或る秋の日の午後に <ダイサギ> [野鳥]
たゆたうように過ぎ行く時間
ためらうように踏み出す一歩
柔らかな光に包まれて行く
ひっそりとした秋の日の午後
風は限りなくやさしく
悲しみを吹き払って行き
青い空はどこまでも高く
そして遠く澄みきっている
ゆったりと穏やかな心で
この果てしないほどに深い
秋の日の静けさの中を
たった一人で歩いて行こう
既に、稲の刈入れも終わり、二番穂が立ち始めた秋の水田。
ゆったりとした足取りで、浅い水の中を歩きながら、餌を探しているのは、ダイサギです。
白鷺の仲間のうち、関東地方で普通に見られる種類には、主にコサギとチュウサギ、そしてこのダイサギがいます。
白鷺の内、コサギは名前の通りに小さめな鷺ですし、嘴の色は夏・冬に関わりなく黒いので、比較的たやすく見分けられます。
しかし、チュウサギとダイサギは、嘴の色が冬羽では黄色。夏羽では、黒になります。
ですから嘴の色は、この二種類を見分ける際には、決定的な要因とはなり得ません。
ですが、ダイサギには「口角が眼より後方を大きく超える」という特徴があります。
それは、上の写真を良くご覧頂下されば、多分お分り頂けると思います。
また、もう一つの違いとしては、ダイサギが主に水の中を歩いて、小魚や水棲の甲殻類等を採るのに対して、チュウサギは、主に農耕地や牧草地などにいて、トカゲやカエル、昆虫等を捕食します。チュウサギも、稀には小魚をも食べたりするようですが、頻繁にという訳ではなさそうです。
などと言っている内に、ダイサギが餌を採ったようです。
ちょっと遠いし、伸びた稲の葉に邪魔されて、よくは分かりませんでしたが、多分アメリカザリガニではないかと思います。
或る秋の日の午後。
ゆったりとした足取りで、ダイサギはただ一羽、水田の中を歩きながら、何時までも餌を採り続けていました。
そして僕はと言えば・・・
久し振りに、白鷺に出会えたことが嬉しくて、時の経つのも忘れ、何時までも写真を撮り続けていました。
それは、穏やかな初秋の、たそがれ時の近づいてくる頃のことでした。
参考図書
絵解きで野鳥が識別できる本 (BIRDER SPECIAL)
- 作者: 叶内 拓哉
- 出版社/メーカー: 文一総合出版
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
おはようございます。イチバーンでした。
by SilverMac (2008-10-10 09:01)
素敵な白色が、またとっても映えていますね☆
by お茶屋 (2008-10-10 09:16)
おはようございます^^
ダイサギの見分け方・・・近いと分かりますね~ 先日刈った後の田圃でみたのはチュウサギだったかしら~
コサギは頭に寝癖みたいな毛があるからわかります。^^
今度会ったらしっかり見てみます。
by mimimomo (2008-10-10 10:32)
田の鳥はいいですね。サギはゆっくり歩く様子もいいですし。
大中小は最初は気にしていましたが、このところ面倒になって白鷺でまとめてます。
by 春分 (2008-10-10 17:24)
白鷺の見分け方もポイントがあるのですね。
友達と楽しくおしゃべりするのもいいですけど、一人の時間を楽しめるというのも素敵なことですね。
by penpen (2008-10-10 21:27)
>ダイサギが主に水の中を歩いて、小魚や水棲の甲殻類等を採る
なるほど、家の池の魚をとったのはダイサギなのですね。
出来るなら、田んぼのドジョウを餌にして欲しいと思うのは、
人間の勝手な都合ですね。(苦笑)
by lapis (2008-10-11 00:39)
ゆったりした秋の日の、夕暮れにかけてのひと時が、記事から伝わってきます。
こうした鳥はみな、小魚を食べるのだと思っていました。トカゲや昆虫などを
主に食べる種類もいるとは知りませんでした。
by sakamono (2008-10-11 14:36)
真っ白で綺麗ですね。
白鷺に大中小があるとは知りませんでした。
川や田圃では見かけますが、かなり遠くにしか見たことがないので、
皆同じ種類だとばかり思ってました。
区別は難しいですね。
でも、今度気をつけて見てみようと思います。
by ichii (2008-10-11 15:40)
白鷺と思える鳥を時々小さな川べにいることに気づく程度で 大中小とは まったく 種類があることすら知らなかったです
たそがれ時 気に入った風景に出会いますと 夕飯の支度をしなければと思いつつ こんなチャンスに またいつ出会えるわからないと夢中になる時があります
書を書くときよりもはるかに 醍醐味を感じる時が多いです
by sanesasi (2008-10-12 13:57)