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レオナルド・ダ・ヴィンチに関する二つの展覧会 [展覧会]

現在、関東地方ではレオナルド・ダ・ヴィンチに関る、二つの展覧会が開かれています。
一つは、僕の自宅から比較的近い「千葉市美術館」の『ミラノ展 -都市の芸術と歴史-』と、
もう一つは、東京 港区の六本木で開催されている『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』です。

その二つの展覧会を、11月3日と11月5日に観に行って来ました。

千葉市美術館『ミラノ展 -都市の芸術と歴史-』
      平成17年10月25日(火)~12月4日(日)

この展覧会は、千葉市美術館開館10周年記念展として開催されているもので、イタリア ミラノ市の美術館と博物館16館の所蔵する絵画、彫刻等を展示しています。

今回の展覧会では、ローマ帝国時代のキリスト教美術から、現代美術までを幅広く展示しており、ダ・ヴィンチの作品はその目玉という感じで展示されていました。

↓こちらのサイトで、展示品の一部の画像を見る事が出来ます。
http://www.city.chiba.jp/art/exhibition/milano.html

今回のポスターにもなっている、レオナルド・ダ・ヴィンチの『レダの頭部』は、レオナルドの『レダと白鳥』という、現在は失われた絵画の素描とされています。
この作品は、一部にレオナルドの弟子による加筆がされている可能性もあると言われていますが、全体的にはレオナルドの真筆とみなされています。
20cmX15.7cmという小さな作品ですが、細かく編まれた髪や、独特な表情が美しいデッサンでした。

レオナルドの作品としては、もう一つ『キリストの頭部』というチョークとパステルによる作品が展示されています。
この『キリストの頭部』は、レオナルドの大作『最後の晩餐』の準備素描であるという見方がされています。
こちらも、弟子による加筆が加えられているということです。
しかし、このことはレオナルドの弟子たちが、常に師匠の作品を熱心に研究していた事の証拠であると見られています。
*この二作品は、上記のサイトで見る事が出来ます。

 

森アーツセンターギャラリー『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』
         平成17年9月15日(木)~11月13日(日)

こちらは、『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』と銘打っていますが、実際にはレオナルドの直筆ノートである『レスター手稿』の展覧会です。

『レスター手稿』は、レオナルド・ダ・ヴィンチ晩年の研究ノートで、様々な化学的な観察や考察をまとめた、非常に貴重な直筆文書です。

↓こちらのサイトでは、解説等をを見る事が出来る他、壁紙やペーパー・クラフトもダウンロード出来ます。
http://www.leonardodavinci.jp/index.html   (このサイトは閉鎖されました)

『レスター手稿』は、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏夫妻の個人所蔵となっていますが、一年に一度だけ、一ヶ国でのみ公開を許可しているということです。

この展覧会ではまず最初の部屋に、幾つものアクリル製の実験装置が置かれていました。
それらの装置は、『レスター手稿』の中に書かれている、レオナルドの観察に基づいて作られたもので、水流の変化や、波紋の干渉、サイフォンの原理などを、来場者が実際に手に触れて観察できる仕組みになっています。

僕が行ったのは土曜日だった為、子供を連れた家族が目立ちました。
子供たちがそうした装置に触れて、楽しそうにしている様子を見ると、こちらも楽しい気分にさせて貰えます。

さて、肝心の『レスター手稿』の展示ですが、貴重な展示品の保護の為、展示室は暗く、展示された『レスター手稿』にも、微弱な光が間歇的に当てられるという、特異な展示方式です。
しかし、『レスター手稿』のそれぞれの紙葉毎に、裏表ともに見えるように個別に立てて展示してあり、非常に見易い配慮がなされています。しかも、個別の展示で、どこから見ても良いようになっているため、酷く混み合ったり、行列を作ることなく比較的楽に展観することが出来ました。

『レスター手稿』が書かれた年代は、1505年及び、1507~1508年で、レオナルドが53歳頃の事だということです。
書かれた文字は、研究者でない限りは、到底読み解く事など出来ませんが、500年も前にレオナルド・ダ・ヴィンチよって書かれたものだと思うだけで、とてもワクワクした気分に浸ることが出来ました。

 

今回の展覧会の内、『ミラノ展』の方は、「千葉市美術館」の会員になっているので、開催通知を貰っていましたが、六本木の『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』の方は、つい先日 lapis さんが『レオナルド・ダ・ヴィンチに関する興味深いサイト』という記事で紹介されていたことで初めて知りました。

