SSブログ

クモの振る舞い [小動物]

カナムグラの花とナナホシテントウ。

今回は、タイトル通りのクモの記事ですが、クモ嫌いの方のために、最初の写真は天道虫にしました。

僕のブログのそれぞれの記事へのアクセス数は、それほど多いわけではないと思いますが、それでも、中には1,000以上のアクセスを頂いている記事も幾つかあります。
そして、その殆どは「ハチ」「クモ」「テントウムシ」「セミの羽化」などを扱った回に集中しています。

テントウムシは兎も角も、ハチもクモもどちらも嫌われる事の多い生き物です。(いえ、僕はどちらも嫌いではありませんが…)それなのに何故?とは思いますが、きっとハチやクモに興味のある方も以外に多いのかも知れません。

と言う事で、「続きを読む」以下には、ナガコガネグモとジョロウグモ、及びそれぞれのクモがバッタやチョウを捕食する様子が載せてあります。
そして、最後にはもう一度、テントウムシを載せておくことにしました。

どうぞ、クモの嫌いな方は、パスなさって下さい。
では、クモが平気な方と、怖いもの見たさという方だけ、「続きを読む」をどうぞ。

 

   ナガコガネグモ  長黄金蜘蛛   クモ綱   コガネグモ科

クモも、昆虫の一種だと思われている方は、以外に多いような気がします。

昆虫の定義の一つに、足が六本あることが含まれていますが、クモは足が八本あります。
ここで、既に昆虫の定義からは外れてしまいます。

分類学的に言うと、昆虫は「節足動物門大顎亜門昆虫綱」に所属しています。
これに対して蜘蛛の方は「節足動物門鋏角亜門クモ綱」ということになります。

どちらも、節足動物であることは一緒ですが、取り敢えずクモは昆虫ではないということだけ理解していれば充分であろうと思います。

まだ、完全には成長していないナガコガネグモの網に、これもまた小さなバッタが引っ掛かってしまいました。
クモは、少しづつ糸を出して、バッタに巻き付けて行きます。


ある程度糸を巻き付けたら、後は獲物が動かなくなるのを、待つようです。

 

こちらは、既に成長したナガコガネグモ。

クモの糸で包まれた獲物を、大切そうに持っていました。


   ジョロウグモ 女郎蜘蛛   クモ綱   アシナガグモ科

こちらはジョロウグモ。
ナガコガネグモとよく似た部分もありますが、分類上の「科」も異なる、別々の種類のクモです。 


ジョロウグモは、その名に相応しく、メスの方がはるかに大きな体をしています。
写真の上部に写っている小さなクモがオスの方です。


ジョロウグモの網に掛った、ツマグロヒョウモンのオス。

ツマグロヒョウモンは、家の近所では今年初めて見た蝶でした。
あの美しい蝶の最期の姿に、些か切ない思いはしますが、残酷であるということとは、また違うように感じました。

クモもチョウも、自然の中で、在るがままに生きて、在るがままに死んで行く。
そして、一つの生命の死が、別の生命の糧となって行く。
輪廻とは、本当はそういう事なのかもしれないという気がします。

 

 

こちらは、トンボを捕食するカマキリです。
前の写真で、ナガコガネグモがバッタを捕食していた近くで、殆ど同時に見掛けました。

カマキリがトンボを捕食する様子は、昨年も記事にしましたが、これはあの時よりも、まだ幼生に近い小さな個体です。

 

再び、カナムグラの花に止まっている、ナナホシテントウです。

 

クモという生き物は、怖いと感じる人も多いと同時に、神秘的であると感じ人も多いようです。
平安時代に編纂された「古今和歌集」に、衣通姫(そとおりひめ)の作とされるこんな歌が載っています。

  わが背子が 来べきよひ也 さゝがにの
             蜘蛛の振舞ひ かねてしるしも
          古今和歌集 巻第十四・1110


   私のいとしい方が、きっと今夜は訪れるはず…
    蜘蛛の動き方が、そのことをあらかじめ知らせてくれているから…

「衣通姫の、独り居て、帝を恋奉つりて」・・・という説明文の付いたこの歌は、「日本書紀」の記述に拠るものですが、当時の人たちは、どうも蜘蛛の行動から何かの予兆を読み取っていたようです。

 

 

参考図書

校庭のクモ・ダニ・アブラムシ (野外観察ハンドブック)

校庭のクモ・ダニ・アブラムシ (野外観察ハンドブック)

