられている有名な香木が含まれています。
 この香木は、ジンチョウゲ科の樹木で、その幹に樹液が沁み込んで沈着して香木となったものです。
 別名を「蘭奢待(らんじゃたい)」とも言いますが、この名前はその3文字の中に、それぞれに「東・大・寺」の文字を隠して作られた雅名であるといいます。
 

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 東大寺の境内地にも、鹿が沢山います。
 この鹿は、毎年10月に行われる「鹿の角きり」で、角を切られた牡鹿です。 

 

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 東大寺の境内に入って少し進むと、今回の奈良行きの目的の一つ、最近開館した「東大寺ミュージアム」に辿り着きます。
 

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 東大寺ミュージアムでは、開館記念特別展として「奈良時代の東大寺」を開催していました。

 入場券を買って入館すると、先ず僕の目を惹いたのは、この「誕生仏」でした。
  *但し、上の写真は本物ではありません。昨年2010年10月から東京国立博物館で開催された
    「東大寺大仏―天平の至宝―」で手に入れた、仏像フィギュアです。

 

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 この写真も、その際に手に入れた仏像フィギュア「月光菩薩(がっこうぼさつ)」の像です。

 二月堂本尊の「不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)」の脇侍として「日光菩薩」と共に、展示されていました。

 因みに、この二体の菩薩像に就いては、東大寺では「日光・月光」の両菩薩と伝えられていますが、文化庁等の見解では、「梵天・帝釈天」ともされており、一般の美術関係の出版物には、「伝・日光菩薩 伝・月光菩薩」としているものもあります。

 

大仏殿.jpg

 東大寺の国宝・大仏殿。
 背景が青空でなかったことが、ちょっと残念ではありました…。 

 

 

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 国宝・金銅・八角燈籠

 これは、高さが約4・6メートル、重さは約3・3トンもあるそうですが、昨年の「東大寺大仏―天平の至宝―」で、東博に運ばれて来ていました。
 1,000年以上の歴史の中で、東大寺の外で展示されたのは初めてのことだそうです。

 

八角灯篭-2.jpg

 八角燈籠 音声菩薩レリーフ。

 

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 そして、漸く「東大寺大仏」です。

 国宝の大仏さまですが、 写真を撮ることは構わないそうです。
 但し、三脚・一脚、及びフラッシュの使用は不可です。

 大仏殿の中は、当然ですがあまり明るくはありません。そこで、ISO感度を高くして撮らねばなりません。

 

蘆遮那仏.jpg

 この「奈良の大仏」は、正確には「東大寺盧舎那仏像」と呼ばれます。
 元々は、天平17年(745年)に製作が始まった古い仏像ですが、後に何度も兵火に焼かれ、当初のままに残されているのは、台座・腹・指の一部など、ごく限られた部分のみで、大半は中世、及び近世の補修により作られたものです。

 尚、「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」は、「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」の略称で、「ヴァィローチャナ」という古いインドの言葉の音訳です。
 それは、「光明遍照(こうみょうへんじょう)」=「光があまねく照らす」と言う意味で、謂わば太陽の光を仏の姿として現わしたものとも言えます。

 

大仏殿から.jpg

 大仏殿からの眺め。


 

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 大仏殿の外にいた鹿。

 かなり歳を経た雰囲気をもつ牡鹿でした。
 以前、こんな鹿の大きな角があるものを、春日大社付近の森の中で見掛けたことがあります。
 その時は、何だかちょっと怖かったことを思い出しました…

 

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 まだ幼い鹿の中には、鹿せんべいを鼻先に差し出しても、あわてて逃げてしまう子もいます。
 でも、投げてやれば、大抵は食べます。

 

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 一頭の子鹿に、鹿せんべいをあげると、別の子鹿が横取りに来ます。
 小さい鹿は、まだ上手く食べられないので、半分くらい落としてしまったりもします。
 実際、この時もそうで、落ちたせんべいの半分は、横取りに来た子鹿が食べてしまいました…

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 鹿せんべいを食べて、舌なめずりをする鹿。 

 

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 もっと、おくれよ。と、近付いて来る鹿。

 いつも、背後から突つかれます…。 

 

 次回は、この日最後に訪れた、長谷寺です。

 


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コメント 12

ぜふ

野生だったとははじめて知りました。
せんべいはどうしてああいう食べづらい形にしているのかふしぎです・・
by ぜふ (2011-11-20 07:09) 

春分

蘭奢待が展示されているのですか。見たかったです。ああ、もう終わりか。
鹿もいっぱい撮れていいですね。いい顔で。行って見ないといけないな。
by 春分 (2011-11-20 08:12) 

ゴーパ1号

東大寺はいつ行っても賑わっているのですね。
by ゴーパ1号 (2011-11-20 11:07) 

きまじめさん

前回行った時「大仏殿は、幾度もいってるから」と素通りしてしまいました。
私は寄りたかったのですが、多数決で決まったので・・・
お写真を拝見して・・・幾度見ても良いお顔をしておられますね。
by きまじめさん (2011-11-20 22:27) 

ねこじたん

フィギュアでしたか〜
なんだか 歴史ありそうな感じしました
あ フィギュアの方が アチコチ移動して活躍してるのでしょうか?
by ねこじたん (2011-11-21 01:29) 

gillman

うーん、奈良行ってみたいですね。もう数十年前に行った修学旅行での記憶も殆ど消えかかって…

by gillman (2011-11-21 16:23) 

mimimomo

こんばんは^^
いつも楽しく読ませていただいて、直ぐ忘れるわたくし・・・(__;
でも東大寺や、大仏様の美しさは素晴らしいです。
そのうちまた行きたいです。是非行こう。
by mimimomo (2011-11-21 20:43) 

マチャ

八角灯籠は素晴らしいですよね。
素通りする人が多いのが残念です・・・
私も月末からは、鹿の写真なども掲載予定です。
by マチャ (2011-11-22 10:24) 

じゅんぺい

来年、京都・奈良に修学旅行に行くゆうきの楽しみの中にこの鹿煎餅が入っているようです。
自分で食べるのが楽しみではないと思いたいですが…(苦笑)
by じゅんぺい (2011-11-22 19:20) 

miya_gon

最初に誰がこうやって鹿をここに配置しようと考えたんでしょうね。
こういう景色を生み出すこと、計算してってことだったのでしょうか。スゴイです。
大仏さまも拝みたいところですが、こんなに鹿が可愛いとそっちに気を取られて
いつまでも煎餅を上げたくなりますね。どの鹿の写真もたまりません(笑)
by miya_gon (2011-11-23 07:50) 

sakamono

あの鹿たちが野生だったとは驚きです。てっきり飼われているものとばかり...
背後から突っつく鹿を想像するとかわいいです^^。
高校生の時の修学旅行以来の、奈良の大仏を見ました。
by sakamono (2011-11-26 08:49) 

asahama

蘭奢待のお話はなるほど!と思ってしまいました。
鹿のまなざしがいいですね。
でも「鹿せんべい頂戴」と言っているのかな^^?
フィギュアとはいえ風格がありますね。見ていてちょっと引き込まれます。

by asahama (2011-11-29 00:45) 

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