以前、紹介した『植物画世界の至宝展』の時は、ナナさんから展覧会の開催情報を頂き、今回は lapis さんから情報を頂きました。
お二人ともそれぞれ、東京からは離れた場所にお住まいの方たちです。
僕は近くに住んでいながら、不覚としか言いようがありませんが、ブログのお陰でお二人の方から情報が得られたことに、とても感謝しています。

 

*花の写真は、『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』会場ビルの、エントランス付近に咲いていた『シクラメン』です。

久し振りに行った六本木からの帰り、明治神宮外苑の銀杏並木に寄って見ました。
黄葉で金色に染まった風景を、僅かに期待して行ったのですが、まだまだ黄葉には程遠い状態でした・・・。

 

これも久し振りに見た、夕暮れ間近の東京タワーです。

 


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コメント 57

penpen

白いシクラメンが綺麗ですね。レオナルド・ダ・ヴィンチ展二ヵ所も行かれたんですね。実験装置が楽しそうですね。私もどこだったか忘れましたが、模型を見た記憶があります。
by penpen (2005-11-07 21:58) 

koza

ダ・ヴィンチ…ボクがやってる子供向け偉人伝漫画で
とりあげたい素材です〜。天才すぎ!
by koza (2005-11-07 22:03) 

Runa

紅白のシクラメンが 対照的で とても 綺麗ですね。
これから シクラメンが 寒い冬に 彩ってくれそう!
レオナルド・ダ・ヴィンチ展 行かれたのですね。
by Runa (2005-11-07 22:07) 

「芸術の秋」を感じさせる記事ですね。
そういえば、僕は、展覧会に行くのもゴブサタしてますね。
芸術してこようかな?
by (2005-11-07 22:12) 

maya

白のシクラメン凛としてステキ。。。
明治神宮外苑の銀杏並木まだなんですね?
いつぐらいがいいのかな?
by maya (2005-11-07 22:33) 

TBありがとうございました。
また、記事のなかで、拙ブログをご紹介いただき、感謝しております。
二つとも堪能されたようで、何よりです。デッサンとはいえ、『レダの頭部』は、美しいので、実物を見てみたいと思います。森アーツセンターギャラリーのポスターの写真、格好いいですね!
芸術の秋にふさわしい記事を楽しく読ませたいただきました。
レオナルドつながりと言うことで、「ダ・ヴィンチ展」ともう一つ過去記事をTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
by (2005-11-07 23:38) 

gillman

ダ・ヴィンチ展、是非行ってみたいです
いろいろなイベントが催されることを考えると、東京ってエキサイティングな街ですよね
韓国人の友人も東京は飽きない、と言っていました
東京で生まれ育った自分ですが、もっと東京を知りたいと思っています
by gillman (2005-11-08 00:31) 

あやこ

レスター手稿 みてみたいですねっ!!
そのひとの書いたものがみれるのって、なんだかわくわくしてしまいますね^^
昔の人の芸術って今でも残り評価されているじゃないですか・・・
今の時代の芸術は、後世でどのように評されるのでしょうね。。。
by あやこ (2005-11-08 08:07) 

Silvermac

田舎町ではなかなか見られません。
by Silvermac (2005-11-08 08:45) 

こんにちは。昨日は忙しくってナイスを押してそれっきりになってしまって、すみませんでした。
ダ・ヴィンチは確かイタリアに行った時見たのですが・・・何故かあまり記憶にないですね。
いよいよシクラメンの季節・・・時の巡るのは早いですね。
by (2005-11-08 10:51) 

akamaru

東京もチョッと離れると!
素朴な住宅街があったりして!
まだまだ下町が生きてます。
by akamaru (2005-11-08 11:59) 

ナナ

まさしく、芸術の秋ですね。
私は、何かと色々あった時期でもあり、結局展示会には行きませんでした...

今回の記事で、なんだか、昔行ったルーブル美術館の雰囲気を思い出しました。
家族連れがいて、子供たちがデッサンを楽しんでいて・・という感じの雰囲気。
過去の芸術家たちの名作の数々。

本当に、懐かしい~

追伸:ところで、ブログアワード、参加してみようかと思っています。1000文字って、楽勝じゃないですか?・・・過去の短編 『妹』 でさえ、超えていますもの。 albireoさんもチャレンジしてみましょうよ!まだまだ期限はありますもの!
by ナナ (2005-11-08 20:51) 

私も先週末に六本木の方に行きました。
「子供たちがそうした装置に触れて、楽しそうにしている様子を見ると~」
↑私もしっかり触れて楽しんできました。
今週は東京都美術館の「プーシキン美術館展」に行ってきます!
by (2005-11-08 23:42) 

