女郎花と藤袴 <秋の七草> [秋の七草]
オミナエシ 女郎花 オミナエシ科 オミナエシ属
この写真は、夕方に撮ったのですが、夕陽の強い残照を受けて、女郎花の花は、金色に輝いて見えました。
『女郎花』は、現在は『おみなえし』と読みますが、古くは『おみなめし』とも呼ばれていました。
この花の名前の由来に就いて、図鑑などによく載っていることは、「昔、粟飯(あわめし)は女性の食べ物で、女郎花の花が、粟飯に似ているため」というような説明がが多いようです。
また、女郎花と近縁種で、白い花の咲く『男郎花(おとこえし)』には、「白米は男性の食べ物・・・」という説明がなされていたりもします。
しかし、実際に粟が女性の食べ物で、白米が男性の食べ物だった等と言う、謂わば差別的な事実が本当にあったのかどうか、色々と民俗学の史料などを調べてみたのですが、どうも確信が持てません・・・。
また、「この花の美しさが、女性の美しさを圧倒する」からという説もあるのですが、それも確信の持てる出典は見付かりませんでした。
ところが、先日『霊鬼志』という、中国の古い本に、「美しい娘が死んだ後、墓に菊の花が咲いたので、この花を『菊花女』または『女郎花』と名付けた」という内容の話が載っていることを知りました。
また、日本の古い書物には「蒸した粟に似ている」という意味のことが、度々書かれているようです。
どうも『おみなめし』という名前は、「美しい娘の墓に生えた」ことと、「花が蒸粟に似ている」ということの、二つが結びついて出来たのではないかと言うような気もします。
しかし、『霊鬼志』には『菊』とある為、日本で言う『女郎花』とは違うのではないかと言う、意見もあるようです。
この『霊鬼志』に載っているものと似た、女性の墓から『女郎花』が生じたという話は、日本の話としても存在していて、能の『女郎花(おみなめし)』という物語にも、取り上げられています。
と、言うことで、あちこち調べては見たのですが、本当の語源は、やはり分りませんでした・・・。
フジバカマ 藤袴 キク科 フジバカマ属
フジバカマは、現在、野生のものが、極端に少なくなっていて、絶滅危惧種に指定されています。
(勿論、この写真も野生のフジバカマではありません)
しかし、元々は、古い時代に、中国から渡来したものだと考えられているようです。
以前紹介しました、同じ仲間の『ヒヨドリバナ』によく似ていますが、淡い紫色がとても美しい、品のいい花です。
下のURLに、以前の『ヒヨドリバナ』の記事があります。
http://blog.so-net.ne.jp/albireo/2005-08-17
(また、↑こちらには、『女郎花』と同じ仲間の『男郎花(おとこえし)』も、載せてあります)
これで、秋の七草の内五種類を紹介させて頂きました。
残りの二種類は、次回の記事に掲載させて頂く事にします。
『霊鬼志』のお話、とても面白く拝見いたしました。
女郎花は、この妖しくも美しい物語にふさわしい、美しい花だと思います。
藤袴の紫が、美しいです!
どの写真も素敵なのですが、4枚目が一番好きです。
by (2005-10-07 00:23)
オミナエシの黄色、本当に金色に輝いてキレイですね。
フジバカマはまだ見たことないです。
by atom (2005-10-07 01:59)
お花の名前の由来 いろいろな説があっておもしろいですね!!
ふじはかま かわいいお花ですね^^
by あやこ (2005-10-07 08:07)
お花の語源は難しいですね。でもalbireoさんのブログで勉強になりました。
フジバカマうちのはまだ少し固めの蕾。
by (2005-10-07 09:06)
女郎花は良く見ますが男郎花は、女郎花の白花だと思っていました。
「男郎花」覚えておきます。
秋の七草に数えられるくらい、秋には咲いていた藤袴の花が絶滅危惧種だなんて、寂しいですね。
by 猫ふみふみ (2005-10-07 10:01)
フジバカマはつぼみがきれいですね。
by Silvermac (2005-10-07 10:24)
オミナエシの黄色のあざやかなこと!
そしてフジバカマ、初めて見みました。
albireoさんの写真を見ていたら、直接本物を見たくなりました。
by Gotton Factory (2005-10-07 10:27)
どちらもほんとに繊細な花ですね。
オトコエシは食用になるとかで、栽培している人もいますね。
by Baldhead1010 (2005-10-07 14:22)
最後におかゆを・・・・・
by akamaru (2005-10-07 15:19)
フジバカマの淡い紫色がなんとも奥ゆかしくていいです。
by (2005-10-07 17:05)
キレイな黄色とキレイなピンクですね。
by beer (2005-10-07 17:55)
あと二つも楽しみにしてます。
フジバカマは蕾が良いかな。
by ao (2005-10-07 21:06)
すっかりご無沙汰しておりました。
女郎花の名前の由来の真実はいったいどれなんでしょうね。
学生の頃、「女郎」と言う名にふさわしいイメージを持ったのを覚えています。
フジバカマの上品な紫色は、秋のショールに縫いとめてしまいたいように
感じました。
いつも素敵な写真をありがとうございます!
by dino-tail (2005-10-07 22:00)
そうですか、これは差別ですね。いまだったら大変なことになりますね、女性上位の感がありますから、ああ、これは我が家だけですかね(笑)
みごとなオミナエシとフジバカマですね、なかなかこういう立派なものが見つからなくて・・・・。
by ziziblog (2005-10-08 08:13)
金色に輝いたオミナエシが綺麗ですね。いろんな語源があるほどみんなが魅せられるお花なんですね。フジバカマの淡い紫色も素敵ですね。
by penpen (2005-10-08 17:08)
名前の由来にもいろいろな説があるのですね。どれをとってもロマンが
あっていいなぁと思います。名前は知っていてもお目にかかった事は無いと
思うのですが、、、
by puripuri (2005-10-09 17:17)
春の花もそうですが、七草に代表される花々は、控えめで可愛らしいですね。
そういうイメージが、私の目指す理想の女性像かもしれません♪なんちって
by ナナ (2005-10-10 16:42)
ピンクばかりに目が行ってしまいます(*´∀`)ニタァー
by maya (2005-10-10 18:46)