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本の間の木の葉 [季節]

 2001年12月1日 京都 槙尾(まきのお) 西明寺前の河原の紅葉です。

丁度四年前ですが、日帰りで栂尾の高山寺、槙尾の西明寺、高雄の神護寺へ行った時の写真です。
まだ、あまり画素数も大きくない頃のデジタルカメラなので、今見るとちょっと物足りない感じがします。

その時、高山寺と神護寺の辺りで拾った紅葉を、文庫本に挟んで持ち帰って来たものです。
既に、紅葉の色は褪せてしまっています。

この褐色の銀杏の葉は、古書店で手に入れた江戸時代の古書の間に、挟みこまれていたものです。
この本自体が、いつ出版されたものか、よく判らないのですが、書かれたのは江戸時代も初期の頃です。

当然、この葉がいつ挟み込まれたものかも、まったく判りませんが、少なくとも百年以上は前のことだろうと考えています。
でも、もしこの本が書かれてすぐに出版されたもので、この葉も買ってすぐに挟み込んだものとすると、三百年ほど前の可能性もあるのですが・・・。

このように、銀杏の葉を本に挟んだ理由は、「栞代わり」と言うことではないようです。
銀杏の葉には、紙を食べる虫を除けるという効果があるとされています。

以前、鎌倉時代の展覧会に、銀杏の葉を挟んだ本が出ていたのですが、それに就いて「虫除けのため」という解説が付けられていました。

和紙は、洋紙に比べて、光線や湿度等に対する耐久性に富んでいて、特に湿度の高い日本では、とても優秀な紙なのですが、虫損(ちゅうそん=虫食い)には弱いという弱点があります。
その為、年に一度くらいは虫干しをする必要があると言われます。

挟まれた銀杏の葉のお陰でしょうか、この本には端の方に虫食いがあるものの、ページの中央の辺りには、虫食いの跡がありません。

ちなみに、この古書は儒学者の「熊沢蕃山(ばんざん)」が書いた、『大和西銘(やまとせいめい)』という本です。

 

再び、四年前の紅葉です。多分、神護寺へ向かう途中だったと思います。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

暫く、ご無沙汰してしまいました<m( _ _ )m>

数年ぶりで、風邪をひいてしまったようです。
咳は出ないのですが、夜になると腹痛が起きてしまい
パソコンを開く気分にはならず、休んでしまいました・・・。

コメントバックもずっと滞ってしまい、申し訳ありません。
明日からは、再び皆さんのブログへもお邪魔できると思いますので、
どうぞ、宜しくお願い致します。

みなさんも、風邪やインフルエンザには、ご注意下さい。

 


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コメント 22

こんばんは。
やはり具合がお悪かったのですか。ご旅行かしら、とも思っていたのですが。
銀杏の防虫剤代わりは興味を惹かれますね。そんな昔からず~と
ほんの間にあって、平成の今お披露目だなんて、凄いロマン。
by (2005-12-01 18:24) 

m-tamago

まずはお大事になさって下さい。急に寒くなって体調を崩す方が多いようです。無理なさいませんよう。
今日のお話もとても興味深かったです。銀杏には防虫の意味があったとは。古文書に挟まれた銀杏の写真は味わいがありますね。燻し銅のような色の銀杏の葉、見事に細工された骨董品のようにも見えます。
熊沢蕃山、日本史の教科書に載っていましたが流れるような美しい文字を書かれる方だったのですね。古書を見る機会はありませんが、いいものですね。
神護寺、西明寺、高山寺、いずれも紅葉で有名ですね。私もいつか紅葉の時期に行って見たいと思っているお寺です。
by m-tamago (2005-12-01 19:53) 

Silvermac

ViolaMacです。
さすが京都ですね。絵になりますね。
お風邪のようでしたが、どうぞくれぐれもご自愛下さい。
by Silvermac (2005-12-01 20:05) 

Gotton Factory

風邪ひかれたんですね。しっかり休んでくださいね。
お大事に。
by Gotton Factory (2005-12-01 20:28) 

penpen

貴重な本と銀杏の葉が拝見できて、嬉しいです。300年もの間虫にも食われず、どんな方が入れられたのでしょうね。真っ赤なモミジと下を流れる川が綺麗ですね。お体お大切に。
by penpen (2005-12-01 20:59) 