猫ふみふみ

一年に一度だけ、一ヶ国でのみ公開なんて、すごく行きたくなりました。
次に日本に来た時は、もう生きてないかも知れないし。
そうですよね、貴重な500年も前のものなんですもの。
レオナルド・ダ・ビンチが考え出したいろいろな装置に触れるのも、
なかなかない体験だと思います。予定を調節しなくっちゃ!
by 猫ふみふみ (2005-11-09 11:58) 

sera

オナルド・ダ・ヴィンチ展へ行きましたか、、、
六本木ヒルズにはよく映画を見に行きましたが、ダ・ヴィンチ展は
まだ見ていません(^_^;)
東京タワーの写真、夕陽で、周りがカラフルで、きれい!
やっぱり写真は朝陽と夕陽が一番ですね!
by sera (2005-11-09 21:42) 

albireo

◇ penpen さん ありがとうございます。
子供たちが、こういうものに触れる機会が持てるのは、とても素晴らしい事だと思いました。

◇ こざき さん ありがとうございます。
色々不明な点や、天才過ぎて描ききれない部分もあるでしょうが、是非取り上げて欲しいです!
頑張って下さい!

◇ Runa さん ありがとうございます。
特に白いシクラメンが、本当に綺麗でした。
これから、シクラメンの季節ですね!

◇ 誠大 さん ありがとうございます。
僕は、美術館が大好きなのですが、時折観たかった展覧会を見逃して、がっかりすることもあります・・・。

◇ maya さん ありがとうございます。
青山の銀杏並木は、もう少ししたら、また行って見ようと思います。
その時、黄葉していたら、記事でお知らせしますね!

◇ lapis さん ありがとうございます。
あまり上手く書けていなくて、申し訳ありません。
『レダの頭部』は、大きなポスターで見ていたので、実物の小ささに驚きました。
「ダ・ヴィンチ展」の方は、 lapis さんが記事で紹介してくれなければ、多分気付かないまま終わっていたと思います。
本当に、ありがとうございました。

◇ gillman さん ありがとうございます。
会期が、残り少なくなってしまいましたね。もし、出来れば是非ご覧になって下さい。
僕は、美術館や博物館が大好きなので、そのことでは、東京近郊に住んでいることを有り難く思います。

◇ あやこ さん ありがとうございます。
もう会期も、残り少なくなってしまいましたが、出来れば是非ご覧になって下さい。
ただ、そろそろ混雑が激しくなるかも知れませんね・・・。

昔の芸術作品も、運良く残ったという面もあるようですが、過去の芸術もこれからのものも、戦争などで破壊されずに残って、未来の人に評価して貰えるようにしたいものです。

◇ SilverMac さん ありがとうございます。
こういう時は、東京近郊に住んでいることを有り難く思います。

◇ mimimomo さん ありがとうございます。
ブログを見て、コメントを書きかけた時に、急に用事が出来たりすることは良くありますね・・・。
お互い様ですから、お気になさらないで下さい。

みんな、あまり気にも留めずに歩いていましたが、シクラメンの花はとても綺麗に咲いていました。

◇ あかまる さん ありがとうございます。
僕は、東京で生れたので、下町の雰囲気は大好きです!

◇ ナナ さん ありがとうございます。
行けませんでしたか。残念でしたね・・・。
でも、本当に色々大変でしたからね・・・。

ルーブルは、僕も行ってみたいです。

ブログアワード、参加しますか?
それは、楽しみです!
字数は、考えて見れば、確かに原稿用紙僅か3枚弱ですね・・・。
僕も、ナナさんに勧めた手前もありますから、一応何か考えてみます。
でも、『10年』というテーマをどうしたらいいか、ちょっと悩みます・・・。

◇ Kaori さん ありがとうございます。
では、同じ頃に行かれたのですね。
実験装置には、僕も少しだけ触れて来ました。
「プーシキン美術館展」「北斎展」・・・
僕も、行きたい展覧会が、沢山あります・・・。

◇ 猫ふみふみ さん ありがとうございます。
会期も、もう終わりに近付いてしまいましたが、なんとか都合が付くといいですね。
もう少し早く、観に行って記事に出来たら良かったのですが、僕も知ったばかりでしたので・・・。

◇ sera さん ありがとうございます。
そう言えば、映画の看板が沢山ありました。
僕は、展覧会は良く行きますが、映画は最近殆ど見ていません・・・。
by albireo (2005-11-09 23:32) 

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