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梅は酸い酸い十三年 [花・野鳥]

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 庭の片隅に生えていた木に、昨年の春、初めて花が咲きました。

 昨年は少しだった花も、今年は木の大きさからすると、かなり沢山咲いてくれました。

 

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 この木は、葉の様子などから、多分梅か、梅に近い種類の植物だとは思っていましたが、長い間花も咲かないので、実際のところどういう木なのか、不明なままでした。

 昨年、やっと花が咲いたので、父に聞いてみると、かなり以前に、突然生えて来た実生の木であると言うことです。


 

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 「桃栗三年柿八年」という慣用句があります。
 それに続く言葉として、地方差も含め、様々なヴァリエーションがあるようですが、その一つに、「梅は酸い酸い十三年」(あるいは、「…十六年」とも)というものもあるそうです。

 それは、つまり実生から育った梅に、花が咲き実がなるには、十数年の年月を必要とすると言うことです。



 

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 この木の元となった種が、何処から来たものかは、今となってはまったく分かりません。

 鳥か何かが運んで来たものかも知れませんが、梅の実は少なくとも小鳥が運べる大きさではありません・・・。

 ただ、家の庭には、もう少し淡い色の花を咲かせる、もっと大きな梅の木があります。

 色々調べてみると、梅の実生と言うのは、素人にはなかなか難しいもので、発芽率も低いうえに、生育しても、親木の性質をそのまま受け継いでいることも、稀だと言うことです。

 

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 そうすると、実生のこの梅の木の親は、実は家の庭に古くからある、この木なのかも知れません。

 この木には、毎年そこそこの実がなりますし、実生の梅は、親木の性質を必ずしも引き継がないとすれば、花の色が異なることも不思議ではありませんし、むしろ種が何処かから運ばれて来たということよりも、近くにあるこの木の実から発芽したと見る方が、自然なことのような気もします…。

 

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 古くからある梅の枝は、もうかなり高く伸びて、大きな木になって来ました。

 

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 花が咲くと、その蜜を求めて、鳥たちもやって来ます。

 写真のように、ヒヨドリがよく訪れますが、他にはメジロも来ているようです。
 (メジロは、残念ながら撮りそびれました…)

 

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 ヒヨドリは、スズメやメジロに比べれば、割合大きな鳥ですが、小さな花の蜜を、上手に舐めて行くようです。

 

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 それにしても、花の蜜でどれほどの満腹感が得られるのか、ちょっと興味を感じます。

 

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 土に埋もれた一粒の種が芽吹いてから、十数年を経て、漸くこの可憐な花が咲いたわけですが、花の咲かなかった間は、殆どこの木のことを、気に留めることもありませんでした。

 でも、花が咲いて見ると、やはり短いとは言えない、十数年という年月のことを、何故か色々と考えてしまいます。

 そしてまた、発芽率が決して高くはないらしい梅が、こうして自然に生えて来たということも、なかなかに素晴らしいことのようでもあります。

 

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 新しく花が咲き始めた梅の、ほんのりとした薄紅色が、僕はとても気に入っています。

 もう、今年の花は終わりですが、来年もまた咲いてほしいと願っています。
 この木にも、いつか鳥たちがたくさん訪れてくれますように…。





   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 前の記事で、千葉県富津市から横浜の市街を遠望した写真の背景に見える山々を、「丹沢山系の山々ではないか」と書いたところ、記事をご覧頂いた 山尾 望さんという方からコメントを頂き、「奥多摩と奥武蔵」の山であることを、わざわざ作成して頂いたシミュレーション画像付きで、教えて下さいました。

 相変わらずの慌ただしさと、些か体調を崩してしまったこともあり、記事の更新が遅れた結果、ご挨拶も遅れましたが、山尾 望さん 大変親切なコメントを頂き、本当にありがとうございました。

 とても嬉しく思い、心から感謝致しております。

 


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コメント 5

mimimomo

おはようございます^^
植物の連鎖の不思議ですね~
しかし同じお庭に、親木と子木が出来るのも楽しいですね~しかもそれが梅。
我が家には柿木があって時々実生と思われる木を見つけることがありますが、
狭い庭に柿木が二本にもなると大変なので直ぐ抜き取っています。
梅のように綺麗なお花がなるのは良いですね~
ヒヨちゃんも可愛いですね^^ 鳴き声は決して素敵ではないですが・・・(--

前記事、もう一度ゆっくり見せていただきます、山々をね^^
by mimimomo (2010-03-21 08:30) 

ゴーパ1号

なんと実生で!梅が!
家にあった桃の木は、こぼれちゃんでよく発芽しましたが
梅はさすがに^^;
by ゴーパ1号 (2010-03-21 08:39) 

春分

13年とか16年と言われると、どうしても人の成長を思ってしまいます。
親と違う性質ということも同じですね。鳶が鷹もあるがなかなかうまくはいかない。
そして新しい交流があったのですね。きちんと書いていればきちんと繋がりますね。

by 春分 (2010-03-21 09:22) 

さねさし

なんともいえないやさしい雰囲気のある梅のお花のお写真に惹きこまれました 「モモ栗三年柿八年ユズの大馬鹿十八年」という 有名な書家の作品があります 10年は長いようでほんとに短く感じるようになりました
by さねさし (2010-03-21 22:35) 

HEIJI

実生というところに感じるものがあります。
桃栗三年。桃は本当にそんなに早く花を咲かせるのでしょうか。
いや、それは例え、なのかもしれませんが。
ウチのベランダの木はまだ「苗」のようなものですねー(^^;
by HEIJI (2010-04-01 00:08) 

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