いつも素晴らしい景色を楽しませていただいています。
一日も早く、体調を復活させて、また素晴らしい写真&記事を見せてください。
by (2005-12-01 21:16) 

さねさし

早速 銀杏の葉っをたくさん拾ってきて 百人一首など書いた和とじ本にはさんでおきます いいこと教えていただきありがとうございました 木版刷り?のこの和紙ガンピの紙でしょうか とっても強そうですね ぼろ市などへ行って 大福帳を買ってきて 書いてないところの紙に書いたりしておりますので ついつい紙に目がいってしまって ・・・ どうぞお大事になさってくださいませ
by さねさし (2005-12-01 21:29) 

河原の紅葉、とても美しいですね!
このような写真を拝見すると久しぶりに京都に行きたくなります。
銀杏の葉が、虫除けになるとは知りませんでした。
昔の人の知恵は素晴らしいものだと思いました。
どうか、お体を大事になさってください。
by (2005-12-01 21:48) 

bellflower

こんばんは^^
古書に挟まれたイチョウの葉は実用的かつとても風流♪
色は褪せてしまっているけど、その分存在は鮮やかな気がします。
そういえば、江戸時代の古書購入されたのですよね?
やっぱり、蔵書は幅広い分野が揃っているのでしょうか?
興味です♪
風邪は万病の元とも言いますから、無理せずお身体大事にしてくださいね^^
by bellflower (2005-12-01 23:03) 

Runa

大丈夫ですか?あまり無理なさらないように
身体を 労わって下さいね。
1枚目の 写真を 見て 思わず 
側にいた 娘が きれい~と 叫んでいました。
by Runa (2005-12-01 23:05) 

紅葉も銀杏も葉脈に命を感じますね。
とても素敵ですね♪
by (2005-12-01 23:08) 

ナナ

おはようございます!コメントを頂いて、お見舞いにきました。
これがまた、出勤前だったりするものですから、大慌てです...
また帰宅してから、改めてお邪魔します。
どうかゆっくり休んでくださいね!
by ナナ (2005-12-02 08:35) 

gillman

イチョウの葉に防虫効果があるとは知りませんでした
先人の知恵ですね
風邪、お大事に
僕も、既にもう一週間もひいています
by gillman (2005-12-02 10:55) 

kane

数百年も前の銀杏の葉、ロマンを感じますね。
いいもの見せて頂きました。
お身体お大事にして下さい。
by kane (2005-12-02 13:35) 

mippimama

銀杏の葉に防腐剤の効能があったとは驚きです。
もしも初版の頃の葉っぱだとしたら凄いですね!!
お風邪との事、どうぞお大事に。
by mippimama (2005-12-02 16:29) 

以前古本屋さんで購入した本の中に銀杏の葉がはさまっていたことがあったのですが、
そういう効果があったのですね!
京都のお写真、冷たくピンと張り詰めた空気の中に、紅葉がよりいっそう美しく見えます!
今年の風邪は長引くらしいので、どうぞ無理なさらないでくださいね。
by (2005-12-03 00:32) 

ナナ

歴史を感じるイチョウの葉が、なんともいえず素敵な味わいを醸していますね~
なんだか、「大きな古時計」を歌いたくなる雰囲気です。 
by ナナ (2005-12-03 00:34) 

あやこ

江戸時代の本とイチョウの葉。。。 なんだか、歴史を感じるというか、なんというか、ロマンを感じます^^
by あやこ (2005-12-03 09:13) 

kan

本の間に押し花や落ち葉を
発見したことあります。
防虫だったなんてはじめて知りました。
by kan (2005-12-04 00:17) 

INOUE

銀杏の葉っぱの効用を初めて知りました。今のように色々なお薬などが
無い時代の人間の知恵は素晴らしいですね。
古文書に古い銀杏の葉っぱ、歴史を感じますね。
by INOUE (2005-12-04 18:23) 

shareki

古文書に古いイチョウの葉、思いを馳せる感じですね。
歴史は凄く好きなんですが、古文書は読めません、残念。
by shareki (2005-12-07 20:38) 

barbie

槇尾の紅葉がステキですね。実家から比較的近いので独身の頃はよく行きました。古書がでてくるところはさすがalbireoさんですね。イチョウに防虫効果があるとは。私も挟んでみようと思います。
by barbie (2005-12-11 23:26) 

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