  • 作者: 浅間 茂, 松本 嘉幸, 石井 規雄
  • 出版社/メーカー: 全国農村教育協会
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本

古今和歌集 (岩波文庫)

古今和歌集 (岩波文庫)

  • 作者: 佐伯 梅友
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/01
  • メディア: 文庫


nice!(17)  コメント(16)  トラックバック(1) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 17

コメント 16

テントウムシも自分より小さい虫を捕食するという点では同じなのに、なぜか嫌われていませんね。
人間って本当に容姿に気持ちを左右させられているなーと思います。
和歌に出て来る蜘蛛って、もしかしたら田舎の祖父母の家でよくみた、手足の長い大きな蜘蛛かもしれないなー
最近の住宅ではあまり見かけませんが、昔ながらの日本の住居では、あの素早く壁を伝って移動する大きな蜘蛛をよく見ました。
子どもの頃は、それが怖くてトイレに行けなかったりして(笑)
by (2007-10-07 13:39) 

春分

クモが嫌いなのは、毒にやられた記憶があるからかもしれませんね。
もちろん、日本のクモは今のところ毒はないでしょうけど、ヒトの記憶の奥底に
毒蜘蛛の記憶があるのかも。
いえ、私は好きですよ。朝早く森を歩くと巣にかかるのでそこはちょっと嫌いですが、
先方様は一晩かけて作った巣を壊されてますから、それどころじゃないでしょうけど。
by 春分 (2007-10-07 15:02) 

こんにちは^^
albireoさんは詳しいですね~。蜘蛛は昆虫でないのなら、一般的呼称は動物?
動物と言うと何かある程度大きなものを想像してしまいます~
ジョロウグモの雄雌、現在の人間の男女関係を示しているみたいに思うのはわたくし
だけかしら(@@?
by (2007-10-07 15:17) 

あやこ

やはりクモはちょっと怖いです(^^;
人間の方がクモより大きいのに・・・・(ーー;
by あやこ (2007-10-07 17:00) 

Silvermac

四万十市(旧中村市)だったと思いますが、ジョロウグモを戦わせ番付を決める遊びがあります。
by Silvermac (2007-10-07 18:46) 

aranjues

ジョロウクモ、まさに上のコメントのあるごとく、、ですね(^_^;)。
by aranjues (2007-10-07 19:22) 

COLE

虫たちの食事の時間をなかなか見ることはないので、楽しませてもらいました
by COLE (2007-10-07 22:08) 

ク、ク、クモはダメです~。
by (2007-10-08 01:00) 

sakamono

子供の頃から馴染みのあるのは、ジョロウグモです。捕まえて、糸を出させて遊んだりしました。ゴツイ感じのするオニグモは、どうも苦手でした。たしかに、こちらの勝手なイメージですね^^;。
by sakamono (2007-10-08 13:47) 

じゅんぺい

我が家のPCの中にも蜘蛛写真がいっぱいあるのを
思い出しました…。(夏休みの宿題です(苦笑))
よ~く見るとけっこう綺麗ですよね???

たった今、他の方のblogで蜘蛛を見て↑のコメントを
してきたばかりです。すごい偶然!!!
by じゅんぺい (2007-10-09 05:14) 

penpen

やっぱりテントウムシはかわいいです。クモがバッタをぐるぐる巻きにしている所は初めて見ました。私も今日クモの写真撮りました。
by penpen (2007-10-09 21:47) 

渋樹

戻ってきました。
またalbireoさんのところで、いろいろ勉強させてください。
よろしくお願いします。
by 渋樹 (2007-10-09 22:11) 

蜘蛛は、昔からなんか、惹かれます。
by (2007-10-09 22:55) 

はるまきママ

クモも昆虫も苦手なのですが、albireoさんの写真は平気な私です。
でも、妖しい美しさにドキドキしてしまいました・・・
by はるまきママ (2007-10-10 11:57) 

konkon

捕食の様を、実際は見たことがなかったので、興味津々。
まじまじと見つめております。
by konkon (2007-10-22 08:26) 

虫めづる・せきね

SilverMacさん,四万十市(旧中村市)のクモ相撲は,コガネグモで行われます.コガネグモの中村方言が,ジョウロウグモなんです.
クモを戦わせる遊びは,全国的にありました.フィリピンでもやってますよ.
日本や東南アジアには,クモも含めて虫を愛でる文化があるんだ,って思うな.

by 虫めづる・せきね (2008-03-06 18:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。